アパッチ蹴球団-高校サッカー篇:project“N”- 

しばらく自分のサッカー観や指導を見つめなおしていきたいと思っています。

壊れる時は、いつでも静かに、そして小さなことから・・・

2009年04月16日 13時32分57秒 | 人として
先日、バックアップチームのリーグ戦があった。

前半は決定的なチャンスもあったが決めきれず、
後半に失点を重ね、
リーグ戦4試合目で初の敗戦だった。

優勝を目指していただけに、
とても悔しい敗戦だった。

ただ、後半は開き直って、
相手のプレッシャーを怖がらずに
ビルドアップしようとトライしていたので、
負けた試合でも後に繋がる試合内容だった。



バックアップチームのメンバー構成は
優勝を目指す上で
コミュニケーションを取りやすいように、
また出場機会や出場時間を少しでも多くするために
ギリギリの人数で登録している。

ギリギリの人数の中でも
お互いに話し合いながら、
ポジションをやりくりし、
お互いに助け合っていく。

優勝という目標を達成できたとしたら、
選手達には本当に自信になるだろうし、
実際、優勝は現実可能な目標として
選手も監督としての自分も捉えている。

勝つことで選手一人一人も大きく成長できる、
そう思って、リーグ戦を戦ってきた。



でも、
この日のリーグ戦で
無断で休んだ選手がいた。

試合自体はギリギリの人数ではあったが、
なんとか成立はしていたとはいえ、
監督である自分のところにも連絡はなかったし、
選手達のところにも連絡はなかったようだった。

何か事故か犯罪に巻き込まれたのでは・・?とも考えたが、
キックオフの時間が迫っていることもあり、
試合の準備に専念していた。

バックアップチームのリーグ戦が終わってからも
チャレンジャーズチームのリーグ戦が別の会場であり、
無断で欠席した選手のことも気になりながらも
チャレンジャーズチームのアップと試合に専念した。



チャレンジャーズチームの試合の後、
仕事に向かう途中で
その休んだ選手から連絡があった。

ひとまず事情を聞いた上で
電話を切った。

翌日の練習開始前に
無断欠席した選手には厳しく叱責した。

「あまりにも身勝手ではないか!」
「連絡位はしっかりするように!」



私自身、監督として、また一人の大人として
コミュニケーションにこだわりたいと考えている。

コミュニケーションが勝つ為に、
また納得できるプレーに繋げる為に
必要だと思っている。

人としても、コミュニケーションは
いい人間関係を作るためには必要。

人は人と関わることで、関わりあおうとすることで、
色々なことに気づき、成長していく。
そう思っている。



ただ、
「あいつ何、考えてんだ・・・」
「訳わかんねぇ・・・」
という人とは正直なかなかコミュニケーションを取りにくい。

こういう言葉がチーム内から出始めると
チームは少しずつ壊れる方向に進み始める。

こういった場合にどうすればいいのか?
指導を始めた頃は良くわからなかった。



強いチームやいいチームの監督は経験上知っている。
チームは静かに壊れていくことを。

いつでも壊れ始めるきっかけは
小さなこと。

経験のない指導者なら、
気にも留めないことや気づいても流してしまうことから
チームの崩壊は始まっている。



自分も昔は散々失敗した。
「そこまで言わなくてもいいか・・」
「あんまり言い過ぎても・・・」
と勝手に判断し、その結果、
チームが大会で力を出し切れずに空中分解して終わる、
チーム内もめちゃくちゃになってしまう、
という経験を何度もした。

その都度、
「どうしたらいいチームになるのか?」
「そもそもチームとは何か?」
「チームとして機能するための要件は何か?」
ということを模索していた。



悩んで答が見つけられない日々を続けている時、
突然、答らしいものが見えてくる。
「もしかしたら、こういうことかもしれない。」
「まずは、当たり前のことからやってみよう。」
「できる最低限のことからやってみよう。」

[①:チームで決めた最低限の規律は絶対に守る]
[②:挨拶をはじめとした最低限の声やコミュニケーションを大切にする]

少しずつではあるが、チームは確実に変わっていった。



いいチームを作るのは
難しい方法を探し、実践することではない。
まずは、簡単なこと単純なことを徹底すること。

初めのうちは、チーム内はバラバラで
簡単なことすら徹底できない。
指導者に根気と気力が、まず求められる。

粘り強く選手に問いかけ、
単純なことを徹底できてはじめて、
チームは次に段階に行くことができる。

また、次の段階に行ったと思っていても、
学年が入れ替わったりすると
もう一度、チーム内での規律を再徹底する必要がある。

ここで、指導者が
「前にやったからもういいか・・」
「言わなくても、たぶん大丈夫だよな・・」
とたかを括っていると
大抵、痛い目に合う。

それは選手の自主性を尊重するというのとは
全く別の次元の話。



「いつもチームは小さいことから壊れ始める」
「チームは静かに壊れていく」
ということを忘れてはいけないと自戒している。

大会前だからとか、大会後だから、
ということとは全く関係ない。

チームが本当の意味で、チームとして機能するためには
一人一人がお互いのことを考え、
同時にチーム全体のことを考える必要がある。

人間の内面など計りようもないが、
チームとしての約束事を守ることや
挨拶や必要なコミュニケーションを取り続けようとする行為によって、
チームを思う気持ちや味方を思う気持ちを表現できる。

一人一人のチームのことを考えた表現が
一人一人を繋いでいく。



もしかしたら、
「小さなことから壊れ始める・・」というのは
チームマネジメントに限ったことではなく、
サッカーの試合においても、
人間関係においても、
同じかもしれない。



どこまでできるかわからないが、
今のチームがもっといいチームになれるようにしていきたい。

そのために、
チームの雰囲気にこだわり、
チームのディテールにも注意深く目を配り続けたい。


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