"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“教員の仕事は教壇に立って教えること”

2011-10-21 04:15:15 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/10/20】 致知出版社編集部 発行
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   人間力メルマガのベスト記事26本を編集長が選び抜き、
   いま大きな反響を呼んでいる書籍『一流たちの金言』。
   ⇒ 
http://www.chichi.co.jp/book/7_news/book934.html
   
   本日は『一流たちの金言』に収録されている
   26の人間力を高めるエピソードの中でも、
   とりわけ人気の高い、教育者・徳永康起先生の
   お話をご紹介いたします。

 
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          「超凡破格の教育者 徳永康起先生」

       
       
          坂田道信(ハガキ道伝道者)
        
          『一流たちの金言』 〜第5章 教えより〜
           
http://www.chichi.co.jp/book/7_news/book934.html


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徳永先生は熊本県の歴史始まって以来
30代の若さで小学校の校長になられたほど優秀でしたが


「教員の仕事は教壇に立って教えることだ」


と5年で校長を降り、自ら志願して一教員に戻った人でした。


だからどの学校に行っても校長に嫌われるんですね。
自分より実力が上なものだから。


それで2年ごとに学校を出されてしまうんだけど
行く先々で教師たちが一番敬遠している
難しいクラスを受け持って
みんなを勉強好きに変えてしまうんです。


授業の前に児童たちが職員室へ迎えに来て
騎馬戦みたいに先生を担いで
「ワッショイ、ワッショイ」
と教室に連れて行ったというんです。

先生、早く教えてくれって。



先生は昼飯を食べない人でした。


なぜ食べないかというと、終戦直後、
昼の時間になると弁当を持ってこられない子どもたちが
さーっと教室からいなくなる。


それでひょっと校庭を見たら
その子たちが遊んでいたんです。


その時から自分もピタッと昼飯を食べるのを止めて
その子たちと楽しい遊びをして過ごすようになりました。



以来、昼飯はずっと食べない人生を送るんですよ、
晩年になっても。



これは戦前の話ですが

「明日は工作で切り出しナイフを使うから持っておいで」

と言って児童たちを帰したら、次の日の朝、


「先生、昨日買ったばかりのナイフがなくなりました」


という子が現われました。


先生はどの子が盗ったか分かるんですね。


それで全員外に出して遊ばせているうちに
盗ったと思われる子どもの机を見たら
やっぱり持ち主の名前を削り取って布に包んで入っていた。



先生はすぐに学校の裏の文房具屋に走って
同じナイフを買い、盗られた子の机の中に入れておきました。


子どもたちが教室に帰ってきた時


「おい、もう一度ナイフをよく探してごらん」


と言うと


「先生、ありました」


と。

そして


「むやみに人を疑うものじゃないぞ」


と言うんです。


その子は黙って涙を流して先生を見ていたといいます。


       * *


それから時代が流れ、戦時中です。


特攻隊が出陣する時、
みんなお父さん、お母さんに書くのに
たった一通、徳永先生宛の遺書があった。


もちろんナイフを盗った子です。


「先生、ありがとうございました。
 あのナイフ事件以来、徳永先生のような人生を
 送りたいと思うようになりました。
 明日はお国のために飛び立ってきます……」
 
 
という書き出しで始まる遺書を残すんです。



それから、こんな話もあります。


先生が熊本の山間の過疎地の教員をやられていた頃、
両親が分からない子がおったんです。


暴れ者でね、とうとう大変な悪さをやらかした時、
徳永先生は宿直の夜、


「君の精神を叩き直してやる」


と言って、その子をぎゅっと抱いて寝てやるんですよ。 


後に彼は会社経営で成功して
身寄りのない者を引き取って
立派に成長させては世の中に出していました。


「自分のいまがあるのは、小学校4年生の時に
 徳永康起先生に抱いて寝ていただいたのが始まりです。
 先生、いずこにおられましょうか」
 
 
という新聞広告を出して、40年ぶりに再会した
なんていう物語もありました。


この前もハガキ祭で教え子の横田さんという方に
思い出をお話しいただきましたが、
初めから終わりまでずっと泣いているんですよ。


定年退職をされた方だから
もう50年以上も前の思い出ですが
1時間ちょっとの間、ずーっと泣いている。


その方の感性も素晴らしいけど
やはり徳永先生の教育がすごかったんでしょう。

(転載以上)

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“だからどの学校に行っても校長に嫌われるんですね。
自分より実力が上なものだから。”


このような文脈の中で、“徳永さんの実力が上だからと言って徳永さんを嫌う校長先生たち”のことが書いてあると、
なんだかこうした校長先生方がとんでもない方々のように感じます。

でも、本当はどこにでもあることで、ごく普通のことなのだと思います。

気がつかないうちに実は私自身、このようなことをやってしまっていないか、と気になります。


“30代の若さで小学校の校長になられたほど優秀でしたが

「教員の仕事は教壇に立って教えることだ」

と5年で校長を降り、自ら志願して一教員に戻った人でした。”


徳永先生は、回りの反応も覚悟した上で、しかし自分の思いを貫かれたのだと思います。


“授業の前に児童たちが職員室へ迎えに来て
騎馬戦みたいに先生を担いで
「ワッショイ、ワッショイ」
と教室に連れて行ったというんです。”

ほとんどありえない光景ですよね。

いかに徳永先生が生徒から慕われていたかわかります。


“なぜ食べないかというと、終戦直後、
昼の時間になると弁当を持ってこられない子どもたちが
さーっと教室からいなくなる。

それでひょっと校庭を見たら
その子たちが遊んでいたんです。

その時から自分もピタッと昼飯を食べるのを止めて
その子たちと楽しい遊びをして過ごすようになりました。”


先生が昼飯を食べなくなったというエピソード、胸が痛みます。



“「むやみに人を疑うものじゃないぞ」”


徳永先生は、(多分買えなくて)ナイフを取ってしまった子ではなく、反対に取られた子を叱ります。

世の中には、“正しいうそ、つくべきうそ”というものが間違いなくあるのだな、と思います。


そして、その子は、特攻で出陣する直前に徳永先生に遺言を書くのでね。

(ご両親はいなかったのでしょうか。)


“「君の精神を叩き直してやる」

と言って、その子をぎゅっと抱いて寝てやるんですよ。” 


精神を叩き直すのに、これ以上のことが、一体あるでしょうか。


“定年退職をされた方だから
もう50年以上も前の思い出ですが
1時間ちょっとの間、ずーっと泣いている。”


今の日本にも、徳永先生のように、子どもたちのことを考え、子どもたちの心に残る先生が、きら星のごとくたくさんいらっしゃるのだと思います。

そうした方々は、なかなか表に出て来られません。

しかし、そうした先生方は、見えないところでも、ちゃんとご自分の天命を果たしていらっしゃるのだと確信します。

文字通り、明日の日本を創造する方々です。


“自らの言行を省みよ”

2011-10-21 04:02:22 | 日記

致知出版社、「偉人たちの一日一言」よりです。

(転載開始)

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    「偉人たちの一日一言」
 
     〜致知出版社が贈る人生を養う言葉〜
               発行 (株)致知出版社

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 今日の言葉  2011年10月19日(水)
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【自らの言行を省みよ】

寒暑の節候、稍(やや)暦本(れきほん)と
差錯(ささく)すれば、
人其(そ)の不順を訴(うった)う。

我れの言行、毎(つね)に差錯有れども、
自(みずか)ら咎(とが)むるを知らず。

何ぞ其れ思わざるの甚(はなは)だしき。
   (耋七四)

<訳>
寒さ暑さの季節時候が少しでも暦(こよみ)とずれると、
人は天候の不順を訴えて文句を言う。

しかし、自分の言葉と行動になると、
いつも食い違いがあるけれども、
自ら反省して咎めるということを知らない。
なんと甚だしく考えのないことではないか。

  『佐藤一斎一日一言』より

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(転載以上)




江戸時代の儒学者佐藤一斎さんの言葉です。

有名な『言志四録』という40年の歳月をかけて書かれた随想録は、西郷隆盛の終生の愛読書だったそうです。

上記【自らの言行を省みよ】を読んで、思わず笑ってしまいましたが、

思い当たる点多く、身につまされて、すぐに静かになってしまいました。