政府機関を地方移転計画 検討対象は34機関
政府は18日午前、首相官邸でまち・ひと・しごと創生会議を開き、政府機関の地方移転へ向けた対応方針を決めた。42道府県から移転提案があった69機関のうち、検討対象を34機関に絞り込んだ。
医薬基盤・健康・栄養研究所傘下の国立健康・栄養研究所(東京・新宿)は大阪府への全面移転を検討する。2016年3月末までに移転する機関を最終決定する
政府は各道府県からの政府機関の移転提案を8月に締め切り、有識者会議で対応方針を検討してきた。34機関のうち、消費者庁や文化庁など道府県から提案のあった7つの中央省庁はそのまま対象に残し、改めて検討する。
ほかの独立行政法人などは方向性を示した。全面移転を検討するのは、国立健康・栄養研究所のみ。それ以外は一部移転を検討する。理化学研究所などの研究機関は地方の大学、医療機関との連携拠点を整備するほか、地方にある拠点の機能強化を進める。教員研修センターなどの研修機関は自治体と連携して地方での研修を実施する。
中央省庁のうち、消費者庁は河野太郎消費者相が移転に前向き。16年3月をメドに幹部を徳島県に派遣し、遠隔地での業務に支障がないかを確認する。ただ、中央省庁の移転には政府内で国会対応や他省庁との連携などの問題点を懸念して慎重論が根強い。
地方移転の検討対象に残った政府機関は次の通り。
【中央省庁(7)】 文化庁、消費者庁、中小企業庁、特許庁、気象庁、観光庁、総務省統計局
【中央省庁の関連機関(6)】 国民生活センター、統計センター、日本芸術文化振興会、
国立文化財機構、国立美術館、工業所有権情報・研修館
【研究機関・研修機関など(21)】 情報通信研究機構、宇宙航空研究開発機構、理化学研究所、
海洋研究開発機構、医薬基盤・健康・栄養研究所、国立がん研究センター、水産総合研究センター、
農業・食品産業技術総合研究機構、産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構、
海上技術安全研究所、国立環境研究所、国際協力機構、国際交流基金、教員研修センター、
高齢・障害・求職者雇用支援機構、森林技術総合研修所、環境調査研修所、自衛隊体育学校、
防衛装備庁艦艇装備研究所、医薬品医療機器総合機構
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