年金制度の改正を望む

2011-10-01 12:35:10 | 政治
数ヶ月足りなくてもらえ無いとは理不尽だ。かけた年数分をもらえるようにすべきだ。

どこの政党が改正できるんだ。みんなの党かぁ。

 過去に年金保険料の納め忘れがある人を救済する法改正が国会で成立し、来年秋までに施行される。無年金や低年金になる恐れがある最大1710万人が対象で、施行から3年に限り、未納にした保険料を10年前まで遡(さかのぼ)って納付できる。しかし、誰でも救済されるわけではない。原則、25年間納付しないと年金を受け取れない現行制度の壁は厚そうだ。(佐藤好美)
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 東京都練馬区に住む小島良子さん(59)=仮名=は最近、この先の暮らしのことで頭を痛めている。夫(75)は今年8月、長年続けた個人タクシーを廃業した。去年までは人一倍元気で、「死ぬまで働く」と豪語していたが、動脈硬化症の手術後、入退院を繰り返したためだ。

 収入が途絶えた今、諦め切れないのは、厚生年金と国民年金の加入期間が合計で24年と8カ月しかないこと。年金受給資格の25年にたった4カ月足りないために、年金額はゼロだ。

 夫は18歳で会社員になり、その後、タクシー運転手として勤務した。この間、11年弱は厚生年金に加入。個人タクシーを開業後は国民年金に加入し、13年弱は保険料を納めた。しかし、業績が悪化し、年金保険料の免除を申請した後は手続きが滞り、業績が回復した後も納付はせずじまいになった。昭和61年以前に会社員だった妻に養われていたと認められた「カラ期間」を合わせても、年金加入期間はトータルで296カ月にとどまる。

 妻の良子さんは「もっと早くに考えればよかったのに、若いときはなかなか年金のことまで頭が回らなかったのでしょう。65歳で年金を受ける年齢になって、初めて社会保険事務所に相談に行ったんです。でも、窓口で『(加入期間が)足りないですよ』と言われて、『じゃ、いいよ』と、そのまま帰ってきてしまったようです」と言う。

 国民年金の加入義務は20~60歳だが、加入期間が足りず、年金が受けられない人は特別に、65歳以降も70歳まで国民年金に加入できる仕組みがある。しかし、夫は当時、加入せずじまいだった。

 数年前、年金記録問題が騒がれたときには、良子さんも一緒に社会保険事務所に出向き、失われていた記録を“発掘”してつなげた。結局、年金を受け取れる25年に、わずかに4カ月足りないと分かったのはこのときだった。良子さんは「夫は本当にのんびりした人で、私が横からあれこれ口を出して、記録がいくつか出てきたんです」という。

 当時、夫は既に70歳を超え、国民年金に任意で加入できる年齢も過ぎていた。社会保険事務所では「あとは、厚生年金のある会社に4カ月だけ雇用してもらうくらいしか手がない」と言われた。しかし、当時は夫も現役で働いており、結局、会社勤めはせずじまいだった。

 小島さんは「政治の世界では、年金制度の改正がずいぶん出ていたので注目していましたが、それも1~2年で受給資格期間を短くできるわけでもなさそう。4カ月くらい何とかならないでしょうか」と話している。

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 ■当時60歳以降で納付可能は任意加入者のみ 救済されるのは「未納者」

 年金の未納や納め忘れがある人が、保険料を10年前まで遡って納付できる法改正(年金確保支援法)が今年8月、成立した。

 これまでは、未納にした保険料は過去2年分しか遡って納付できなかったが、改正法施行から3年間に限り、10年前まで遡って納付できる。施行日が決まっていないが、システム改修などが済み次第、来年10月までに実施される。

 しかし、小島さんの夫は法改正の恩恵を受けられそうにない。今回の法改正は未納の人が救済されるだけで、そもそも年金制度に加入していなかった人には適用されないからだ。

 小島さんの夫は10年前に65歳。既に国民年金の加入義務期間(20~60歳)を過ぎていた。ただ、65歳時点で受給資格が足りなかったので、手続きをすれば、任意で年金制度に加入し、保険料を納めることができたはずだ。しかし、小島さんは当時、自身の不足期間がわずか4カ月と知らず、加入手続きをせずじまい。このため、65歳以降は「未納」ではなく、年金制度に加入していなかった「未加入」とみなされる。

 厚生労働省は「今回の法改正は『納め忘れ』を救うもので、年金加入を申請していない『未加入者』を救うものではない。10年前が任意の加入期間(60歳超~70歳)にあたる人は、当時、任意加入の手続きをしており、しかも、保険料を未納にした期間しか納付できません」という。

 厚労省は法改正の対象者を、無年金や低年金になりかねない最大1710万人と推定する。だが、3年度以上遡って納める場合には加算金がかかることもあり、実際の利用者は約170万人程度にとどまるとみる。

 また、既に老齢基礎年金を受け取っている人が、年金額を増やすために納付することもできない。高齢の無年金、低年金の人にはハードルが高そうだ。小島さんは納得できそうにない。


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