先日、あるラジオを聴いていた時のこと。
全国各地の話題ということで地方局のアナウンサー(以下「地方」と略)が、
説明を始めた。
中国地方のある県で(この県そのものの問題ではないので、あえて名を伏す)
住民情報など現在は県庁舎の中にあるデータを
地震や津波対策のために外部に移転する事業を始めたそうだ。
なんでも県庁舎内には200台からのサーバーがあり、
今年度の数十台を手始めにこれらを数年かけて外部へ移すそうだ。
外部の企業内におかれたサーバーとは専用の光ファイバーで結ばれ、
今までサーバーが庁舎内にあった時と同様、庁舎の端末から
住民情報などが取り出せ、住民サービスは今まで通り行われるらしい。
私「ふむふむ、なるほど。」
私「データを外へ出すわけではなく、サーバーそのものを外部に預けるのね。」
これに対し、番組の進行役の多分キー局のアナウンサー(以下「MC」と略)が
こう聞いた。
MC「それは今話題の『クラウド』ということでしょうか。」
これに対して、車中で聞いていた私は思わずこう叫んだ。
私「違うわ!」
ところが番組はこう続いたのだ。
地方「そうなんです。
クラウド、クラウド・コンピューティングの仕組みを使っています。」
地方「しかも、光ファイバーの専用線を使っているので、仮に庁舎に被害があっても
別の場所から同じように情報が取り出せるんです。」
私「ええーっ。どういうこと。話が見えん。」
以下、解説。
サーバーを(民間であれ、外郭団体であれ)外部の業者に預けることは、
サーバーアウトソーシングと言います。
さらにこの場合は、業者のサーバーを借りるわけではなく、
自前のサーバーを預けるので、ハウジング、コロケーションなどともいわれます。
また、光ファイバーであろうが、メタル線であろうが、
専用線で結ぶということは、インターネットとは別物です。
クラウド・コンピューティングはインターネットをベースとしたものです。
つまり、このケースはクラウド・コンピューティングではない、
ということになります。
また専用線ですから、クラウドの様に別の場所から
簡単にアクセスすることはできません。
それがセキュリティを高めることになるのはもちろんですが、
仮に例えば県庁舎が地震などでつぶれてしまったり、
専用線が切れてしまうようなことがあれば、別庁舎、仮庁舎などから
アクセスする場合は、そこに新たに専用線を設置する必要があります。
簡単に別の場所からすぐにアクセスできるわけではありません。
セキュリティを高めながら、他の場所からも比較的自由にアクセスできる
手立てを持つ方法もなくはありません。
専用線網の一部を利用するIP-VPNや、
インターネット網を使うインターネットVPNと呼ばれるものです。
ただし、いずれも程度の差こそあれ、他のユーザーの利用状況によって、
回線速度(通信速度)が低下したり、ある程度のセキュリティ・リスクが生じます。
結局のところ、ニュースは単に「クラウド」という流行言葉を使って、
視聴者の興味を引こうとしているだけと言っても過言ではないと思います。
全国各地の話題ということで地方局のアナウンサー(以下「地方」と略)が、
説明を始めた。
中国地方のある県で(この県そのものの問題ではないので、あえて名を伏す)
住民情報など現在は県庁舎の中にあるデータを
地震や津波対策のために外部に移転する事業を始めたそうだ。
なんでも県庁舎内には200台からのサーバーがあり、
今年度の数十台を手始めにこれらを数年かけて外部へ移すそうだ。
外部の企業内におかれたサーバーとは専用の光ファイバーで結ばれ、
今までサーバーが庁舎内にあった時と同様、庁舎の端末から
住民情報などが取り出せ、住民サービスは今まで通り行われるらしい。
私「ふむふむ、なるほど。」
私「データを外へ出すわけではなく、サーバーそのものを外部に預けるのね。」
これに対し、番組の進行役の多分キー局のアナウンサー(以下「MC」と略)が
こう聞いた。
MC「それは今話題の『クラウド』ということでしょうか。」
これに対して、車中で聞いていた私は思わずこう叫んだ。
私「違うわ!」
ところが番組はこう続いたのだ。
地方「そうなんです。
クラウド、クラウド・コンピューティングの仕組みを使っています。」
地方「しかも、光ファイバーの専用線を使っているので、仮に庁舎に被害があっても
別の場所から同じように情報が取り出せるんです。」
私「ええーっ。どういうこと。話が見えん。」
以下、解説。
サーバーを(民間であれ、外郭団体であれ)外部の業者に預けることは、
サーバーアウトソーシングと言います。
さらにこの場合は、業者のサーバーを借りるわけではなく、
自前のサーバーを預けるので、ハウジング、コロケーションなどともいわれます。
また、光ファイバーであろうが、メタル線であろうが、
専用線で結ぶということは、インターネットとは別物です。
クラウド・コンピューティングはインターネットをベースとしたものです。
つまり、このケースはクラウド・コンピューティングではない、
ということになります。
また専用線ですから、クラウドの様に別の場所から
簡単にアクセスすることはできません。
それがセキュリティを高めることになるのはもちろんですが、
仮に例えば県庁舎が地震などでつぶれてしまったり、
専用線が切れてしまうようなことがあれば、別庁舎、仮庁舎などから
アクセスする場合は、そこに新たに専用線を設置する必要があります。
簡単に別の場所からすぐにアクセスできるわけではありません。
セキュリティを高めながら、他の場所からも比較的自由にアクセスできる
手立てを持つ方法もなくはありません。
専用線網の一部を利用するIP-VPNや、
インターネット網を使うインターネットVPNと呼ばれるものです。
ただし、いずれも程度の差こそあれ、他のユーザーの利用状況によって、
回線速度(通信速度)が低下したり、ある程度のセキュリティ・リスクが生じます。
結局のところ、ニュースは単に「クラウド」という流行言葉を使って、
視聴者の興味を引こうとしているだけと言っても過言ではないと思います。
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