今日は、お釈迦様の生誕の日である。
お産まれになると同時に、片手の指を天
に、もう一方の手の指で地を差して、
「天上天下、唯我独尊」と宣われた。
その時、天地は歓びの声をあげ、甘露の
雨、匂い立つ花弁が王子に降り注いだ。
そう私の持つ仏典には書いてある。
故に、後の生誕祭が「灌仏会」となる。
灌仏とは、水盤の中心に天と地を差した
お釈迦様の立像を立て、花びらを浮かべ
、信徒が祝いの甘茶を灌ぐ儀式を言う。
仏典にある生誕時の再現であろう。
中国仏教では、お釈迦様のお生まれは、
釈迦族の王子であるから、香水で湯浴
されたと伝わり、五色の香水を使う。
こちらの方が現実味があるようだ。
福島県にいる時に、毎日の朝食は阿武隈
川の畔で食べるようにしていたが、飲み
ものの雫を足元に垂らすと、アリが沢山
寄ってきた。
彼らにとつては甘露の雨だっただろう。
暫し、お釈迦様の気分になって、鳥や魚
の生き物達と戯れていたのを思い出す。
リハビリを兼ねての日課であった。
閑話休題、父のゴータマ・スッドーダナ
王は、その子をシッダールタ「一切の諸
願が成就する」と名付けられた。
東洋に於ける救世主「ゴータマ・シッダールタ」の誕生である。
故なるか?父王は間も無く妻マーヤーを
亡くし、最愛のシッダールタも出家して
世嗣ぎまでも失ってしまった。
父王もまた、偉業が成される為の苦悶に
見まわれたのである。
ヘルマン・ヘッセが友のロマン・ロラン
に捧げた名著「シッダールタ」がある。
なかなか難解な本だが、人間の精神の幸
福を求める向きには一読されたい。
〈理の 世界を巡る 灌仏会〉放浪子
季語・灌仏会(春)
4月8日〔日〕晴れ
ブログを書いていると小蝿が出てきた。
「あら、もう!」とアースに手を伸ばし
かけたが、止めにした。
天台宗では「放生会」の日でもある。
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