読売新聞の書評で知った本書を読んでみた。
玉岡かおるの書は、2度目だが、どちらも設定、発想がユニークだ。本書も、壇之浦で、草薙の剣が、海中に消えたとされるが、その真相を知るため旅に出る若武者の話だ。
正直言って、長かったし、少々、緩慢に感じた。
冒険旅行記であれば、それなりに、わくわく、どきどきするようなスピーディーな展開が欲しかった。
その時代背景の雰囲気を盛り込もうとしたためだろうか? . . . 本文を読む
先日、市川雷蔵の古い映画を3週連続でBSテレビ放映していた。その中で、「剣鬼」というのがあり、思わず見てしまった。
少々、荒唐無稽なところがある作品だった。
何しろ、犬の子と言われて育ち、馬鹿にされぬように、一芸に秀でろと養父に遺言される。
すると、花を育てる特殊な能力を発揮する。更に、馬に負けずに走れる能力もあることに気が付く。
更に、居合を練習する武士を見て、居合を習得するのだ。
誰 . . . 本文を読む
大名倒産(上下)を読み終えた。
正直言って、上下巻は、長かった。
今まで読んだ、浅田次郎の作品とは、ちょっと、違う世界だった。
いわゆる、ドタバタコメディー的とでも言うのか。
経営破綻しかけてる小藩で、長男が亡くなったので、突然、4男の主人公がお殿様になって、立て直しをはかる。
一方、引退した元藩主は、ある計画を画策していた。
一見、普通の時代劇っぽいが、ハチャメチャになってくるのだ。 . . . 本文を読む
JOHN GRISHAMの”SKIPPING CHRISTMAS"を読んだ。
丁度、年末のクリスマスに近くなってきたこと。また、分厚い洋書に疲れたあとで、ちょっと、軽めの本(177ページ)を選びたかったことが主な理由だ。予定通り、年内に読み終えることができた。娘が海外派遣隊に参加で、おそらく、1年くらいは、帰って来ないだろうと考えて、今年は、クリスマスをスキップしてクルーズ旅行に出よ . . . 本文を読む
笹本稜平の最後の作品とも言える「山狩」を読んだ。
笹本稜平と言えば、警察小説や山岳小説が有名だが、両方を併合したような作品だ。
舞台は、千葉県の伊予が岳で、登ったこともあり、親しみがあった。
しかし、その伊予が岳で、山狩りがなされようとは、.......。
さて、伊予が岳で、女性の遺体が発見される。事故として処理されそうになるが、実は、ストーカーされていたことがわかり、事件の可能性も検討さ . . . 本文を読む
「いのちなりけり」「花や散るらん」「影ぞ恋しき」の雨宮蔵人三部作を読み終えた。
最後の「影ぞ恋しき」は、葉室麟にとっても、66年の生涯の最後の作品とのことだ。
葉室麟にとっても、この主人公、雨宮蔵人の武士道への強い思い入れがあったと思われる。確かに、自分のことは、顧みず、他人のために命を捨てても守ろうとする姿には、心を打たれる。
敵であるものたちでさえ、その姿に、心に躊躇が生じるほどだ。
. . . 本文を読む
だんだん、長い作品は、避けるようになってきた。年齢のせいか。本作は、670ページである。
ダン・ブラウンの作品は、ほんとうに久しぶりだった。ほとんど、前作の『ダ・ヴィンチ・コード』の記憶もなかったが、英語の文章自体は、読みやすいのだが、固有名詞や、背景が、わからないながら、読み飛ばしていった。
書評を見ると、評価は、分かれるようだ。
正直言って、長くて、冗長で、説明が多くて、大変だった。わか . . . 本文を読む
藤井君のソフトで、将棋初段、2段に上がれて、将棋ウオーズを試したが、時間制限があり、人とやるのは、難しかった。
そうしたなかで、次の一手を解いて、初段申請ができる道を見つけた。
1.将棋世界一か月で4問。400点。3択無し。初段は、2000点か?一回、過去、出したが、その後、くじけてしまった。連続は、必要なかったか?
2.新聞の次の一手問題(読売新聞他)毎週、木曜日に一問だされる。一問、10 . . . 本文を読む
将棋ソフトについて書いてみよう。
昔、インベーダーソフトが流行った時期、ゲームセンターで、将棋ソフトもあったが、簡単で、面白くなかった。
その後、チェスで、ソフトがチャンピオンに勝ったというニュースが流れた。しかし、将棋は、取った駒をはることができて、複雑なので、ソフトが勝てることはないだろうと言われていた。
しかし、ソフトも進歩を重ね、ソフト同士の切磋琢磨を経て、佐藤天彦名人に勝って、人間 . . . 本文を読む
三部作の2つ目だ。雨宮蔵人と咲弥の物語だが、今回も、幅広く、種々の歴史的人物が関わってくる。
特に、本作品では、赤穂浪士の吉良家への討ち入りの謎が明かされる。
まったくもって、独創的ではあるが、それが、ごく自然に感じられるから不思議だ。
前半部分は、やや、重く感じられたが、後半に入り、一気に、加速され、読み進めることができた。
あいも変わらず、雨宮蔵人の剣が、冴えわたる。
また、武士の生 . . . 本文を読む
山女日記の続編を読んだ。4編からなる。
従って、一編が、若干、長く感じた。
前半の2編は、ちょっと、いまいちに感じた。
後半の2編は、行ったばかりの山のせいか、親近感もあったが、内容的にも、良かった。
特に、「立山、剱岳」は、面白かった。
娘と母親の登山だが、娘は、登山ガイドを目指す。母は、実は、亡くなった父親と、付き合っていた時に、この山に来ていた。そして..
中々、最後は、感動もの . . . 本文を読む
平成を代表する超人気時代小説と言われる本作品の第一巻を読んでみた。外伝を除くと、51巻まであるらしい。
映画やNHKドラマにもなって、見ている。
2019年の映画版は、あまり、人が入らなかったようだが、TVで見て、結構、面白かった。主演は、松坂桃李だった。
その映画版とほぼ同じなのだが、若干、異なっていた。
NHKドラマの方の主演は、山本耕史だった。何故、これほど、長編になったか、作者のコ . . . 本文を読む
本当に久しぶりにボブ・ラングレーの本を読んでみた。
山岳ものは、非常に面白く、すべて読んだ。そのあとも、何作か、ミステリーを読んだが、これは、いわゆるローラーコースター・サスペンスというやつだ。
たぐいまれな美貌をもつ女性が主人公で、人気ニュースキャスターへの道を歩む。
一方、過激な極右組織が、合衆国政府を支配しようと、主人公を利用して、メディアを操作しようとするのだ。
ローラー・コースタ . . . 本文を読む
最近、時代劇小説で、読んだことのない作者のものを読んでみようと思っている。
文庫書下ろし小説で話題にあがった奥右筆秘帳シリーズというのを選んでみた。
この作者は、珍しい役に付く主人公をもとに、剣豪小説と政治小説という二つの要素を盛り込んでいるとのことだ。
この作品も、徳川家の公式文書を一切管理する役職だ。
読んでみて、剣豪小説の部分は、非常に面白かった。
しかし、政治小説の部分は、少々、 . . . 本文を読む
2022年の「週間文春ミステリーベスト10」や、2023年の「このミステリーがすごい 第4位」等、数々のミステリーランキングの上位になった作品だ。
極限状態での密室で、殺人事件が起こる。その密室から脱出するには?誰が犯人なのか?動機は?
最後の最後で、まったく予想のつかない結末も待っている。
正直言って、あまり、こういった小説は、好みではないのだが、一気に読んでしまったし、面白かった。著者の . . . 本文を読む