Sleeping in the fields of gold

小麦畑で眠りたい

反比例

2016-02-09 | Weblog

父の入所が決まった。
といっても、老人ホームではく介護老人保健施設(在宅復帰を目指すリハビリを主とした施設)なので、最長3ヶ月位しかいられないのであるが。

今朝連絡があって、来週中には入所して欲しいと。こういうのって本当に「急」なんだよね。
こちらの心づもりとか準備とかもあるのにさ。退出しそうな人がいるのなら、1週間前くらいからおおよその日程を教えてくれて、せめて準備に2週間くらい欲しいでしょう。

訪問入浴があったので、いつもの元気な看護師さんにその旨、話したら。「寂しいです」と泣きそうになっていた。
いい子だなぁ。
元気で、愛嬌があって。
本当に、こうした介護のお仕事をしている人々は、大変な仕事だろうに明るくほがらかに頑張ってくれている。
来週がおそらく最後になると思うが、皆、いつも以上に熱心になってくれる(笑)。
人間て、そういうものね。

あと、少しと思うと「できるだけのことをしてあげよう」と思うもののようだ。

彼女は今日、父の足の角質を、軽石で一生懸命磨いてくれた。
角質が取れて靴下の履かせやすくなった父の足を、ことのほか喜んでくれた。
アリガトね、美雪ちゃん。

アテクシとしては、入所の決定はありがたい。
しかし、父としては「来週にはこの家を(たぶん永遠に)さよならですよ」なわけだから、ショッキングだよね。そりゃ、そうだ。今まで身を粉にして働いて。小さな団地の一室を購入した。慎ましやかな自らの城。長年親しんだその家とも、あと1週間で別れるのだから。世の中はそんな風に「ドライ」なのだ。心の準備の暇もなく。施設の都合で、突然その日はやってくるものさ。

気の毒だなと思うが、難病の上に妄想性障害という精神疾患の症状もかなり頻繁に(というか毎日)出ているわけで。付き合うこっちも本当に大変なのだよ。妄想が酷くなると自分がどこにいるのかも分からなくなるし、普段は降りられる介護ベッドの降り方も分からなくなる。

朝起きて彼の部屋を覗くと、ポータブルのトイレにつかまってボーっと立ってパンツ一枚で震えて、なぜか押入れのふすまが開いていて。
「閉じ込められていて出られないから、ぽっちり助けて~」と。
そりゃ、押し入れからは出入りできんだろ…。ドラえもんじゃあるまいし…。

せっかく敷いた毛布なども「虫に食われた」と言って全部はいでしまったり。着替えたばかりの服も、虫に食われたから洗わないと。とか。トイレの中からお椀が浮かんできているよ~~と叫んでみたり。
放っておけば数時間、一人で架空の誰かとずうっと話している。
怖いですよ(笑)。普通に。

こちらも精神的に追いつめられていて、普通に枕を顔に押しあてたりして虐待していたので、ようやっとどこか入れるところが見つかったかと、肩の荷が降りる思いだ。

しかし、このショッキングなニュースのせいで父の妄想は一層ひどくなり。さぁ、果たして入所したらどうなることやら。多床室のはずなのだが、相当周りの迷惑になるんじゃないかなぁと心配である。しゃべっちゃうからねぇ。

入所の準備等もあるし、数日後には契約も結ばなきゃいけないし。
各方面への連絡もあるし。
今後の自分の身の振り方も考えなきゃいけないので、大変だが。

哀れな父よ。
アテクシは、あなたに不憫さを感じながらも、解放感に酔っているよ。

この1週間は少しだけ、優しくもなれよう。


さぁ。終わりの、はじまりだ。




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2 コメント

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あっ (mojio)
2016-02-17 03:14:14
入所決まったんですね。おめでとうございます。
老健だとその次どうするかですけど、、、とりあえずごゆっくり。お疲れ様でした。
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そうなんです (ぽっちり)
2016-02-18 00:07:50

Mojioさん

やっぱ通だなぁw。「老健とか」略称、普通知らないですよ(笑)。さすがだね。

決まったのはありがたいのですが。
そう、仰る通り。ずっといられるわけじゃないので、その次どうするかなんですよね。

そして、明日、というか日付変わったので今日、入所日なのですが、父の精神状態が不安定で、「入院したくないよぉ~」と言って、さっきまでぐずっていたんです。

まぁね、そりゃ腐っても我が家なんだろうけどさ。

もうね、勘弁してほしいゎ。
ほんと、この人女々しいなぁ。

人間て、哀しいですね。

でも、アテクシも。
もう限界だもん。しょうがないよ。

彼の人生より、端的に言えば、自分の人生の方が大事だもの。


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