お笑い芸人が患者役…組長ら生活苦つけ込み勧誘 不正受給事件
逮捕された暴力団組長らのグループは、生活に窮した事業家やお笑い芸人を患者役に勧誘していたとみられる。
2012年9月、都内の男性会社員(58)は、仕事を通じて知り合ったブローカーの男から「接骨院・歯科医院紹介ビジネス」と題した資料を見せられ、「私に保険証のコピーを渡して一度受診すれば、毎月定額が入ります」と説明された。資料には、接骨院は3000円、歯科医院は1万3000円など、ひと月の報酬額が記されていた。
「他にも誰か紹介してくれたらあなたの取り分は増える」男性は当時、事業に失敗して多額の借金を抱えていた。その場で引き受けた。翌月、男から受診の予約日時などを知らせるメールが届いた。エックス線検査や栄養剤の注射を受けると、口座には3000円程度が振り込まれていた。
捜査員が自宅に来たのは今年に入ってから。「毎月1、2回、歯科医院や接骨院に通ったことになっている」と聞かされた。男性は「詐欺に加担してしまった。後悔している」と語った。