この部屋に時計はない。4人部屋なのだが、誰の枕元にも時計は置かれていない。隣の住人は、97歳の女性、看護師さんが来るたびに「お早うございます。」という声が聞こえてくる。斜め向かいには、脳梗塞で倒れ意識不明でこの病院にやって来た70前後の女性アルツハイマーの初期でもあるようで、しっかりしているようでおもらしをしてしまうような事もある。真向かいの人は僕と同年代の男性。なぜ入院しているかは分からないが1日眠っている。という訳で時計を必要とする人はいない。
ここでは、完全介護されているから、じぶんの意思で動く必要がない。任せっきりでいいのだ。医療技術に身を任せ、ひたすら安静に過ごし、眠って食べて体力をつける。
ただ退屈で、その退屈な時間がどれだけ過ぎたかそれが知りたくて携帯電話を開いては時間を確認している。時間を確認する必要性は何処にも無いのに。
電車に乗って見る光景だが、若者はほぼ全員、中高年の半数近くが頭をうつむかせ片手の指をひたすら上下に動かして、小さな四角い画面を見入ってる。
それぞれに個性はあっても、体制はみんな同じに見える。四角い箱からの指示を探し続ける、意思を持たない人間型ロボットのようだ。反乱しすぎた情報を集めるのに必死で考えて行動するという事がどんどん失われて行くようで怖い。
しょせん、人殺しでしか無い戦闘を、認める国にならなければいいが。
情報が無いと不安になる現代人。僕もその一人。
昨日、典子さんが、僕の部屋にある電波時計を持ってきてくれた、1日一回自分で衛星から来る電波を読み取って時間合わせをする優れものだ、何処かのホームセンターで千円もしない値段で買って重宝している。その時計を枕元に置いて、何時でも確認できるようになった事で、この病院にいる限り時間を気にする必要は無いのに安堵している。
四角い箱を常に確認してないと不安になる現代人、スマホは持ってないが、必要も無いのに時間を気にして、時計が枕元に来ただけで安堵している僕もその一人だ。
ここでは、完全介護されているから、じぶんの意思で動く必要がない。任せっきりでいいのだ。医療技術に身を任せ、ひたすら安静に過ごし、眠って食べて体力をつける。
ただ退屈で、その退屈な時間がどれだけ過ぎたかそれが知りたくて携帯電話を開いては時間を確認している。時間を確認する必要性は何処にも無いのに。
電車に乗って見る光景だが、若者はほぼ全員、中高年の半数近くが頭をうつむかせ片手の指をひたすら上下に動かして、小さな四角い画面を見入ってる。
それぞれに個性はあっても、体制はみんな同じに見える。四角い箱からの指示を探し続ける、意思を持たない人間型ロボットのようだ。反乱しすぎた情報を集めるのに必死で考えて行動するという事がどんどん失われて行くようで怖い。
しょせん、人殺しでしか無い戦闘を、認める国にならなければいいが。
情報が無いと不安になる現代人。僕もその一人。
昨日、典子さんが、僕の部屋にある電波時計を持ってきてくれた、1日一回自分で衛星から来る電波を読み取って時間合わせをする優れものだ、何処かのホームセンターで千円もしない値段で買って重宝している。その時計を枕元に置いて、何時でも確認できるようになった事で、この病院にいる限り時間を気にする必要は無いのに安堵している。
四角い箱を常に確認してないと不安になる現代人、スマホは持ってないが、必要も無いのに時間を気にして、時計が枕元に来ただけで安堵している僕もその一人だ。
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