比較の方法はいろいろあると思うが、まずは劇場の数から比べてみよう。
日本は映連(日本映画製作者連盟、英語略称:MPPAJ)が、
毎年1月下旬に前年の数字を公表している。
それによれば、全国で3525スクリーンがあり、前年より53スクリーン増えた。
昔々の話をしてもしょうがない(参考にならない)し、映連の数値も2000年から
それまでの映画館数からスクリーン数になったので、それ以降の話にすると、
このところ多少減った年もあったがじりじりと増え続けている。
昔ながらの映画館は減り、シネコンが増えている。
シネコン、シネマコンプレックスは、一つの場所で複数スクリーンを運営している施設で
1998年に当時の通産省が出した定義では1か所で6スクリーン以上、
前述の映連の定義では5スクリーン以上を有する映画館となっている。
3525スクリーンのうち、シネコンが3096、一般館が残りの429館。
もっとも映連の定義によればシネコンは5スクリーン以上だから、429館の中には、
楽天地シネマズ錦糸町(4スクリーン、今年7月改装で一時閉館)や、
今日で閉館するTOHOシネマズ日劇(3スクリーン)など、
複数スクリーンを持つ館もあるので、単館はもっと少ない。
なお、映画館数が最も多かったのは1960年の7457館で以降数を減らし続けた。
ひとつの映画館内に複数スクリーンを有した館が登場したのは1950年代であるが、
シネコンの形態とは言えず複数の映画館がたまたま同じ場所にあると言った様相。
その後、1980年代には「日本初のシネコン」と銘打った感がいくつも現れたが、
現在のシネコン、シネマプレックスとはかなり運営形態が異なる。
さて、ここではシネコンの歴史やいきさつを語るのが主眼ではないので、
話を先に進めると、全米での映画館数はどうなっているか。
NATO( National Association of Theater Owners 、北大西洋条約機構ではない)
が発表した数字によれば、2017年に屋内で39798スクリーン、
ドライブインシアターで595スクリーンの合わせて40393スクリーンとなっている。
実に日本の11.45倍。
一方、館数(サイト数)は合わせて5747館で、平均すれば7.0スクリーン/館。
屋内の映画館に限れば、39798/5398で、7.4スクリーン/館となる。
日本の数字は映連が公開していないので、2015年の総務省の調査によれば
523館(この時は3253スクリーンなので、平均6.2スクリーン/館)
現在は単館が減って少し比率が上がった可能性が高いが、ほぼ同率とすれば568館程度。
屋内館だけとの比較でも9.5倍。
会話でざっくりの話をするときは館数もスクリーン数も大体日本の10倍と考えれば良い。
シネコンの場合はスクリーン数分の全く別の映画が上映されているとは限らず、
同じ映画のIMAX版/通常版、3D版/2D版、字幕版/吹替え版が上映されることもあるし、
場合によっては複数のスクリーンで全く同じ映画を上映しても良い。
何巻もあるフィルムで上映していた昔と違って今はデジタルメディアでの配給だから、
比較的容易にスクリーンを増やしたり移動したりできる。
また、1スクリーンの収容人数は100人以下から600人規模のところもあるから、
館数やスクリーン数で上映規模を推し量るのは難しい。
とはいえ、館数/スクリーン数が多いと言うことはそれだけ集客数も多いだろうから、
日本では、全国800スクリーン規模での上映となれば、大規模と言うことになる。
一方アメリカでは、3000館(スクリーンではなく館)を超える上映は珍しくなく、
4000館を超えた映画も23本あった。
アメリカでは字幕版/吹替え版の複数上映はほぼないだろうが、人気作を複数館で
上映しない保証はなく、仮に4千館のうち半分が複数スクリーンで上映したとすれば、
6千スクリーンを超えることがあるかもしれない。
どちらがいいとか優れているとか言うことではなく規模の違いを言っている。
映画館が多いとか、スクリーンが多いとか言っても誰も見に来なければ館は廃れる。
次は観客側の数字を少し眺めてみたい。
(この項続く)
日本は映連(日本映画製作者連盟、英語略称:MPPAJ)が、
毎年1月下旬に前年の数字を公表している。
それによれば、全国で3525スクリーンがあり、前年より53スクリーン増えた。
昔々の話をしてもしょうがない(参考にならない)し、映連の数値も2000年から
それまでの映画館数からスクリーン数になったので、それ以降の話にすると、
このところ多少減った年もあったがじりじりと増え続けている。
昔ながらの映画館は減り、シネコンが増えている。
シネコン、シネマコンプレックスは、一つの場所で複数スクリーンを運営している施設で
1998年に当時の通産省が出した定義では1か所で6スクリーン以上、
前述の映連の定義では5スクリーン以上を有する映画館となっている。
3525スクリーンのうち、シネコンが3096、一般館が残りの429館。
もっとも映連の定義によればシネコンは5スクリーン以上だから、429館の中には、
楽天地シネマズ錦糸町(4スクリーン、今年7月改装で一時閉館)や、
今日で閉館するTOHOシネマズ日劇(3スクリーン)など、
複数スクリーンを持つ館もあるので、単館はもっと少ない。
なお、映画館数が最も多かったのは1960年の7457館で以降数を減らし続けた。
ひとつの映画館内に複数スクリーンを有した館が登場したのは1950年代であるが、
シネコンの形態とは言えず複数の映画館がたまたま同じ場所にあると言った様相。
その後、1980年代には「日本初のシネコン」と銘打った感がいくつも現れたが、
現在のシネコン、シネマプレックスとはかなり運営形態が異なる。
さて、ここではシネコンの歴史やいきさつを語るのが主眼ではないので、
話を先に進めると、全米での映画館数はどうなっているか。
NATO( National Association of Theater Owners 、北大西洋条約機構ではない)
が発表した数字によれば、2017年に屋内で39798スクリーン、
ドライブインシアターで595スクリーンの合わせて40393スクリーンとなっている。
実に日本の11.45倍。
一方、館数(サイト数)は合わせて5747館で、平均すれば7.0スクリーン/館。
屋内の映画館に限れば、39798/5398で、7.4スクリーン/館となる。
日本の数字は映連が公開していないので、2015年の総務省の調査によれば
523館(この時は3253スクリーンなので、平均6.2スクリーン/館)
現在は単館が減って少し比率が上がった可能性が高いが、ほぼ同率とすれば568館程度。
屋内館だけとの比較でも9.5倍。
会話でざっくりの話をするときは館数もスクリーン数も大体日本の10倍と考えれば良い。
シネコンの場合はスクリーン数分の全く別の映画が上映されているとは限らず、
同じ映画のIMAX版/通常版、3D版/2D版、字幕版/吹替え版が上映されることもあるし、
場合によっては複数のスクリーンで全く同じ映画を上映しても良い。
何巻もあるフィルムで上映していた昔と違って今はデジタルメディアでの配給だから、
比較的容易にスクリーンを増やしたり移動したりできる。
また、1スクリーンの収容人数は100人以下から600人規模のところもあるから、
館数やスクリーン数で上映規模を推し量るのは難しい。
とはいえ、館数/スクリーン数が多いと言うことはそれだけ集客数も多いだろうから、
日本では、全国800スクリーン規模での上映となれば、大規模と言うことになる。
一方アメリカでは、3000館(スクリーンではなく館)を超える上映は珍しくなく、
4000館を超えた映画も23本あった。
アメリカでは字幕版/吹替え版の複数上映はほぼないだろうが、人気作を複数館で
上映しない保証はなく、仮に4千館のうち半分が複数スクリーンで上映したとすれば、
6千スクリーンを超えることがあるかもしれない。
どちらがいいとか優れているとか言うことではなく規模の違いを言っている。
映画館が多いとか、スクリーンが多いとか言っても誰も見に来なければ館は廃れる。
次は観客側の数字を少し眺めてみたい。
(この項続く)
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