常滑焼職人が融雪タイル 山田さんが試行錯誤20年かけ
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常滑市樽水町の焼き物職人、山田光男さん(71)が、屋根の雪下ろしの労力を省く焼き物製の融雪用タイルを自作した。仕事の傍ら、二十年かけた力作。実用化を目指し「豪雪地帯の住民の負担を減らしたい」と意気込んでいる。
タイルの表面は瓦状。内部にニクロム線を入れ込んだ状態でガス窯で仕上げた。屋根瓦などの上に取り付けて使用する。コンセントからの電気をニクロム線に流しタイルの温度を五〇~六〇度に上げて雪を溶かしていく仕組み。一枚は幅一・二メートル、奥行き二十センチ、厚さは一・二センチだが、屋根の大きさに合わせて、連結するなどして調節できる。
土は焼き上げると収縮して、逆にニクロム線は膨張する特性があるため、窯中でひびが入る失敗が相次いだ。だが、原料を粉末状にするなど試行錯誤を繰り返し、昨年末に完成させた。
二十年前、大学教員らが同様の製品開発を進めていることを知ったのがきっかけ。陶製の刀、スピーカーなどユニークな焼き物を作る合間に、じっくり研究してきたという。
北日本などでは、屋根の雪下ろし中の転落事故が少なくない。山田さんは「これが製品化されれば、事故が減らせるはず。実用化に協力してくれる企業などが出てきてほしい」と期待している。