小数のかけ算・割り算、小6の半数近く理解せず
文部科学省の国立教育政策研究所が、全国学力テスト4回分の傾向を分析した結果、小学6年生の半数近くが、小5までに学ぶ「小数のかけ算・割り算」の意味を理解していないとみられることが分かった。
同研究所は、小6と中3が参加した2007年度から10年度までの4回分のテスト結果を今回初めて一括して比較調査した。全国学テでは同一問題は出題されないため、同種の問題を比較した。
深刻な課題が見られたのは、小6の算数。小数が絡む「□×1.2」や「□÷1.3」など四つの計算式のうち、式の答えが「□」に入る数字より大きくなるものを選ぶ問題の正答率が45.3%など、類似した小数に関する問題の正答率がいずれも低く、最高でも55.7%だった。
「5×1.2」のような単純な計算の正答率は高い傾向にあるという。
同研究所では、「低学年で学んだはずの小数やそのかけ算、割り算の意味が理解できておらず、指導方法を再検討する必要がある」と指摘。全国学テの検証が学校での指導の見直しに役立てられていなかった面があるとして、全国の指導的立場の教員を集めて説明することを決めている。
小6の多く「割合」苦手 中学の「比例」理解に影響 学力テスト
国立教育政策研究所が全国学力テスト4回分の結果を分析し、小学6年の多くが、小5までに習う算数の「割合」を理解できず、中学校の「比例」「反比例」の理解に影響を及ぼしていることが20日、分かった。
小数の割り算や掛け算の意味を理解しているかを問う文章題が苦手なことも分かった。
研究所によると、小学校の算数で割合に関する出題11問全部で正答率が70%を下回り、50%以下の問題も5問あった。例えば、割引券を使うと値引き額が最も大きくなる商品を尋ね、理由を説明する問題(2010年度)の正答率は17%にとどまり、割合の意味を理解して文章や数式で表すことに課題があった。
中学校数学は比例や反比例の理解を試した問題の正答率が低迷。研究所は「小学校の割合の段階で2つの数の関係を理解できず、比例、反比例でつまずく原因になっている」としている。