着物姿の女性がやって来ました。
その女性は蒲郡 みかん染め の着物を着ていたのです。
驚いたのはTCCの主人でした。
自分がデザインしたみかん染めの着物を
イベント会場以外で見たのは初めてだからです。
蒲郡の竹島を、みかん染め・三河木綿を着た美女が故郷の海岸を歩く‥、
芝生の俊成苑で見るみかん染めの着物姿は絵のような艶やかさであった。
さっそく、竹島を目の前にして手織体験の出来る俊成苑の
TCC・竹島クラフトセンターへ案内しました。

「わー、こんな素敵な所でやれるんですか、竹島が目の前じゃないですか!」
の声と共に、お二人の手織体験が始まりました。
もう一人の女性は着物姿を写真撮影をしながら手織体験です。
「失礼ですけどみかん染めのお着物を御召ですけれど
どちらからお出でしょうか?」
「千葉県の浦安からですけれど、故郷が蒲郡市三谷町なので
今日は帰郷です、ここはブログを見てきたのです」
「私は豊橋からです」
お友達同士で竹島へ手織体験に来ていただきました。

「ところでみかん染めの着物は西尾市の [あずまや] でなければ
売ってないはずですが‥」
とTCCの主人が聞いたところ
「 [あずまや] さんが東京で着物のイベントに出品していて
その時故郷の三河木綿のみかん染めと知ってネットで
注文したのです」
と話していただきました。

「綿とは思えないほどしなやかで着易いです」
「デザインも気に入って、織り方も変わっていて、着ていて凄く気持ちよいです」
TCCの主人は、彼女の後ろ姿を見ながら、綿だから夏物ではなく
年間を通して着用できる立派な着物だと思いました。

この着物の生地は最高級の綿の光沢のある100番双糸を
みかん染めにした経て糸を縞柄に組んであります。
織組織は綿特有の皺が少なく、しなやかさが出るようにと
TCCの主人がこの着物に合わせて特別に作って織り上げました。
デザインと企画をした本人の所へ、その着物を着たユーザーが
現れるというめったに無い偶然にビックリしたTCCの主人でした。
デザインも織物も、着やすくて良いとお褒めの言葉をいただき
デザイナーとしても、織物企画の技術者としても、
ユーザーからの声を直接聞いてこの上のない喜びでした。
ありがとうございました。
土曜日からは三谷祭りです。
祭り会場のどこかに、このみかん染めの着物を着た美女がいるかも
しれませんよ。