つれつれたれたれ

日常のことなどのんびり書いていきます。

つばさをもらったライオン

2010-11-02 | 読書
『つばさをもらったライオン』

著者:クリス・コノヴァー。 訳:遠藤郁枝
出版社:ほるぷ出版(2007年04月)

むかしむかし。ねこの国を治めていた金色の鬣のレオ王。
ある日、レオ王に待望の王子が生まれます。その背中には小さな翼。
「向きの変え方さえ判らない」小さな王子が飛んでいってしまったのは、北の国。
そこで王子は、生まれて初めて本と文字に出会います。

とにかく絵が素敵。緻密で綺麗。
擬人化はされていますが、元の獣らしさも残った擬人化。絵は見れば見るほど発見があります。
そして、読めば本好きになるストーリー。

秋に読むのにちょうどいい一冊。


おまけ:表紙と裏表紙の裏には、アルファベットとイラストが書かれています。
A~Zまで、添えられているイラストは、26の話がモチーフ。
Uのモチーフは『Urasima』(浦島太郎)。
Tはお馴染みの『The Giant Turmip』(おおきなかぶ)です。


 



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おおさか遊ぶろぐ


「おおさか遊ぶろぐ」掲載中のつれつれたれたれ記事

祝★アガサ・クリスティ 生誕120年

2010-09-15 | 読書

本日はミステリの女王 アガサ・クリスティの120回目の誕生日です

120年前ですか!今読んでも面白いというのは凄いなぁ。

私のお気に入りは、ミス・マープルです。

自ら《時代遅れ》といいつつ、ヴィクトリア王朝世代としての誇りを持って生きるおばあちゃん。
WWⅡ後の大変革の時代を生きる当時のイギリス人の考え方が判るのもお得感があります。
世の中がガラッと変わった当時。
価値観が変わった中を生きるのは大変だったのだろうな。

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イソップものがたり ライオンとねずみ

2010-08-16 | 読書
イソップものがたり ライオンとねずみ』(光村教育出版)
原作はジェリー・ピンクニー。訳はさくまゆみこさん。

イソップ物語の中の『ライオンとねずみ』のお話は、いろいろな国で色々な絵本が作られています。
そんな中で異彩を放つのがこの一冊。
この絵本は、動物の鳴き声以外に文字がありません。
中扉に献辞と、作者のあとがきがあるだけです。
それでいて、絵の持つ力だけで物語が進んでいきます。
グイグイ読ませる力があります。
光村教育出版の紹介ページに《ライオンに捕まったねずみ》の絵が掲載されているのですが、それを見るとよく判る。
作者は、一切の擬人化をしていません。精密な絵で、どんどん読ませていきます。
ねずみとライオンの大きさの違い、中扉を開けたときから人目でわかります。
ねずみとライオンと、自然の中でそれぞれの違いがあって、お互いの言葉は伝わっていない。
けれどもライオンとねずみはお互いを理解しあう。
その描き方がすばらしい!

表紙のライオンと裏表紙のねずみもいいですが、表紙下のライオンとねずみの絵もいいですよ。

子供にぜひ読ませたい一冊です。




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パンダのシズカくん

2010-08-15 | 読書

『パンダのシズカくん』

「とつぜんきてしまって。もうしわけないです」と、くまはいいました。
「風が吹いてきて、ぼく、うちの庭からまっすぐ、カサごとおたくに、とばされてしまった。たたんでおけば、よかったんだけれど」
シズカくんは、ちょっとパンダっぽい口のききようをしました。

 アディ、マイケル、カールの姉弟の家の裏庭に、唐傘といっしょに飛ばされてきたのは、パンダのシズカくん。
 でも、シズカくんはただのパンダではありませんでした。
 彼は、『禅』の心を理解したパンダだったのです。
 そしてシズカくんは、三姉弟に禅の心を教えてくれたのでした。

 対象年齢は4才から。となっていますが、大人も楽しめる絵本です。
 《鴨とり権兵衛》のような導入から、3つのお話が展開していきます。
 3つのお話とも、大人ならああ、あれか。と判る有名なもの。大愚良寛のエピソード、人間万事塞翁が馬の故事。もうひとつは…なんだったっけ?
 子供の頃、お寺さんの説法で聞いたような聞かなかったような…あれ?(判った方は、ご教授ください)

 作者のジョン・J. ミュース は、日系アメリカ人の彫刻家イサムノグチ(1904~1988)に影響を受け、日本で石彫刻と書道を学んだ人だそうです。
その過程で禅にふれたのだとか。
 原題は『Zen Shorts 』シズカくんは、《Stillwater》というお名前だそうです。
 短い禅のおはなし?名前は淀?静かな水の流れ?でしょうか
(関西で淀。というと、お馬さんを思い出すので、ちっとも静かではありません。希望と絶望と欲望と挫折。重い財布と明るい未来を抱いて車に乗り、軽い財布と頭を抱えて帰る大きいお友達なイメージが…)

 イラストは、表紙絵のようなタッチと、水墨画的タッチを使い分けています。日本的というよりは中国的。といったほうがいいかもしれません。
 カールと遊ぶシズカくんのイラストは、某アニメ作品(パンダの親子がでてくる)を髣髴とさせて、ニヤリとさせられました。





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ソルビム ―お正月の晴れ着―

2010-02-27 | 読書

今回は正月に読むといい絵本です。
     (大幅に時期をずらしてしまいました)

『ソルビム   ―お正月の晴れ着―』
『ソム 2 ―お正月の晴れ着(男の子編)―』

作者はぺ・ヒョンジュさん。(絵も文)
訳者はピョン・キジャさん。

韓国・朝鮮の人々は、お正月になると身に付けるものを全て新調するそうです。
【ソ】とは、新調した晴れ着のこと。

表紙のとおり、『ソ』では女の子の。『ソルビム 2』では男の子の晴れ着が取り上げられています。
『ソルビム』の横顔の女の子も可愛いですが、『ソルビム 2』の男の子の顔の可愛らしい事!
新しい晴れ着を着た誇らしさと恥ずかしさが一目で伝わってきます。


『ソルビム
舞台は新年の朝を迎えてとあるお家。
新しい年の新しい朝を迎えた女の子は、新しい晴れ着を一つずつ身に付けていきます。
そのチマ・チョゴリはお母さんが縫ってくれたもの。
コットシという靴はお父さん、ノリゲという装身具はおばあさんから。
家族が女の子の為に揃えてくれた晴れ着です。
絵本では見開きで、一つ一つの過程を見せてくれるのですが、
女の子の誇らしくうれしい気持ちが伝わってきて、見ている方もどきどき。
おしゃまさんだなぁ。
昔。日本でもお正月には新しい服を着たものでした。
新しい服を着る。それがどんなにドキドキするものか。
そんなことを思い出させてくれる絵本です。

『ソルビム 2』
こちらの舞台も新年の朝を迎えてとあるお家。
新しい年の新しい朝を迎えた男の子は、新しい晴れ着を一つずつ身に付けていきます。
という、『ソ』と同じ舞台です。
こちらの男の子は。『ソ』の女の子より少し年下。
お正月の晴れ着を一人で着るのがうれしくてたまらない年頃の子供です。
お母さんが縫ってくれた服を取り出して。
テサヘ(履物)はお父さんが買ってくれたもの。
見開きで、一つ一つの過程を見せてくれるのですが、
小さいので上手く着れなかったり、成功して喜んだり。
ついつい遊び始めてしまったり。
あるある。ということが満載で、見ていて楽しい。
やんちゃだなぁ。
巻末には解説が載っているのですが、その1ページ前。
家族全員の絵がとてもいい。とても良い家族です。
あれっ、そうか!という発見もありますよ。


2冊とも、表紙・見開き・裏表紙に到るまで丁寧に作られています。
読むだけでなく、インテリアとして飾っても楽しい作り。
それにしても…。韓国の子供の晴れ着って、たくさん着るのですね。
男の子編ででて来る布製の兜。
桃色の裏地に何か字が書いてあるのですが…。
ハングルが読める人には判りますが、読めない私にはチンプンカンプン。
でも大丈夫。その答えは解説に載っています。
隅から隅まで楽しめる絵本でした。

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