東日本巨大地震の影響で、一部地域で計画停電が実施されています。仕事にパソコンが必要な方は、停電にどう対処すればいいか悩んでいる方もいるでしょう。停電の時間帯が分かっていれば、パソコンの電源を切るといった対処ができます。しかし、電気の消費量が増えるなどして予期しない時に停電になったら大変です。節電を心がける一方で、停電への対策も考えておきましょう。
ノートパソコンはバッテリー駆動で対処する
急な停電に備えるには、どうすればいいか? 対策は、利用しているパソコンの種類によって変わります。比較的安心できるのは、ノートパソコンです。ノートパソコンは、本体にバッテリーが内蔵されています。自宅や会社で利用されている場合は、AC電源をノートパソコンにつないでいると思いますから、バッテリーは常にフル充電の状態になっています。もし停電になっても、AC電源からバッテリーへ切り替わるため、パソコンの電源が突然切れてしまうことはありません。
バッテリーで駆動する時間は、ノートパソコンによってマチマチですが、スペック値では最低でも1時間程度は確保されています。実際に利用できる時間は、スペック値よりも短くなるとはいえ、それでも20~30分は問題なく使えます。もし作業中に停電になったら、バッテリー駆動中にデータを保存しましょう。作業が終わったら、パソコンの電源を切り、電気が回復するまで待ちましょう。
もし作業に手間取ってバッテリーの容量が少なくなっても、大丈夫です。ウィンドウズには「バッテリー切れのレベル」と、「バッテリー切れしたときの動作」という二つの項目が設定されています。例えば、バッテリー切れのレベルが「5%」、バッテリー切れになったときの動作が「休止状態」になっていれば、バッテリー残量が5%に達すると同時に、自動的に休止状態へと移行。安全にパソコンを終了できます。
デスクトップパソコンはデータの損失に注意
停電時に困るのは、バッテリーを内蔵していないデスクトップパソコンです。過去には、液晶一体型パソコンの一部にバッテリーを内蔵する製品もみられましたが、大抵のデスクトップパソコンはバッテリー非搭載。ですから停電になると同時に、パソコンの電源も一緒に切れてしまいます。また、古いノートパソコンのなかには、バッテリーの性能が衰えてしまって、まったくバッテリーで動かないという製品も見受けられるようです。こうしたバッテリーが機能していないノートパソコンも、デスクトップパソコン同様に停電対策が求められます。
筆者のように仕事でパソコンを利用している場合は、安全を確保するために「UPS」(無停電電源装置)を導入するというのが一つの解決方法。UPSは、停電になったときに電力を供給する緊急時のバッテリーです。UPS本体にあるコンセント口に、パソコンや液晶ディスプレーからの電源ケーブルをつないでおくと、停電時にUPSのバッテリーに切り替わり、作業中のデータやパソコンを守ってくれます。UPSのバッテリーでは、長い時間の作業はできませんが、データを保存してからパソコンの電源を切るくらいの作業なら十分できます。
もっとも、個人宅でUPSを導入するというのは、なかなか大変です。コストも6000円以上はかかります。一般家庭では、停電の可能性があるという情報が報道されたら、なるべくパソコンを利用しないことが一番です。どうしてもデスクトップパソコンを使わなければならないなら、小まめに作業内容を保存しながら進めていくしかありません(バックアップ方法は関連記事を参照)。
パソコンも節電対策を!
最後に、個人ユーザーでもできる、パソコンの節電方法を紹介しましょう。ノートパソコンの場合は、「電源オプション」機能を使ってパソコンのパフォーマンスを変更できます。まずはビスタやウィンドウズ7ユーザーは、電源プランを「消費電力」モードへ変更します。このモードに変えると、一定時間操作しないと液晶ディスプレーが暗くなったり、ハードディスクが停止するようになります。さらに手作業で、液晶ディスプレーの明るさ(輝度)を調整していきます。多少液晶ディスプレーが暗くても、作業には支障をきたしません。文字が読み取れる範囲で調整していきます。
XPの場合は、すべて手作業になります。ビスタや7と同じように、電源オプションでモニター(液晶ディスプレー)の電源を切る時間やハードディスクを切る時間を、標準よりも短くします。また輝度は、「fn」キーとキーボードの一番上に配置されるファンクションキー(「F1」~「F12」など)との組み合わせで、上げたり下げたりできます。こちらも作業できる範囲で輝度を下げていきます。
このほかにも、無線LANをオフにして有線LANケーブルでパソコンと無線LANルーターをつなぐのも有効です。また一部には、使っていない光学ドライブをオフにして、消費電力を抑えられるノートパソコンもあります。普段はあまり操作しないパソコンの電源管理機能ですが、この機に見直してみてはいかがでしょうか?(テクニカルライター・原 如宏)(
パソコン、停電への備えは? : トラブル解決Q&A : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞))