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カーネギーホールで“クラッシック音楽界のタイガー・ウッズ”こと天才ピアニスト、ランランのリサイタル。
ランランはライブに限る!彼が全身でピアノを弾く様子を見るのはその音と相まって、楽しさを何倍にもする。
モーツァルトのソナタ、シューマン幻想曲、そして中国民謡。
とてもピアノ演奏とは思えない。
どきどきしながらこれはどう言ったらぴったりくるのかと考えてみる。
風景でもないし・・、匂い、歩いていてふと流れて来る花の匂いに全身で春が来たと知る、記憶の中の匂い。あの感じ。
でも、僕は中国に行ったことは無いからなぁ・・・。
ランランを聞いて、まだ見ぬ中国を匂う、か。
隣の席にじゃらじゃらのゴーカなイヤリングをぶら下げたお美しいおねーちゃんが座った。ピアノ一台、マイク無しのホールは楽譜をめくる音も聞こえるほど静まりかえっている。で、耳元でじゃらじゃら、じゃらじゃら・・・。こりゃたまらん。ぐっとこらえて低姿勢で「すいませんが、イヤリングを外してくれませんか。」と頼むと、フンといった表情で「分かった、分かった。」と手の平をひらひら。
イヤリングはつけたまま、時折じゃらっ・・じゃらじゃらっ・・「だ・か・らー、外してくれっていってるじゃない!」「動かないからいいでしょ!」「それ外すのがそんなに難しいの?」「難しかないわ、外したく無いだけよ。」周りから「しーっ!」と言う抗議の声。お美しい女性の連れがはらはら顔で「あー、僕がそっちの席にすわるからさ、それでいいかな?」と席を変わる。
二人はインターミッションに席を立って、後半は帰ってこなかった。何しにきたんじゃ、あの女。
後半はグラナドス、リスト、で、アンコールにショパンの練習曲 E Major, Op. 10, No. 3, 。
若き天才、歳を重ねるにつれて、彼の音楽も変わって行くだろう。それを眺めながら僕もまた自分の事をやりながら歳を重ねる。今を生きられて幸せだなと思う。
ま、こんなところで何をぐだぐだ書いても意味が無い。
チャンスがあったら聴きに行ってください。
ランラン。後悔させませんぜ、旦那!
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