みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

木漏れ日の毛づくろい

2019年05月22日 | 俳句日記

五月晴れの夕日

5月22日〔水〕五月晴れ

昨日の小満の太陽は、時節を梅雨明けまで飛ばして真夏日の予行を提供していました。
今日は五月晴れ、新緑はいよいよ青く、薫風は汗ばまんとする肌を五月に引き戻します。


上着脱ぎたし、までも無し。

猫もまた、木の下陰に隠れるでもなく陽射しを浴びながら心地良さげに毛づくろいをしています。



こちらをチラチラと見ながらもオシャレに余念がありません。



そのうち納得のいく仕上がりをみたのか、粛然と立ち上がり、歌舞伎役者が大勢の付き人に見送られ花道へ向かうが如く、しゃなりしゃなりと私の前を通り過ぎました。



途中ではたと立ち止まり、



楽屋の方を見やる姿は“なにこれ!演出?”と言うが如きタイミング。
少しく進んだその先の幹に隠れた姿を見れば、舞台に踏み出す、まさに役者のその姿。



ヘタな昼ドラよりも見応えのある演技でした。

気淑く風和ぎ、鏡こそ無いものの、猫の粉飾を目の当たりに薫風を嗅ぐ心地。
皐月の緑葉の下は巧まぬドラマがあります。

〈五月晴れ 下夫々の 役者かな〉放浪子
季語・五月晴れ(夏)