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ヤフーブログからの引っ越し組

映画「キッズリターン」 (一部ネタバレあり)

2013-05-12 23:36:18 | ぶつくさ
これから見るから内容は知りたくない!という方は読まない方がいいですよ。
(見るけど参考にしたいという方はどうぞ なるか知りませんが)


ケーブルTVのおかげで、日本映画専門チャンネルというのが見られる我が家のテレビ。
そこの番組で北野武作品を月2本放送しています。
昨晩「キッズリターン」の回でした。


あの名台詞
「俺たちもう終わっちゃったのかなあ・・・」
「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」
でエンディングを迎える青春映画です。




CMなしで最初から通しで見れるっていいですね。まー、みんな出る人出る人若い。
宮藤官九郎ってエンディングロールにでてた気がするのでネットでしらべたら
カツアゲされている生徒だったそうですよ。わからなかった。
あと津田寛治もラーメン屋の店員で出てきました。細ーい!




青春映画だけど、社会人になったあとに見ると面白さ増しそう。
社会に出たあとだからこそじわじわと迫ってくるものを感じられるから。
あと久石譲さんの音楽がイイ。



ヤクザの道を進んだマーちゃんと、ボクサーを目指した高木。
どちらも挫折を味わい、描いた将来と違う道を歩むことに。
映画はその二人中心の回想録といったところ。内容は随所で紹介されてるからはしょります。


主人公以外に、この二人のクラスメイトの、生真面目でカフェの女性店員に恋する男の子がいます。
がんばって就職した会社も仕事に馴染めず辞め、タクシーの運転手に転職。
しかしそこでも、真面目に働いても冷たい言葉をかけられ、結末は事故死というやりきれない結末になります。


あ、ちゃんとした(?)人生の人たちもいましたよ。
漫才師志望の二人がいて、最初は客席2,3人だったのが、
結末は満席の劇場で漫才を披露するようになってました。
ほかに比べたら順調かな。その先どうなるかは彼ら次第でしょうけど。


例によってハッピーエンドではないのが北野映画なんですが、この三方面を対比させることで、
「生きてればなんとかなる」「やりなおせる」という希望のようなものも感じられます。

それがあの「まだ始まっちゃいねえよ」に込められているんじゃないかな。
死んじゃったらすべてが終わりですから。

また、たけしさんのバイク事故後復帰作ということもあり、
たけしさん自身「(この世に)リターン」っていう意味も含んでるんじゃないかっていう
深読みもできる作品です。


しかしいつも思いますが、淡々と進む展開と日常会話のようなトーンのセリフが
普通の映画と違う、リアリティーを感じさせます。
この番組は、映画終わったあとにいつも登場人物を招いてトークするんですが
そこでも「ドキュメンタリーみたい」と言っていましたっけ。


だからこそ、なんだろうな。
この見終わった後に残るヒネクレ感。
希望があるように見せてるけど、どこか明るくない。
やっぱり残酷だ。




これの前作が「みんなーやってるか」だなんて、同じ人が作った作品と思えないね!
お笑い・芸術方面もつくる、シリアス暴力ものもつくる、これでバランスを保っているんだと
いつだかのトークの時に言ってました。やっぱすごい人だと思います。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
キッズリターンとエロティックな関係、録画予約しときました👍 (-)
2013-05-13 15:10:00
空飛ぶもハマってしまい、見ています笑
図書館に原作借りにいったら、二十番目の予約でしたー
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ぶじこさん (丸底フラスコ)
2013-05-14 00:58:00
意外!そっちも録画予約したんですか。
若かりし内田裕也さんは、なんとなくARATAさんに似ていると思うんです。
うちには録画という文明の利器がないので、この時間まで見続ける気力がないです。
ふふふ、見てますか。空飛ぶ広報室。
近ければ本お貸しすることができるのですけどね~
20人待ちってどんだけ先でしょう。
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北野監督の映画は、私には難しくて理解できないんですよ。 (よっこ)
2013-05-18 17:20:00
話題になった作品を何本か見たことがありますが、
結局なんだったのかわからなくて、タイトルすら忘れてしまったし、
最後まで見れなかった作品もありました。^^;
やっぱりヒネクレているのね。
それは悪くないと思うのだけど、どう理解すればいいのかわからない映像やセリフのやり取りがわからなかったように思います。
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よっこさん (丸底フラスコ)
2013-05-18 19:51:00
たしかに難しいです。キッズリターン、座頭市、菊次郎などはわかりやすくてストーリー性がたかいから、大衆受けしたんでしょうね。
アート性高いものは、ほんと難解で筋も不明だったり。
監督ばんざいや、TAKESHI'Sなんかはもう最たる例かな。
難しいやつは、ストーリーではなく要所要所のパロディや流れ、表現を楽しむものとわりきってみてみようと思いました。
箇所箇所の面白いところをみつけると、へえーと思える糸口になったり、番組終了あとの出演者たちのトークを聞くと、次の再放送で違った見方ができたりして面白い発見があります。
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