ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

風かおる(葉室麟)

2024年07月05日 | 時代劇はミステリー
葉室麟の「風かおる」を読んだ。 2017年、葉室麟が、亡くなる2年ほど前の作品だ。 「妻敵討ち」の旅から帰った養父は、死病に侵されながら妻敵討ちをさとした誰かと果し合いをするという。 何とか、思いとどまらることができないかと鍼灸医の娘は、思い悩む。 何やら、今までの葉室麟とちょっと違った話のように思えた。 後半までは、謎解きに近い形で、延々と続く。なぜ、誰と果し合いをするというのだ。しか . . . 本文を読む
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LATER(STEPHEN KING)

2024年07月04日 | 海外ミステリー(洋書)
STEPHEN KINGのLATERを読んでみた。STEPHEN KINGのホラーものは、長いが、この作品は、248ページと、比較的、短いので選んでみた。 主人公の少年は、死者の幽霊と話すことができた。 そのため、亡くなった爆弾魔が、最後に仕組んだ爆弾の場所を、幽霊から聞き出すため、母のレズ友の女警官が、主人公を連れまわす。ちょっと、少年少女もののホラーかと思わせる設定なのだが、そうとばかりは . . . 本文を読む
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渇きの地(クリス・ハマー)

2024年06月29日 | 海外ミステリー(和書)
新聞の書評で、薦められたクリス ハマーの「渇きの地」を読んでみた。2021年に英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞している。 とても、新人離れしている濃厚な作品だ。 もともと、ジャーナリストとして、30年活動していただけに、謎解きの主人公も、ジャーナリストだ。 オーストラリアの教会で、牧師が銃を乱射し、5人を殺害する。一年後、町に訪れた新聞記者の主人公が、牧師をかばう住民の証言に、何故、牧師 . . . 本文を読む
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山女日記(湊かなえ)

2024年06月20日 | 山はミステリー
湊かなえの「山女日記」を読んだ。湊かなえの作品では、「告白」以来である。 この「山女日記」は、山ガールの人生を描きながらそれぞれの山に登る8篇の連作になっている。自分の登ったことのある山も一つあり、前半は、結構、面白く感じたが、後半、特に、一番、長い作品だった「トンガリロ」は、15年前と現在の二部構成が、ちょっと、わかりずらくもあり、退屈に感じてしまった。しかし、普通の山岳小説とは、ちょっと、違 . . . 本文を読む
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帰り船(辻堂魁)

2024年06月11日 | 時代劇はミステリー
辻堂魁の風の市兵衛シリーズの第3作目を読んだ。 最後の解説で、「読み心地の良さを、これほどまでに味わえる作品にはなかなか出会えまい」という言葉があったが、なるほどなと思った。 今回は、抜け荷を暴いて、悪を成敗するといった、やはり、せいせいする市兵衛の活躍が見れる。 また、船上の戦いという、はらはらどきどきも味わえる。 気が付けば、3作目まで来たが、また、きっと、4作目も読むことになるのかも . . . 本文を読む
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THE TESTAMENT(JOHN GRISHAM)

2024年06月08日 | 海外ミステリー(洋書)
JOHN GRISHAMのTHE TESTAMENTを読んだ。 ある大富豪が、遺言書を書き換えた後に、飛び降り自殺する。 その遺言書によると、すべての財産を、ブラジルのジャングルに宣教師として赴任して、どこにいるかもわからない子供、妻ではない女性に産ませた子供に託すというのだ。二人の元妻に産ませた子供たちは、遺産相続を期待していたから収まらない。それぞれ、弁護士を雇って、書き換えた遺言書は、無 . . . 本文を読む
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偽傷の鳥はつかまらない(荻堂顕)

2024年06月06日 | 国内ミステリー
荻堂顕の新潮ミステリー大賞受賞作である本書を読んでみた。読売の書評で、この作家のことを知って興味を持った。ちょっと、変わった作品であることはまちがいない。ストーリーとしては、少し前に読んだミッドナイトライブラリーに近いかもしれない。他の地域に逃げたり、現実に絶望して、人生から逃げるのを助けるのが主人公の女性だ。ミッドナイトライブラリーの場合は、自分で、やり直したい人生の分岐を選べたと記憶している。 . . . 本文を読む
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映画 「碁盤 斬り」

2024年05月29日 | 時代劇はミステリー
映画「碁盤 斬り」を見てきた。 時代劇であり、草薙ファンであり、かつ、原作が、落語とあっては、見ないわけにいかない。 事前に、ユーチューブで、志ん朝の「柳田格之進」を聞いておいた。 久しぶりに落語を聞いたのだが、志ん朝の人情噺は、やはり、うまかった。 さて、映画だが、かなり、脚色され、登場人物も変えられていた。しかし、上手に変えられていたので、違和感もなく、また、すっきりまとめられていた。 . . . 本文を読む
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北穂高岳殺人山行(梓林太郎)

2024年05月25日 | 山はミステリー
最近、BSなどで、梓林太郎原作の山岳ドラマが再放送されている。 もう、20年以上前の作品ながら、結構、楽しめた。 梓林太郎氏は、今年の1月に亡くなっている。それを追悼して、かってのドラマを再放送しているのかも知れない。 山岳ミステリーは、随分、読んでいたが、梓林太郎氏の作品は、読んでなかったので、今回、読んでみることにした。 本作は、本格山岳ミステリーの傑作と言われている。女性登山者の転落 . . . 本文を読む
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帰郷(浅田次郎)

2024年05月13日 | 国内ミステリー
浅田次郎の「帰郷」を読んだ。 いわゆる、戦争小説と言えるものだ。 帰還兵の話だったり、高射砲の修理兵の話、父が戦死した息子の話などなど、6篇の短編からなる。 一番、最初の「帰郷」が、救いもあり、好きな作品だった。最後の「無言歌」が、何とも、悲しく、救いのない中で、最後にふさわしい作品だった。著者は、私と同じく父母が戦争体験のある戦後第一世代である。それでも、こういった戦争小説が書けるのは、驚 . . . 本文を読む
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完全なる白銀(岩井圭也)

2024年05月10日 | 山はミステリー
岩井圭也の山岳小説、「完全なる白銀」を読んだ。 中々、面白かった。まず、主要登場人物が3人の女性ということだ。アラスカの温暖化により、いずれ、海の下になって、なくなってしまう島に住む2人の現地人女性と日本人女性が主要登場人物だ。 温暖化を世界に訴えるため、まず有名人にならなければならない。そのために、女性で初めて、冬のデナリ(アラスカ最高峰)登山を目指す女性リタ、彼女をサポートするシーラ。それ . . . 本文を読む
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禁断の中国史(百田尚樹)

2024年04月29日 | 雑記
百田尚樹の「禁断の中国史」を読んだ。 図書館で目についたので、読んでみたのだが、隣の中国という国について思い知らされた。 宦官、纏足、科挙制度など、聞いたことのある制度のほか、刑罰や共産党の実態を読むに日本の感覚との違いに恐ろしくなった。 それも、遠い昔のことではないのである。 書評でも、すべての日本人が読むべきというコメントがあったが、なるほどと思った。 . . . 本文を読む
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THE ENGLISH PATIENT(MICHAEL ONDAATJE)

2024年04月28日 | 海外ミステリー(洋書)
映画は見たことがないが、アカデミー賞は取っているし、原作も、ブッカー賞を取っているということで、読んでみた。 今までには、もっと、手ごわい作品にもトライしたことがあるだけに、何とか、読み終えた。 しかし、どこまで、理解したかは、わからない。一見、読み進めることができそうでいて、頭には、すっきり入ってこないのだ。あとで、他の人の書評を読んで、その点がはっきりした。 詩的表現が多く、登場人物の視 . . . 本文を読む
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命もいらず名もいらず(山本兼一)

2024年04月27日 | 時代劇はミステリー
山本兼一の「命もいらず名もいらず」を読んだ。 以前から、読みたい本だったが、上下巻の分厚さに尻込みしていた。 内容は、幕末の3舟の一人、山岡鉄舟の史実をもとにしたフィクションだ。 山岡鉄舟という人物は、ドラマでも、坂本竜馬や、勝海州にような主役では、あまり見たことがない。しかし、今回、読んでみて、江戸城の無血開城に最終交渉したのは、西郷と勝だが、その前に 、西郷に説得に行ったのは、山岡鉄舟で . . . 本文を読む
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君たちはどう生きるか

2024年04月15日 | 雑記
アカデミー賞を受賞したとのことで、再度、映画放映されだしたので、「君たちは,どう生きるか」を、先月、見に行った。 平日だったせいか、数えるほどの人数で、しかも、私も含め、中年以上が多かった。 映像は、さすがという美しさだった。7人の小人ならず、7人のおばばが出てくるのが面白かった。声優に豪華な俳優陣をふんだんに使っているのも、面白かった。 ストーリー的には、今までにない新規性は薄かったが、ジ . . . 本文を読む
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