長渕剛 絶叫 原発を止めてくれ今すぐ

2012-08-13 15:15:36 | 政治

 音楽家長渕剛(55)が12日、福島県郡山市民文化センターで全国ツアー「RUN FOR TOMORROW」の福島公演を行った。7月22日の神奈川公演で左膝の靱帯(じんたい)を損傷し、全治6週間と診断されたが、約3週間で復帰。昨年3月11日に発生した東日本大震災後、復興支援活動を続けてきた長渕の、福島から岩手、宮城へと続くツアー終盤「東北シリーズ」への並々ならぬ意欲がステージにあふれた。
 
 被災地でのステージ。長渕は、いつにも増して気力をみなぎらせた。

 会場には福島第1原発の事故で、今も避難を余儀なくされている浪江町の子供たち15人も来ていた。長渕が昨年の夏休み、子供たちを故郷の鹿児島に招待していた。中盤で、子供たちをステージに上げて座らせ、彼らを思って作った「ガーベラ」を歌った。歌い終えて「お前たちがヒーローだぜ。みんなもこの子たちに負けないよう頑張ろう。俺も頑張る」と訴えると、会場は大歓声に包まれた。
 
 続く曲は「カモメ」。今年2月、自ら放射線防護服を着用し、線量計を携帯して福島第1原発から20キロ圏内の浪江町に入って目にした光景をリアルにつづった歌だった。

 <歌詞>浪江の街の駅前の ひしゃげたまんまの商店街 パン屋も床屋も雑貨屋も 命の音が聞こえない…止めてくれ 原発を 止めてくれ 今すぐ

 「福島の浪江町に行ってきた。そう、みんなも知っているように悲惨な光景が広がっていた。俺は言葉をなくした。腹が立つよね、腹が立つよね」と絞り出すように語りかけた。会場は静まりかえり聞き入った。
 
 7月22日の神奈川県民ホール公演で、左膝の靱帯を損傷した。翌日には左足はギプスで固定され、全治6週間と診断された。直近の北海道公演は延期した。この日まで約3週間、地道なリハビリに明け暮れた。長渕はかつて「復興支援活動の中で、次は自分の音楽だ! とはっきり使命感を抱き、今を生きている。この一瞬は永遠ではない。だからこそ『今』に命をささげて生きる。俺はステージ上で死んでしまってもいい」と話した。この日は左足をテーピングし、ジャンプもした。事故を即興で歌にしてファンを笑わせた。
 



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