大岡昇平“俘虜記”読了。
もし自分が戦場に行ったとしたら、誰も見ていなかったら、きっと自分の弱さに勝てずに、恥ずべきふるまいをしていただろうと思う。
やはりまだ教養のない田舎者なのだ。
父の日記に僕が生まれた時のことを読んだことがあった。
ページの間に入院していた母から父に宛てたハガキがはさまれていた。
「病院が寒いので、今度いらっしゃるときに毛布を持ってきてください。』
出産の日、父は『なみだがとまらない。』と書いていた。
『いかなる時も天に恥じることなく、平静心でいられる生き方をするように、天平と命名。』
日記帳を置いて仏壇に座り、不明を詫びた。
立派なひとになりたいものだ。