常夏ならば振り向くかも

語り部である私が提供する、今そこにあるチープでホットな噺の数々を口承するブログ。一話解決を目指して今日も喋ります。

タイムズチャンピオン

2006年12月02日 | 『今そこにある既知』 今これが言いたい
浦和レッズが年間王者を勝ち取った。
私は本拠地であるさいたま市在住なので応援してた。嬉しい
勝ち取ったといっても、それはそれは苦難の道のりでどうのように大変だったかは今朝の新聞を読んでもらえれば分かると思う。


サッカーもあったがK-1GP最終戦もあった。今年度の注目は
昨年のグランプリ及び今年度の各大会を、破竹の勢いで制覇したセームシュルトが2度目の優勝になるかどうかというもの。しかも最初に対戦する相手がジェロムレバンナなので、KO必至勝てば優勝の可能性が大きい試合だともいえる。
もう一つの注目がアーネストホーストの引退である。振り返れば近年のホーストは体調の悪化もあってか、あまり試合に出なくなっていた。試合は独特のリズム感ながらも精密さを兼ね揃えた技巧派、彼のファイトに私も魅了された。その彼が負ければ引退という過酷な戦いを決心したのである。

試合はK-1は何が起こるかわからないという曰く通り、予想外の展開となった。シュルトはバンナを下しホーストも下した。もう一つのブロックは両者試合不能というアクシデントが起こり、補助選手であるピーターアーツが起用されクラウベフェイトーザを破り決勝に進んだ。

GP2006年決勝はセームシュルトVSピーターアーツ

解説で言っていたがシュルトにとって今大会は、K-1の歴史との戦いだと叫んでいた。確かにその通りだ。

K-1は一時期、総合格闘技と比べられる時代もあった。K-1から総合格闘技へ総合格闘技からK-1へと移籍する選手も多かった。その度格闘家はルール壁に立ちはだかれる。K-1で通用しても総合格闘技では開花しない選手もいる。またその逆もある。知る人ぞ知るがシュルトは格闘技のキャリアは長い。シュルトはその代表格。総合格闘技から正道会館に転向し、あの空手仕込の打撃を学び名実ともに成功した人間なのである。総合格闘技に移行すれば成功するのではという安易な考えは通用しないのだ。アーツはK-1一筋といったところ。四角いリングには様々な因縁と栄光が渦巻いているのだ。

アーツは意地!意地!!意地!!!で立っていた。シュルトの攻勢を退かせたアグレッシュブさは賞賛に値するものである。会場はシュルトよりもアーツに向ける歓声が強い。バンナは負け、レミーボンヤスキーは試合不能に陥り、ホーストは引退。K-1創生紀より未だ現役でいるのはアーツぐらいしかいない。
スタミナ、体力、技術力は若い選手と同等とは思えない。しかし気力だけは彼らには無い鬼気迫るものがある。
バンナがリング外から声を張り上げ檄を飛ばしていた。試合中、アーツの後ろ先にはホーストの描画が飾られていた。
頑張れ!がんばれ!
手に汗握り、ブラウン管にかじりつきながら攻防を見守った。

判定の結果、シュルトの勝利。
納得はいく。古きものは新しきパワーに飲み込まれなければおかしい。
古きものが魅せてくれるもの、それがロマンなのだ
其々が其々の足枷に引きずられながら、また一つ乗り越えていく。
そこに格闘家の信念が宿るのだろう。