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ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

ブロードバンドはナローバンドの何倍?

2005-04-20 09:53:41 | IT
昨日のWBSでソフトバンクの孫さんの特集をやっていた。
その中で気になったことについて。(孫さんと関係ないことですが)

ブロードバンドの説明で、
「電話回線を1車線の道路とすると、ブロードバンドは100車線の道路に相当する。」
また、光ケーブル(単線ではなく、20Φ程度のケーブル)を見せて
「普通のブロードバンドに比べ、光は10倍のスピードになる。」

数字で確認しよう。
電話回線は何を指すか。
アナログ回線にモデムとすると、その最高は56.6kbps。
デジタル回線(ISDN)なら、64kbps(ダブルで128kbpsもあるが)
その100倍といえば、約6Mbps。
まあ、ADSLの実勢速度で言えばそんなものか、もう少し低いところではないだろうか。
さらに、その10倍といえば、約60Mbps。
光では回線以外のところにネックがあってそんなには出ません。
20から30Mbpsです。

ところが、56.6kbpsは理論値(最高値)だから、
ADSLも理論値(最高値)で言えば、47Mbps、50Mbpsがあるから、100倍でなく約900倍。
光接続(FTTH)は現状100Mbpsが最高値なので、その2倍にしかならない。
(ケーブル上は1Gbpsもあるが、光終端装置が100Mbpsしか出ない)

しかし、ここでよく考えてみると、
56.6kbpsは理論値ながら、実効値も50kbps程度出る。
実効値は理論値の90%ある。

しかし、ADSLの場合は、理論値近く出るのは、路線長でせいぜい2、3百メートル。
ところが局内でも数十メートルの経路長があるので、直線で言えば、局から数十メートル程度のところ。
1キロも離れれば理論的最高値が半分以下になってしまう。
これは電線から高周波が漏れることによって起こるもので、物理現象であってどうしようもない。
日本での平均的な路線長(局から家までの電話線の長さ)は、2~3キロメートルといわれているので、
大体1/5くらいになってしまう。

FTTHも100Mbpsは回線の物理的な限界ではなく、プロバイダ、ルーター、PCなどの性能限界、
それに100Mbpsを活かせるだけの大容量のデータもないことなどがネックになり、
実効速度は20Mbps程度になる。

最高速度は毎時100キロだが、実際には信号も渋滞も荷物の積み下ろしもあって、
総合的に平均すると毎時20キロになってしまうということ。

これだけ、理論と実態の差が激しいと比較も何を根拠数値とするのか難しい。

さらに言うと、1本の光ケーブルの最大伝送能力は、100Mbpsなんてものではなく、
5Tbps(5000Mbps)と言われる。ADSLの100倍だ。
実態はケーブル能力の1/50しか使っていない。
実効速度はさらにその何分の1と言うことになる。

ところで、TVで見せていた光ケーブルは、
この1本のケーブルを40本束ねたものを1本としたケーブルが更に何十本か入っている。
最大の伝送能力は、何Pbps(Pはペタ。T:テラの千倍、M:メガの百万倍)
ここまで来るとケーブルの能力を議論することに今のところ意味がない。

例えば、車が100台しかない地域に、片側5車線の高速道路を作って、
1時間に1万台が通過できる道路だといっても意味が無いのと同じ。

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