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燃え尽きた体育祭*(チョキ)*

2010-09-11 23:50:00 | 徒然なるままに
9月11日(土)

体育祭が終わった。
何より、無事に終わったことに感謝し、ほっとしているというのが素直な感想だ。

今年の残暑は、酷暑、炎暑で、体育館の中も、教室の中も、まして炎天下の校庭でも、まず心配だったのは熱中症だ。
近隣の中学校では夏休み明け早々の体育祭練習中に熱中症で救急に運ばれた生徒が続出し、体育祭自体が中止になった学校もあると聞いた。
水分補給、帽子着用、日陰での休憩を生徒たちに呼び掛け、1日3回健康観察をした。
教員も自分自身の健康管理、体調管理を心がけ、少ない人数のスタッフに欠員が出て、ほかの先生方に迷惑がかからないように気をつけなければならなかった。

その成果もあり、競技中のねんざや擦り傷程度で済むような生徒はいたが、熱中症で倒れるような生徒ははいなくて本当にほっとした。

2日から正味1週間の練習中期間中、台風があったりしたけれど、この期間で生徒たちは飛躍的に成長したと思う。

たとえばソーラン節。
最初はどうなる事かと思ったが、講習を重ねるにつれ、顔つきや気合いが変わってきた。
本番では、最初の頃とは比べ物にならないほど気合の入った素晴らしいソーランを踊ってくれた。
私は1年生の副担任で、1年生の美術と数学を担当し、2,3年生は選択美術を受けている何十人かと演劇部員しか知らない。
でも、今回、全校生徒にソーランを教えることで、全校生徒が私のことを覚えてくれた。
今まで廊下ですれ違っても会釈ぐらいだった2,3年生たちが、私の名前を呼んで、挨拶してくれたり、話しかけてくれるようになった。

以前、授業参観に行った時、『何者だ?こいつ』みたいにガンを飛ばしてきた生徒(応援団長の一人)が、今日、わざわざ私のところに来て
「先生、僕たちを育ててくれて、ありがとうございました!」
と挨拶をしてくれた。
ほかの応援団長たちも、
「僕たちにソーランを教えてくださり、ありがとうございました。」
と言ってくれて、すごくうれしかった。
それにしても、我が子たちにも言われたことのない、
「育ててくれてありがとう」
という言葉にはグッと来てしまった。
それも、いつもガン飛ばしていた生徒にだ。
「ありがとう。あなたがたの団長としての活躍も、ソーランの踊りも気合が入っていてカッコ良かったよ。感動した!『アンコール』の掛け声を誰よりも一番早く大きな声でかけてあげたかったけど、午後からのあなたたちの本領発揮の競技に余力を残してあげたくて、『アンコール』と叫ぶのを我慢しました。それは会場の保護者や来賓の方たちも一緒だったと思うよ。ホントはアンコールの時に私もあなたたちと一緒に踊りたかった。それができないから、思いっきり掛け声をかけて我慢したの。
あなたたちは、どこに行っても立派にいろんな人にソーランを教えられるぐらい上手になったよ。
いつか、どこかのソーラン祭りで、一緒に踊れるといいな!」
と声をかけた。
『育ててくれてありがとう』と言ってくれた彼は、来月行われる合唱コンクールの実行委員長でもある。彼に
「今度の合唱コンクール、楽しみにしているよ。私を泣かせるぐらい感動的な合唱コンクールにしてね。応援しているよ」
と言ったら
「はい!ありがとうございます。がんばります!」
と答えてくれた。

そのことを打ち上げの席で、先生方に報告したところ、とくに彼の担任の先生が、最後のあいさつのときに、感極まって泣いていたのが印象的だった。

優勝チームの3年生の担任の先生に、
「うちの子たちが、『○○先生(私のこと)のソーランの教え方、分かりやすくて良かった』って言っていました。ご指導どうもありがとうございました」
と言われたのも、とてもうれしかった。

それともう一人。
はじめて校庭での全校ソーランの練習中、どうしてもやる気なさそうに棒立ち状態だった男子生徒に、私は演台から降りて行って、
「あなた、どこか具合でも悪いの?」
と声をかけたら、
「うるせー、うるせー」
と睨んできた。
「やる気がなくても、みんなと同じ動きをしてくれないと、あなた自身怪我するし、お友達にもけがさせてしまうから、移動や振りはみんなに合わせてやってね」
そう言っても、全然伝わっていないようだった。でも、本番はそれなりには踊っていたが…。

その彼が、騎馬戦の時に、二組の敵に囲まれながらも最後まであきらめずに見せた闘志に感動した。
騎馬戦の後に、3年生のその組の後ろを通って、彼と目があった時、
「さっきの騎馬戦、かっこよかったよ。ねばったねー!感動したよ!」
と言ったら、ものすごくうれしそうな顔で、にっこり笑ってくれたのだ。
その笑顔の可愛いこと!
普段の目つきの悪さ、態度の悪さなどみじんも感じさせない笑顔だった。

さまざまなドラマを繰り広げながら、今年の体育祭は幕を閉じた。
来週から、またいつもの学校生活が始まる。
来月は合唱コンクールだ。
今回残念ながら優勝を逃したクラスは、次こそリベンジをかけてくるだろうし、団結力が強くなって優勝したクラスは2連覇を狙ってくるだろう。
また、熱いドラマが繰り広げられそうで、今からワクワクしている。*(音符)*