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「万引冤罪」人ごとじゃない!? 行き過ぎGメン、ずさんな確認 トラブルに発展も

2014-09-21 | 事件・ニュース
 「待ちなさい。精算していないものがあるでしょう」。店を出たところで突然呼び止められ、事務所まで連行される。「万引Gメン」(保安員)による摘発の瞬間だ。だが、もしそれが「誤認」だったとしたら-。日本は全国の被害が年間4千億円を超えるとも言われる万引大国。店側には看過できない大きな問題だが、Gメンがずさんな確認による冤罪(えんざい)を引き起こし、トラブルに発展するケースも出ている。

 4月16日午後、神戸市内のある量販店。飲食店経営の男性(51)は粘着テープを購入して店を出た途端、背後からいきなり袖口をつかまれた。

 「ちょっと来てください」

 後で保安員と分かったが、その場では身分を明かされなかったという。店の従業員らしき人物がもう一方に立ちふさがり、「事実上の拘束状態だった」と男性は振り返る。

 事務所でかばんの中身をすべてぶちまけると、保安員は顔色を変え、店長とともに謝罪した。店内で自分の老眼鏡をかばんに入れた行為が工具を万引するように見えたらしい。

 「あまりに確認がずさんだ。連行される場面を知り合いにも見られた。このままずっと、万引犯と誤解され続けるのか」。名誉回復の方法がないのが、何よりもどかしいという。

 保安員は量販店と請負契約を結んだ警備業者から派遣されていた。万引被害の多発店舗では、こうした契約形態で専門のGメンを配置しているところが少なくない。万引犯の捕捉はあくまで業者の仕事であり、店側はタッチしないわけだ。

 今回の誤認はなぜ起きたのか。取材に対し、量販店側は事実関係を認めたうえで「詳細は差し控える」とした。警備会社は「話せない」と言うのみだった。

 複数の業界関係者によると、万引の誤認は決してこの量販店だけの例外ではない。

 捕捉のノルマはなくても、ゼロの日が続けば功を焦る保安員も出てくる。そこに落とし穴がある。

 この道で15年以上のキャリアがあり、「万引きGメンは見た!」(河出書房新社)の著書がある伊東ゆうさんによると、万引犯を捕らえるのに欠かせない「三原則」があるという。

 1つ目は業界用語で「棚取り」。陳列棚の商品を手に取る瞬間を、目視で確認しなければならない。

 2つ目は「実行」。取ったものをどこに隠したのか見極める。最後は「未精算の確認」だ。レジを素通りしたのを見届けて、ようやく「待ちなさい」と引き留めることができる。

「三原則を一つでも欠くと、誤認リスクがあるので声をかけることもできない」と伊東さん。それがGメンの“戒律”だという。

 ベテランになれば、客の動作一つでおおよその察しはつく。だが「勘」や「慣れ」に任せて三原則を忘れ、誤認を招くのもまた、ベテランにありがちな傾向だ。新人は研修段階でそのリスクを徹底的にたたき込まれるため、取り逃がしはあっても誤認は少ないとされる。

 万引は小売業者の経営を圧迫する重大問題であり続けている。NPO法人「全国万引犯罪防止機構」によると、被害総額は年間で4615億円に上るという推計値もある。

 近年は65歳以上の高齢者の万引が目立ち、摘発件数も年間2万8千人前後と高水準で推移。お年寄りが近所の店で万引を重ねれば、地域のつながりもまた阻害されていく。高齢者の万引は新たな社会問題となりつつある。

 同機構は「万引対策の基本は『あいさつ』。捕捉ありきではなく、まず声をかけて万引をさせない環境をつくることが大事だ」と指摘している。

なるほどね。


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