岩切天平の甍

親愛なる友へ

ケーシーちゃん

2008年05月12日 | Weblog

 ミッドタウンでレンタカーを借りて、ケネディ空港で日本から着いたディレクターのNさんを拾い、南西へ四時間、ペンシルバニア州山あいの小さな街、ベレフォンテへやって来た。

“輝く命”というドキュメンタリー番組の取材で一週間余り滞在する。

今回撮影するのは、ポリフォニン症と呼ばれる太陽や電球などの紫外線に触れると皮膚が焼けてしまう難病を抱えて生まれて来た女の子、ケーシーちゃん、七歳。治療法はまだ発見されていない。

光を浴びれないせいか骨がもろく、生まれた時に鎖骨、右腕を、左足はこれまで五回骨折し、そのため左足は右足より四センチ弱も長くなってしまった。

四十二歳の両親と十六歳の姉、家族四人は窓に紫外線フィルターを貼って、日よけを降ろした薄暗い家で暮らしている。電球も40ワット以上は使えない。外に出るには特別製の防護服に手袋、その上に傘を差す。スクール・バスの窓にも学校の教室の窓にもフィルターが貼ってあるという。

ハンドルを握りながら考える。
どんな風に振る舞ったら良いだろうか・・・わからない。
とにかく会って、精一杯向き合おう。うその無いように。
それが一番かんじんだろう。



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