パナソニックと京大がiPS培養装置を小型化 大きさ半分
パナソニックと京都大学は17日、さまざまな細胞に育つiPS細胞を自動培養する小型装置を開発したと発表した。大きさは従来装置の約半分に抑えた。創薬支援用として製薬企業など向けに数年以内に販売を始める予定だ。熟練した技術がなくても安定した品質で大量培養できる。パナソニックはiPS自動培養装置への参入を通じ、バイオ分野を拡充する。
開発した装置はiPS細胞を自動で大量培養できる。価格は1台5千万円程度を見込んでいる。大きさは従来装置の約半分で大型の電話ボックスほど。ロボットアームや遠心分離機などの配置を工夫した。約2カ月間でiPS細胞を20回繰り返して培養し、神経細胞に育つ能力などを維持できることを実験で確かめた。
今回の装置は新薬候補物質の効果などを調べるために活用する。人に移植する細胞の培養には適さないという。
iPS細胞の培養は通常、人の手で進めているがコツが必要。作業を効率化できれば新薬開発や再生医療の研究などに役立つ。自動培養装置も登場しているが、大型で1億円以上と高く、導入できる企業や研究機関が限られていたという。