今更ながらですが、姉の子3人と行った映画の感想などを。
今まで書かなかったのは、ちょっと途中で席を立った事があったからです。
10分弱くらい間が抜けているので書こうかどうしようか悩んでおりました。
でも、覚書代りに書いておこう。と。
(その為ネタバレになります。かなり不満毒を吐いています。
これから見たい人はスルーしてください)
『ドラえもん のび太の人魚大海戦』
現在のTV版を見ていないので、どうしても第一期と比べてしまいます。
現在のTV版のキャラクター設定がそうなっているのか、
映画版だけの事なのかは判りませんが、キャラクタが薄くなっていて残念でした。
・スネオの厭味な面
・ジャイアンの乱暴な面
・のび太の我儘で要領の悪い面
がそれぞれ強く描かれていて、見ていてフラストレーションが。
・しずかちゃんは自己主張が旨くできない攫われキャラ。
・ドラミちゃんが、しっかりしすぎてお兄ちゃん(ドラえもん)を尻に敷いていたり。
キャラクタの精神年齢を悪い意味で下げていると感じました。
脚本を書かれた真保 裕一さんは好きな作家さんの一人なのですが、
キャラクタを薄くしたのがちょっと…。
全体的にキャラクタの深みもエピソードの深みも物足りない。
話の都合のいいようにキャラクタを動かしすぎて、キャラの個性が消されている感じ。
一つ一つのエピソードも駆け足で、どうしてそうなるのかが判らない。
【のび太が優しい男の子】として描かれているのですが、のび太の言葉一つでヒロインと祖母の確執が溶けるのは納得がいきません。
ヒロイン・ソフィアの祖母・女王オンディーヌは人魚族を率いる女王。
流浪の末たどり着いて長い時を過ごした人魚族の現在と未来を一身に背負った女性です。
ソフィアの両親を早くに亡くし、たった一人の孫娘であるソフィアに全てを託す為に、ソフィアには厳し過ぎるほど厳しく接しています。
一族の平安を守るために人間との接触禁止しているのですが、海を汚す人間を忌々しくも思っているようです。
ソフィアは自分の背負ったものをきちんと理解していますが、好奇心も旺盛。
禁止された人間の世界にも興味を持っています。
その為少々軽はずみな行動に出ることもあり、女王オンディーヌの悩みの種になっています。
そんな2人の確執が解けるのきっかけがのび太の一言って、ちょっと都合がよすぎませんか?
人間への嫌悪感を隠さないマスコットキャラ・ハリ坊の心境変化がソフィアの説得というのも軽い。
のび太達がハリ坊を助けて心境が変化した。というベタな展開の方がまだしも説得力があるというものです。
人魚族と怪魚族との因縁の象徴・伝説の鎧と剣をめぐるアドベンチャーも、道具を使うのはドラミとドラえもんのみ。
のび太やジャイアン、スネオ、しずかちゃんにも道具を持たせて欲しかったなと思います。
しずかちゃんの攫われ方も違和感。
もっとしずかちゃんらしい攫われ方(?)があると思うのです。
あと気になったのは、のび太が徹底して要領の悪い役立たずに描かれている点。
のび太はいざとなったらできる子。というのが定番だと思っていたので、もっと活躍させてほしかった。
各キャラクタの行動変化のきっかけが全て言葉なんですよね。
どらえもん+5人の行動が他のゲストキャラクタに影響を与える方がもっとすっきりしたと思います。
道具も色々と出てきていたので、道具好きの人には楽しめるかもしれません。
子供たちは結構喜んでいましたが、納得のいっていない子もいましたね。
(となるとやはり脚本の問題か)
エピソードを詰めるともっと面白い映画になったと思わせるストーリーだっただけに残念すぎました。
武田鉄矢が作った挿入歌が怖ろしいほど浮いていました(笑)。
変に第一期の映画版をリスペクトしなくてよいから雰囲気に合った挿入歌をつくろうよ
(脚本を見ないで作ったとしか思えませんでした)
さて、最大の毒吐きをさせていただきます。
映画版クレヨンしんちゃんの
スタッフの偉大さを、
再認識させられました。
『映画 ドラえもん のび太の人魚大海戦』公式サイト
http://doraeiga.com/2010/
『映画ドラえもん』オフィシャルサイト
http://www.dora-movie.com/