TCC・竹島クラフトセンター TAKE-LOG 竹ログ

愛知県の観光名所[竹島]の俊成苑に構える手織り工房
[竹島クラフトセンター]の主人が送る大きなひとりごと。

TCC・竹島クラフトセンター、仲良く手織り体験

2007年05月17日 | 三河木綿の手織り体験
豊田市から竹島海岸へ行楽に来たお二人さんです。

彼は物創りには自信があり、銀細工や切り絵なども
作っているそうです。

TCCで手織体験をしようと決めたのも彼の方でした。

彼いわく、「彼女は手先は器用ではない」との事で、
早速手織体験を始める事になりました。

TCCの主人が、

「彼が彼女のコースターを作り、彼女が彼のコースター
 を作るのどうだろう?」

と提案をすると、彼が

「僕の物は僕が織るよ、絶対彼女は下手だから」

と失礼な事を言っていました。

 彼女も、

「私は私のコースターを織るほうが気が楽だから」

緯糸のカラーも決定して、お二人の手織りが始まりました。

織り進むうちに、

「あれ!彼女の方が上手に織れてるよ!」

とTCCの主人が言うと

「お前俺より綺麗に織れてるじゃん!」

と彼が驚いたように覗き込む

「だって手織りが楽しいんだもの」

「彼女は何を作らせても下手だから・・・、
 手織りもダメかなと思って、自分のコースターは
 自分で織ることにしたのに・・・、こんなに上手に
 織るなら俺の物は彼女に織ってもらえば良かったな!」

織り上がったコースターを見せ合って、

「驚いたな~!俺の方がへたじゃん!見なおしたよ、
 お前、こんな才能があったんだ!」

そこでTCCの主人が

「人は誰でも隠れた才能を持って生まれているんだ」

と言うと、彼がポツリと言いました。

「これから自分は創作の道を歩きたいと思っているんです」

「今日の手織り体験で彼女が手先の器用なことも知り
 良かったです」。

そしてTCCの主人と将来の事で話が弾みました。

「君がクラフトの道を歩むには、よき理解者のパートナーが必要だね、
 愛する人がこんな才能の持ち主であったことは君は幸運だから、
 まず、明日から彼女を弟子の第一号として育てる事を勉強しよう、
 そして、クラフト作家を目指して頑張って下さい」。
 
二人は、また来る約束をして帰りました。

若い二人の未来を語る姿に、遠く過ぎ去った自分の青春に
想いを馳せるTCCの主人でした。