みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

燕の子

2019年05月23日 | 俳句日記

巣立ち直後の燕の子


5月23日〔木〕快晴 やや風強し

近頃は子雀のショット不作に悩んでいる。
きのう漸く小2の男前な子雀をゲットした。



なかなかの面構えが気に入った。
残念なことに可愛子ちゃんには出逢わない。

でも今日は滅多に出くわさない燕の子を捉えた。
燕は5月〜7月の間に2度子育てをする。
今時は1番子群が巣立ちをする。
それを拾ったのである。



親燕のあとをヨタヨタと付いて来て、目の前の電線に二羽ながら止まった。
親は直ぐに飛び立ち、間もなく戻って来ると口移しに餌を与えた。

その瞬間を撮り損ねたのが残念だったが、子燕はまた飛び去った親鳥をしばらくはキョロキョロしながら待っていた。







待つことしばし、親鳥がピチュピチュピーと近づいたかと思うとそのまま身を翻した。
その刹那、子燕はパッと飛び立ち二羽ながら何処へか飛び去った。
“着いといで〜”と言ったのだと思う。

その場からの帰り道である。
コンビニの前でお母さんが手招きをしている。
視線の先を見ると、ランドセルを背負った子雀がニコニコしながら駆けてくる。

やがてお母さんは、近づいて来る子雀に両手を広げて、駆け込んでくるのを待った。
ゴール!親子はきゃっきゃとはしゃぎながら抱き合って車に乗り込んだ。

ここでもこのベストな光景を捉えるのを忘れた。
どうも近頃動作が鈍いのである。

〈燕の子 やがて一閃 宙返り〉放浪子
季語・燕の子(夏)








木漏れ日の毛づくろい

2019年05月22日 | 俳句日記

五月晴れの夕日

5月22日〔水〕五月晴れ

昨日の小満の太陽は、時節を梅雨明けまで飛ばして真夏日の予行を提供していました。
今日は五月晴れ、新緑はいよいよ青く、薫風は汗ばまんとする肌を五月に引き戻します。


上着脱ぎたし、までも無し。

猫もまた、木の下陰に隠れるでもなく陽射しを浴びながら心地良さげに毛づくろいをしています。



こちらをチラチラと見ながらもオシャレに余念がありません。



そのうち納得のいく仕上がりをみたのか、粛然と立ち上がり、歌舞伎役者が大勢の付き人に見送られ花道へ向かうが如く、しゃなりしゃなりと私の前を通り過ぎました。



途中ではたと立ち止まり、



楽屋の方を見やる姿は“なにこれ!演出?”と言うが如きタイミング。
少しく進んだその先の幹に隠れた姿を見れば、舞台に踏み出す、まさに役者のその姿。



ヘタな昼ドラよりも見応えのある演技でした。

気淑く風和ぎ、鏡こそ無いものの、猫の粉飾を目の当たりに薫風を嗅ぐ心地。
皐月の緑葉の下は巧まぬドラマがあります。

〈五月晴れ 下夫々の 役者かな〉放浪子
季語・五月晴れ(夏)

小満考

2019年05月21日 | 俳句日記

コンクリートの最上川⁈


5月21日〔月〕終日晴れ

“芒種”の雨とは、入梅の兆しの雨である。
歴の上ではもう一週で梅雨を迎えることになる。
そんな雨がきのう一気に降った。
我が町内の空側溝が最上川に見えた一瞬である。

今日は“小満”。
万物の気が整い始め、夫々がそれらしく見え始める頃と書いてある。



なのに都心では陽射しが肌を焼き、御婦人たちは日傘の下に隠れ片影の中を急いでいた。



件のご近所の側溝もスッカリ元のコンクリート製構造物に戻っている。



救いだったのは、縁の紫陽花が薄紅色に色付いていたことだ。




〈新玉の 御代や小満 満を侍す〉放浪子
季語・小満(夏)

五月雨(さみたれ)

2019年05月20日 | 俳句日記

紫陽花は嬉しそう


5月20日〔月〕曇り のち 本降り

午前中には陽の差す間もあったものが、正午を過ぎると本降りとなった。



迎え梅雨にはちと早い。
だけど普段の空側溝が、ここぞとばかりにレーゾンデートルを主張していた。



〈五月雨か 最上ほどでは ないけれど〉放浪子
季語・五月雨(夏)

青嵐(あおあらし)

2019年05月19日 | 俳句日記

モス笹丘店


5月20日〔日〕曇り 風強し

三日前にアップした山法師が、昨日の雨で頂きまで賑やかに花開いた。
生憎の青嵐に千切れやしないかと気になった。



青嵐=青葉の頃に吹く、やや強い南風。

通り過ぎてモスバーガーに入る。


〈バーガーの レタス飛ばすな 青嵐〉放浪子
季語・青嵐(夏)