イスラム国へ地上戦認める アメリカ オバマ大統領

2015-02-12 22:11:33 | 政治

アメリカのオバマ大統領がイスラム過激派組織「イスラム国」に対する武力行使について承認を求める決議案を議会に送ったことを受けて、アメリカ議会では今後、軍事作戦に制約を設けるべきかどうかを巡り、どのような意見が交わされるのかが焦点です。

オバマ大統領は11日、「イスラム国」に対する軍事作戦について、武力行使の承認を求める決議案を議会に送りました。
イラクとシリアでアメリカ軍による空爆が続くなか、議会の正式な承認が必要だという声が出ていることを受けた対応です。
決議案では、武力行使を認める期間は3年間とし、地上での戦闘に継続的にアメリカ軍が関わることは認めないとしており、オバマ大統領は「イラクやシリアにアメリカ軍の地上部隊の展開を求めるものではない」と述べました。
ただ、人質の救出や「イスラム国」の指導者を狙った特殊部隊による作戦では、限定的に地上での作戦を行う可能性を排除しない考えを示しました。
これについて、与党・民主党のペロシ下院院内総務は声明で、「決議案は地上部隊の使用などについて制限を設けており、検討を重ねたものだ」としているのに対し、野党・共和党のベイナー下院議長は記者会見で、「この戦いに勝つために大統領はあらゆる手段を持つべきだ」と述べ、地上部隊や作戦の期間について制限を設けるべきではないという考えを示しています。
アメリカ議会では今後、与野党の間で軍事作戦に制約を設けるべきかどうかを巡り、どのような意見が交わされるのかが焦点です。

菅官房長官「米の取り組み支持」

菅官房長官は、臨時閣議のあとの記者会見で、「アメリカは国際社会にとって共通の脅威になっている『イスラム国』に対抗するための措置を取っており、今回の武力行使の決議案も、そうした取り組みの一環だと理解している。日本はアメリカを含む国際社会の『イスラム国』に対抗する取り組みを一貫して支持している」と述べました。
また、菅官房長官は、「日本が積み重ねてきた人道支援に対しては、中東諸国から大変、大きな評価を頂いているし、期待もされている。現に1000万人を超える難民や避難民は住まいや食糧が非常に厳しい状況であり、しっかりと人道支援をしていきたい」と述べました。