岩切天平の甍

親愛なる友へ

さびれ

2007年03月28日 | Weblog

ダラスから南へ車で四時間、ヒューストンへ移動した。
ラジオをカントリーステーションに合わせ、その気になって、
見渡す限りの緑に点在する牛達の間を80マイルでまっすぐに走る。

ルート45沿いには古くてさびれたガスステーションや閉店して廃墟となったレストランが多い。捨てられた1950年代の自動車がさびて、土に帰ろうとしている。僕達はそれらを目にする度に「お!いいねぇ」「いいさびれぐあいだねぇ」などと口にする。

でもどうしていいんだろう?

廃墟や朽ちた車をモチーフにする写真家は多い。
その風景は、かつてその家や店や車で笑いあったであろう人たちの時間を感じさせる。そして、永遠の彼方に消え去ったその時間たちの悲しみを感じる。行く時の流れは絶えずして、しかももとの時にあらず。 じっと手を見る。

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