寝るときにマスクをすることで、子ども喘息の悪化を5割低減

2013-01-28 17:30:40 | 医療

寝るときにマスクをすることで、子ども喘息の悪化を5割低減

喘息に苦しむ子どもたちは年間100万人とも言われ、増加傾向にあるのだそう。
その原因は、様々考えられますが、中でも空気中のダニ・ハウスダストなどのアレルゲンの増加が要因の一つと言われています。

「ぜんそく」はもちろん本人もつらいけれど、苦しむ子どもたちを見るのは、周りもつらいものですね。

そして、今回発表されたのが「寝るときにマスクをすることで、子ども喘息の悪化を5割低減」という研究結果。

マスクは、ハウスダストを気道へ吸引することをブロックできる有効な手段だと考えられていますが、実は、今まで検証は殆ど行われていなかったのだそう。

そんな中ユニチャームが、専門医らとの研究の結果「就寝時にマスクを装着することで、子どもの喘息症状と喘息による治療などを5割低減させる」ことを、2012年11月に行われた、第62回日本アレルギー学会秋季学術大会で発表しています。研究は、春期(2011年4月~7月)と秋期(2011年9月~12月)の計8か月。複数の病院にて、保護者の協力を得られた小児喘息患者(6歳~15歳の男女)を対象に行われました。
マスクを装着せず就寝した日と、マスクを装着して就寝した日について、ピークフローの測定と症状・治療内容をそれぞれ観察した喘息日記と、通院時に喘息と鼻炎症状についてのアンケートを元に調査し、

1.喘鳴がない
2.発作治療薬(β2刺激薬)の使用がない
3.早朝の咳がない
4.夜間の喘息症状(喘鳴、咳、それらによる夜間覚醒)がない
5.喘息による救急受診がない
6.喘息悪化による長期管理薬の追加・増量がない

これら6項目すべてが満たされた日を「喘息がコントロールされた日(asthma control day: ACD)」として比較検討されました。
その結果、マスク装着をせず就寝した日は喘息がコントロールされなかったのが18.0%に対し、マスク装着をして就寝した日は8.9%と、約5割低減されるということが判明したそうです。

 

また、子ども達の約7割は、「マスクをつけていて良かった」「(密着性のある子供用サイズのマスクは)すきまができないこと(が良かった)」「息が楽であることがよかった」等、マスクを装着して就寝することに肯定的な回答とのこと。

今回の研究結果から、夜間のマスク着用は、

(1)鼻やのどから進入するアレルゲンをブロックすること
(2)呼気を加温加湿することで鼻腔内の繊毛運動を活発にして入ったアレルゲン物質を排出する効果
などが考えられるそうです。

花粉症やウィルスなどの対策に有効なマスク。
もし、喘息で苦しむ子どもたちがいたら、試してみない手はありませんよね。

一人でも多くの子どもたちが、安心して、穏やかな眠りにつけますように。

・「ユニ・チャーム、病院共同で小児喘息研究 子どもの就寝時マスク装着によって、喘息の悪化を5割低減」(ユニ・チャーム 2012年12月20日ニュースリリースより)
http://www.unicharm.co.jp/company/news/2012/1192077_1692.html



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