ルーマニアの首都ブカレスト郊外で日本人女性の遺体が発見された事件で、女性の身元が判明した。事件に巻き込まれたのは都内の名門私大に通う20歳の女子大生。所属する国際学生団体の活動のため単独で現地入りした矢先に事件に巻き込まれた。最近は世界を飛び回る女性も珍しくはないが、今回の事件でそのリスクが改めてクローズアップされた格好。女の一人旅に潜む危険とは-。
外務省は20日、パスポートなどの所持品から殺害された日本人女性の身元が確認されたことを明らかにした。遺族の了解がないため氏名は伏せられているが、関係者によると、女性は都内在住、聖心女子大文学部2年の益野友利香さん。ルーマニアには国際学生団体の一員として来訪。15日にブカレストに到着し、現地で日本語を教える予定だった。
現地メディアによると、益野さんは空港で男に声をかけられ、その男とともにタクシーで移動。乱暴され、絞殺されたとみられている。
実は益野さんのように海外一人旅の女性が事件に巻き込まれるケースは少なくない。
昨年9月にはミャンマー中部で日本人女性(30)がバイクタクシーの運転手に強姦された上に絞殺され、2009年9月にはバリ島でバカンスに来ていた日本人女性(33)が現地の男に襲われて殺された。
「最近は一人旅がブームのようになっていますが、女の場合は危険だらけ」と話すのは、『ブラを捨て旅に出よう』(講談社文庫)の著者がある旅作家でタレントの歩(あゆみ)りえこ氏。
2年間で5大陸90カ国を一人で旅して回った歩氏はルーマニアにも一昨年冬に渡航している。
「治安はお世辞にもいいとは言えません。空港や駅にはぼったくりのタクシーがたむろしてカモを探している。寝台列車で移動していたら、個室の中に侵入されそうになったこともあった。あそこは定住する場所を持たない人が多い国で泥棒もたくさんいる。頼みの警官も買収されていたりするので、滞在中はかなり警戒しました」(歩氏)
歩氏によると、欧州でも、ルーマニアやブルガリアなど旧共産圏は政情が不安定で犯罪に巻き込まれる可能性があり、ドイツ、フランスなど西側と同じ感覚で行くと痛い目に遭うという。
また、日本人女性は特に警戒が必要で、「ルーマニアにはアジア系の売春婦が多くて、そういう人と間違われるケースが多く、レイプなどの犯罪に巻き込まれる危険も高い。現地では『日本人=気が弱くて無防備』というイメージが定着していますから、詐欺を働こうとする輩にも気をつけるべきです」(同)。
犯罪やトラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいのか。
歩氏は「暗くなったら出歩かないこと、声をかけてくる人は100%悪い人とも肝に銘じておきましょう。それに下手なお洒落は禁物です。向こうで露出の多い服を着ると『狙ってください』とアピールしているようなもの。できるだけ汚い格好がいい」と助言する。
タクシーに乗る際は、あえて運転手の写真を撮ったり、車のナンバーを控えて相手を牽制するのも有効な防衛策。孤立無援の一人旅は、用心してもし過ぎることはない。
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