柴崎と川澄、神戸のイタリアンレストランで緊張して向かい合っている。柴崎は黙って、川澄のネイルを見ている。
川澄 「今日は勝てて良かったね」
柴崎 「見に来てくれたんですか?」
川澄 「うん、20分くらい遅れちゃったけど・・・・・・」
柴崎 「そう・・・・僕も何か気になっちゃって・・・・・・」
川澄 「レオネッサのお友達と行ったの。チ・ソヨンちゃん」
柴崎 「そう・・・・・」
川澄 「無口なのね。いつもこんな感じなの?」
柴崎 「そういうわけじゃ・・・・・こういう綺麗するぎるお店、何か苦手で」
川澄 「あの、山村君と仲がいいの?」
柴崎 「はい。最近特に・・・・・昨夜も夜遅く国際電話がフランスからかかってきて」
川澄 「エジプトに勝てなかったね。同点になったのに・・・・・」
柴崎 「三点目も山村のよせが甘くって。落ち込んでた。責任感じて」
川澄 「責任感強そうだもんね、山村君」
柴崎 「出発前は、初得点もして元気だったけど。もう呼ばれないもって言ってた」
川澄 「柴崎君がいないからよ」
柴崎 「え?」
川澄 「いつも君の背中を見てるから、アントラーズ戦では落ち着くのよ」
柴崎 「ええええええ!そんなことないと思います。岩政さんに怒鳴られてるからじゃ・・・・・」
川澄 「柴崎君、やっと20歳になったのね!お誕生日おめでとう!!」
柴崎 「ありがとうございます。そう言えば川澄さんって年上ですよね?」
川澄 「そうよ・・・・今度の九月で27よ!」
柴崎 「突然ですが、川澄さんにとって、サッカーって何ですか?」
川澄 「サッカーは私の人生そのもの、生きることそのものよ!」
川澄の目が輝きだし、柴崎の目をじっと見つめる。
川澄 「岳君にとって、サッカーって何なの?」
柴崎 「岳君なんて・・・・・うれしいけど・・・・・・サッカーは・・・・・考えたことない・・・・・・」
川澄 「岳君は、難しい本読んでるって、みんな言っていたわよ」
柴崎 「いや、別に・・・・そんな。川澄さんって本とか読みます?」
川澄 「読むわよ。私、文章も書くの好きよ」
柴崎 「あの・・・・・結婚してもサッカーは続けるつもりなんですか?」
川澄 「あったりまえじゃん。おばあちゃんになっても続けるつもり。90になっても」
柴崎 「90・・・・・。僕は83くらい。あと60年以上もあるんですけど・・・・・・」
川澄 「わたしと60年間、サッカーし続ける自信ある?」
柴崎 「川澄さんとなら、大丈夫だと思います!毎晩でも練習しましょう!」
川澄 「私のトレーニングはハードよ。毎晩、ヘトヘトよ!」
柴崎 「試合にさしつかえるようなのは困るんですけど・・・・・・」
川澄 「そんなこと言ってるようじゃ、わたしのダンナは無理かも」
柴崎 「あの・・・・指先が器用だって聞いてたんで・・・・・女性的な人かと・・・・・」
川澄 「そうそうあのフンドシの刺繍、気に入ってくれた?」
柴崎 「はい。もったいなくって、鹿島神宮に預けました」
川澄 「ええっ!鹿島神宮・・・・・今日の試合ではかなかったの?」
柴崎 「汚れると申し訳なくって」
川澄 「岳君!わたしのこと愛してるんなら、リーグ戦で優勝して!そしたら結婚する」
柴崎 「え!僕一人じゃ無理なんですけど・・・・・」
川澄 「いや、君ならできる。私にはわかるの!女の勘よ。」
柴崎 「あの、ワインでも飲みませんか?」
川澄 「20歳になったとたん・・・・いいわよ。どれがいいかしら?」
柴崎と川澄はメニューを見始める。柴崎、相変わらず、川澄のネイルが気になっている。
川澄、柴崎の指を突然つかむ。
川澄 「柴崎君、ほんとにわたしのこと愛してる?」
サッカーネタがなく、申し訳ありません・・・・・
工藤静香は、歌がうまいだけではなく、油絵もとてもうまいそうで、二科展に何度も入賞、特選になったこともあるとか。
雰囲気のある女性ですね^^