「これ、何の花ですか」
「これは綿です、コットンの花ですよ」
「ほおー、これが綿の花ですか、始めて見ました」
「何んでここに植えてあるんですか?」
「ここ三河は日本に初めて綿が伝えられた土地なんですよ」
「私知ってるわ、昔お婆さんが栽培していましたから」
「そうだわね私が子供の頃だから七十年前かしら」
と、綿談義が続きます。
「花の中心が赤かったですか」
「それは覚えてないわ、確かにこの花だったわ」
「失礼ですけど、ご出身はどちらでしょうか」
「奈良県です」
奈良県も和棉の産地でした。
こんな会話が毎日続くのです。
「真ん中が赤い花と全部黄色い花がありますね、種類が違うんですか」
「中心が紅い花は和棉と申しまして、全国で栽培されていますが、
全部黄色い花は三河地綿と申しまして、三河地方、特に天竹神社由来の種類ですが
これは綿の実も小さく繊維は太く短いので紡績する人は敬遠するのです。
これぞ三河の綿と思うのですが植物としては絶滅危惧種になると思うのですが、
和棉であると一括りにされているようです」
三河観光の中心地、竹島の藤原俊成公の像のもとに咲く三河地綿の花です
竹島クラフトセンターを一度覗いて見てください。