大衆居酒屋の二人席、課長と新人社員が中ジョッキをカチン。
「ハイじゃ乾杯。どう?慣れた?この会社。入社して三ヶ月。まだ実感わかないか」
「いやぁ、学生気分の抜けてなかったボクがそれなりの営業成績をあげることができたのも、課長のおかげです。感謝してます」
「ハハハ、感謝なんて君ぃ」
「課長はボクの師匠っすよ。いや神かな」
「おいおい、持ち上げすぎだぞ。会社でそんなこと言わんでくれよ。プライベートだけで頼むよ」
「あれ?課長、失礼ですけど二重になってません?まぶた」
「気がついたかね、プチ整形」
「お洒落っすねぇ。若く見えますよ。三十代的な」
「おいおい、確かに髪は後退してメタボだが、ボクはまだ34だよ。でね、なぜ整形したかっていうと、実は今交際中でね」
「エ。課長、独身?」
「見合い23回、晴れて二度めに会う約束をしてね。だが、ここからは未知の領域だから。やっぱり二回めのデートは、アレかね?おとなしめに映画とか」
「どうでしょうねぇ、映画」
「やはり結婚を前提におつきあいしとるわけだから、手を握ったり肩を抱いたりはアリかな」
「いや~おつきあいといっても、実質会ってまだ数時間のわけで」
「消極的と思われんかね?多少強引なほうが女はメロメロにならんかね?」
「どうかなぁ。映画ってあんまり会話できないから、そうだ、ボウリングとかどうです?」
「ボウリング~?♪律子さん♪さ、わ、や、か、律子さん♪のアレかね?古すぎやしないかね、君ぃ」
「最近、そこそこ流行ってるんですよ。スコア計算も自動でやってくれるし」
「だがね、ボクはフォームにキレがないというか、アベレージ80なんだよ。デートの日までに猛特訓して100超えないと」
「そんな必要ありませんよ~」
「イヤ、それじゃあボクが納得いかんよ。彼女にアドバイスしていいところを見せなくちゃ」
「課長、目的はボウリングじゃないですよ。楽しい時間を共有するってことが目的なんですよ」
「・・・」
「どっちが上手いとか関係ないっすよ。これから先、いいことも悪いこともある。でも一緒にいて元気をもらえたり安心できたりする、そんな相手こそベストパートナーでしょ」
「う~む、君の言うとおりだ。君は恋愛の神様だな。師匠と呼ばせてもらっていいかね?」
「エ~恥ずかしいなぁ。プライベートだけでお願いしますよ」
「で、やっぱりベンチ席では手くらい握ったほうが・・・」
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恋愛に関しては、新入社員くんの方がよっぽどしっかりしてますね。
お見合い23回か。頑張れ!課長さん^^
彼女まだいないですけど、がんばりますよ~
あー、でも何かこういうシチュエーション、ある気がします。
課長さん、応援してますよ!!
結婚も、就活もキビシイ昨今ですね。
少子化もどんどん進むわけだ。
まさか。居酒屋の二人席で手を握り合ったんじゃないですよね。
若いんだから、『彼女がほしいぞ光線』を出しまくって、彼女ゲット、恋愛を楽しんでくださ~い。
とか言って、中学高校の頃、彼女なんていなかったボクが言ってもなんのアドバイスにもなんないなぁ(笑)
このあとの展開はやはり手とり足とり、実践練習ですよネ!
手の握り方やら
キスのやり方やら
居酒屋、出入り禁止になったりして~
テレビでやってて、ボクはそんな映画は捨てちゃえばって感じだったんですえけど
妻は、夢中で見てました。
恋愛を統計的にとらえて、うんちくでまとめて映画にしたような
そんな映画だったんですけど
いろんな女をボーリングのピンに見立てて
オレの玉でストライク!
そんな気分になるお話でしたあ。
http://onlyhdwallpapers.com/wallpaper/bowling_the_big_lebowski_desktop_1440x960_wallpaper-43041.jpg
恋愛なんて、なりゆきまかせ風まかせなのがいちばんいいんですよねぇ。