雑居空間
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 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年10月3日放送の第38話は「チーズになった月」です。



 とある日曜日。山吹家の三姉妹は、家で退屈そうにゴロゴロしていました。花子はソファでゴロ寝。雪子と月子は雑誌をめくっています。
 そんな時、花子が突然ピザのチラシを取り出し、「これ食べたい」と宣言。雪子と月子も同調し、ピザを頼むこととなりました。ピザなんて、退屈だからという理由で頼むものでもないと思いますけどね。
 早速やってくる、ピザ・カリフォルニアの宅配バイク。チャイムも鳴らさずにいきなりドアを開ける店員もどうかと思いますが、50円負けさせる三姉妹もどうかと思いますね。
 お茶を用意してピザのパッケージを開ける三姉妹ですが、そのピザの上にフライドチキン男の顔が浮かび上がります。そしてピザがぐるぐる回転したかと思いきや、突然ピザが消え失せ、机の上にフライドチキン男が現れたのです。
 今回のお酉様の指令は、ある宇宙人が月をチーズにして一儲けしようとしている、というもの。月をチーズにして、完売してしまったら、月はなくなってしまいます。これには「月」を名前に持つ月子が、特に強く反応します。お月見や月見そばにも影響が出ますし、なにより「月子」という名前はどうなってしまうのか。……まあ、完売するかどうかということよりも、そもそもチーズになった段階で、相当な問題だと思いますけどね。
 なんてことを言いながら、ピザをパクつくフライドチキン男。腹ペコだった三姉妹は激怒し、フライドチキン男を追いかけますが、まんまと逃亡されてしまうのでありました。

 翌日、帰宅途中の月子は、月をチーズにしようとしている宇宙人のことを考えながら歩いていました。するとたまたま、昨日頼んだピザ屋の前を通りかかります。
 しかしそのとき、空へ向かってロケットが打ち上げられるのを目撃します。しかもそのロケットは、空中で大爆発。パラシュートを開き、いずこかへと落下していきます。
 月子は慌ててそのロケットが落ちたあたりへと向かいます。そのロケットはとある工場に墜落しており、中を覗いてみると、ロケットの中からツナギ姿の男が転がり出てきました。
「失敗だ」
 男はつぶやくと、ロケットの中から「チーズ菌」と書かれた缶を幾つも運び出します。このチーズ菌を積みすぎたことが、打ち上げ失敗の原因だったと、男は分析しているようです。まあ、もっと根本的な問題は、これが手製のロケットだということなんですけどね。通信販売で、旧ソ連の月ロケットを買うか、なんてことも言っていますけど、ソ連は結局有人月ロケットは完成できなかったんだよなぁ。
 男がツナギを脱ぐと、その下はなぜか学生服です。
「あ、もしもし、旧ソ連、今はロシアさんですか? 実は中古でいいんですが、月ロケットを一つ……」
 男はどこかへ電話をかけるのですが……、一体、どこに電話してるんだ? しかも、月ロケットは売り切れだそうで、売っていることは売っているんですね。まあ、もし売りに出されているとしたら、欲しがる金持ちも結構いそうですけどね。幾らくらいかかるのかわかりませんし、それをこの男が払えるとも思えないのですが。

 その様子を見ていた月子は、この男が月をチーズにしようとしている宇宙人だと確信します。しかしそのとき、うっかり空き缶を蹴飛ばしてしまい、月子が覗いていることが男にばれてしまいました。
 慌てて逃げる月子と、それを追う男。
 月子がファミレスの前を通りかかると、ファミレスの中で篠山、加納、荒木の三人組が食事をしているのを発見しました。窓の外から月子が三人に助けを求めるのですが、月子が追われているとは知らない三人は、楽しそうに手を振り返して食事を続けます。月子は必死に窓ガラスを叩いているんだから、様子が尋常じゃないことくらいはわかりそうなもんですけどね。月子も月子で、何を期待して、この三人に助けを求めたんだろう?
 そうこうしているうちに男が追いついてきて、窓の外でもみ合いになります。しかしそのとき、男の目は篠山が食べていたハンバーグについていた、目玉焼きにひきつけられます。
 目玉焼きに、丸い満月のイメージがオーバーラップしていきます。男は悲鳴を上げながら、手で顔を覆って逃げていくのでありました。散々逃げ回っていた月子ですが、今度は逆に、男の後を追いかけて行きます。
 そんなやり取りをしている二人を不思議そうに眺めながら、篠山は目玉焼きをほお張るのでありました。しかし、今って多分15時~16時くらいじゃないかと思うんですけど、なんで平日のこんな時間に小学生がファミレスでがっつり食事しているんですかね?

 男はロケットの置いてある工場へと帰ってくると、ロケットの中に頭を突っ込み、何かを探しているようです。何を探しているのかと月子が訊ねたそのとき、振り返った男の顔は、なんと狼になっていたのです。
 驚いてしりもちをつく月子に対し、男は「驚かせてごめんなさい」と、素直に謝罪。そして、顔中毛だらけになってしまったので、かみそりとシェービングクリームを買ってきてくれるよう、月子に頼むのでありました。
 男の素直な様子に、月子はこれを快諾し、走って買出しに出かけます。しかしその途中でピザ屋の前を通りがかるのですが、山吹家に配達に来ていた店員が、走っていく月子のことを見つめています。
 あれ? この人、まだ話にからんでくるのか。無表情なので何を考えているのかはちょっとわかりませんけど、なんか怪しいですね。

 男は顔中に生えた毛を剃って、もとの姿に戻りました。実は彼は、月アレルギーだったのです。彼が母親のおなかの中にいるとき、母親が「炎の狼男」というマンガを読んでいたために、満月を見ると狼男になってしまうのだとか。なんか、因果関係がおかしいような気もしますけどね。
 満月だけでなく、丸いものでも狼男になってしまうので、彼のメガネも、学生服のボタンも、みんな四角なのです。彼は大学生にしてはずいぶん老けて見えるのですが、月見そばはもちろん、サッカーボールや、オッサンのはげ頭まで、とにかく丸いものを見るたびに狼男になってしまうので、そのストレスから変身するたびに少しずつ老けていってしまったのです。
 男は、一生懸命勉強して、月をチーズに変える研究をしました。月をチーズにすれば、宇宙のネズミが月を食べて、月がなくなると思ったのです。しかしどうにもうまくいかず、男は途方にくれてしまうのでありました。そんな男に対して、月子は少し同情的な見方をします。まあ、根はそんなに悪い人ではなさそうですしね。第一、月をチーズにしようとしたことは事実ですけど、一儲けするのではなく、ネズミに食べさせようとしていたのですから、お酉様の指令にあった宇宙人とは別だと判断したのです。
 男を慰めようとする月子。しかし例のピザ屋の男が、そんな二人の様子を怪しいBGM付きで窺っていたのでありました。あ、今回の本当の敵は、こいつの方か。



 男は月子に名前を尋ねます。しかし、その名を聞いたとたん、なんと月子の顔からも満月をイメージしてしまうのです。
 狼男に変身しそうになり、慌てて「イメージを消してくれ!」と懇願する男。月子はそばにあったフライパンで男の頭を殴りつけ、なんとか満月のイメージを消すことに成功しました。そんな乱暴な方法で、大丈夫なの?
 しかしイメージが消えたのはいいものの、月子の顔を見たらまた満月をイメージしてしまうので、男は月子の顔を直視できなくなってしまいました。って、会話中では普通に「月子さん」とか言っているんですけど、名前からはイメージしちゃったりしないのかなぁ? 月子の外見が月っぽいわけじゃないんだから、どちらかと言えば、名前の方が月のイメージを喚起し易いような気もしますけどね。

 月子を見ないように、男はアイマスクを装着します。そしてここで月子が、「アレルギーは乾布摩擦をすれば治る」とかいう、テキトーなことを言い出します。ちょっとググって見たら、花粉症とか、アレルギー性鼻炎なんかには効果があるらしいですけど、全てのアレルギーに効き目があるわけではないでしょうし、そもそも、この狼男の症状がいわゆるアレルギーに分類されるのかどうかも怪しいですよね。っていうか、多分違う。
 それでも男は、月子の言うことを鵜呑みにして、上半身裸になり、乾布摩擦をするのでありました。それを笑顔で見つめる月子。しかしすぐに、男はくしゃみを始めてしまいます。寒空の下裸になったので、風邪を引いてしまったのです……、って、ずいぶん風邪引くの早いな。元々感染はしていて、たまたまこのタイミングで症状が出てきただけなんじゃないですかね。

 男の額に氷嚢を当てて看病する月子。しかし寝ているのは工場内で、枕はチーズ菌の缶、布団は新聞紙と、とても病人を置いておけるような環境ではありませんね。っていうかこの男、ここで寝泊りしているの? 現役大学生なら、自宅くらいはありそうなもんですけど。
 乾布摩擦をさせたことに対して責任を感じる月子ですが、男はむくっと起き上がると、「雪子さん、好き」と、いきなり告白。驚いた月子はそれにビンタで応えるのですが、トチ狂った男は叩かれた頬に手を当てながら、「いい……。もう1回」。いきなり、なんなんだ、この展開。
 しかし月子は、自分を見ても、男が狼男になっていないことに気付きます。なぜそんなことになったのか不思議に思う月子ですが、男は月子に熱い恋をしたからだと、一人で合点してしまいます。そしてキメ顔で、「キスさせて……」と、月子に迫るのでありました。あーあ、この人、今回の怪人枠ではなかったけど、立派に変人枠に収まっちゃいましたね。

 逃げる月子と、追う男、再び。
 月子は貨物列車の操車場へと逃げ込んでいきます。コンテナの脇を通り抜ける月子を追いかける男ですが、突然コンテナの隙間からフライパンが飛び出し、男は頭を強打し、昏倒してしまいます。
 フライパンを差し出したのは、あのピザ屋の店員です。月子は助けに来てくれたのかと喜びますが、さにあらず。 突然白煙が舞い上がったかと思うと、ピザ屋が正体を現します。
 ピザ屋の正体は、もう、なんと言っていいのか悩むくらい派手な格好をした宇宙人でした。肩にかけられたたすきには、「宇宙ピザチェーン店 店主」と書かれています。やはりこのピザ屋こそが、月をチーズにして一儲けをたくらむ宇宙人だったのです。
 月子をつかまえたピザ屋は起き上がってきた男に対して、「月をチーズにしろ。早くしないとお前の愛するこの娘の命は無いぞ!」と脅しをかけるのです。
 「助けてー!」と叫ぶ月子ですが、その叫びは男に対してというより、バルミラクルで通信した雪子と花子に対してのもの。知らせを受けた雪子と花子は、月子を助ける為に家を飛び出すのでありました。

 月子を人質に取られた男は、ロケットの修理を急ぎます。っていうか、ピザ屋も宇宙人なんだから、地球にやってくる為に乗ってきた自前の宇宙船とかで、月に行けないものなんですかねぇ。
 ピザ屋のもくろみは、月のチーズを利用した、宅配ピザの宇宙チェーン店化だったのです。いかにも大儲けできそうな企画だと思わんか? と言う問いに、月子も「確かに」と素直にうなずいてしまいます。が、もちろん、そんな計画を許すわけにはいきません。

 ここで一瞬、走ってくる雪子と花子のカットが入ります。今回は、結構家から距離があるみたいですね。第34話「ETおばさんの帰省」で見せたテレポーテーションみたいな技を使えとまでは言いませんけど、せめて前に乗っていた自転車で来るとかはできなかったのかなぁ?

 さて、ようやくロケットの準備が整いました。ピザ屋が発射命令を、月子は「ダメ!」と遮りますが、月子を愛している男は、人質に取られている月子を危険に晒すわけにも行かず、ロケットに乗り込むのでありました。
 ロケット発射のカウントダウンが始まったそのとき、ようやく雪子と花子が到着。何故か近くにあった大きな岩を二人がかりで持ち上げると、ロケットに向かって投げつけます。岩はロケットに見事命中し、ロケットは横転。なんとか発射を阻止することができました。って、なんか、止め方が乱暴すぎない? こんなところに大きな岩があるのも変なんだけど。

 「私の計画を邪魔する者は許さん!」、と、ピザ屋は雪子と花子に襲い掛かります。雪子がなんとかピザ屋を抑えている隙に、花子が月子を縛っている鎖を解きます。しかし、男の前なので三人はシュシュトリアンに変身することができず、流石に苦戦は免れません。
 しかしここで、男が男気を見せます。「よーし、私に任せなさい!」とピザ屋の前に飛び出すのです。しかし、睨むばかりで何もしない男は、脳天にチョップを喰らって、あっさりと伸びてしまいました。ま、この人も、勉強しかしてこなかったみたいな感じですしねぇ。
 男を片付けて、後は三姉妹のみ、と思ったピザ屋でしたが、いつの間にか三姉妹はどこかへ消えていました。三姉妹は少し離れたところへ移動して、シュシュトリアンに変身です。

「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」」」

 シュシュトリアンとピザ屋のバトル開始です。このピザ屋、特殊能力は特に無いのですが、なかなかの格闘能力の持ち主で、シュシュトリアン3人を相手にしても、優勢に戦いを進めていきます。
 意識を取り戻した男は、この戦いを見ながら、「あれは、あの有名なシュシュトリアン」とつぶやきます。あ、やっぱり市井の人々にも普通に存在は知られているんですね。
 で、なんとか狼男に変身して加勢しようと、丸いものを探します。すると、空を飛ぶ鳥の姿を見つけます。鳥がいるのだから、もしかしたら近くに巣があるかもしれないと探してみると、近くのコンテナの脇に置いてある籠の中に、妙にカラフルな鳥の卵を発見しました。いやいや、コンテナの脇に無造作に巣があるのも変なんですけど、その卵に黄色、青、緑と、カラフルな模様まで描かれているのですが……。これ、空に飛んでいる鳥の卵じゃなくて、もっと別な何か、なんじゃないかなぁ。
 まあ、今はとにかく狼男に変身するのが最優先なので、この卵が何なのかは重要ではありません。男は早速、近くにあったドラム缶の上で卵を割って……、って、わざわざ割らなくても、卵のままで充分だったのでは? あたら一つの命が失われた……、とも思ったのですが、どうやらその卵は無性卵のようでしたので、まあ良かったのかな。

 ともあれ、卵の黄身を見て、男は狼男に変身。ピザ屋に飛び掛っていきます。ただ、狼男に変身したからと言って、特段強くなっるというわけでもないんですよねぇ。変身した甲斐もなく、男はあっさりと倒され、踏みつけられてしまいます。まあ、そんなもんだよね。
 それでもシュシュトリアンが態勢を整えるくらいの時間は作れたようです。シュシュトリアンはコンテナの上に上がると、紅のバトンを組み合わせてシュシュファイナルを発動。爆発してヘロヘロになったピザ屋に対して、最後は三人で蹴りをかまし、ピザ屋は空のかなたへと飛んでいったのでありました。

「ガガーリン曰く、『地球は青かった』」

 今回は、お説教ではなく、敵を退治した後のキメ台詞。シュシュトリアンに蹴り飛ばされて宇宙を漂っていたピザ屋も思わず、「本当だ。地球は青かった」とつぶやくのでありました。って、こいつ、宇宙まで飛ばされていたのか。第二宇宙速度を突破するとか、シュシュトリアンのキック力ってどれだけ凄いんだよ。ちなみに、第一宇宙速度は物体を人工衛星にする為に必要な速度で、およそ7.9km/s。第二宇宙速度は地球の重力圏を脱出する為に必要な速度で、およそ11.2km/s となっております。

 その晩、男は山吹家にお呼ばれして、夕飯をご馳走になっていました。家に英三郎と恵がいないんですけど、子供たちを放っておいて、どこへ行っているんでしょうね? 今日、平日のはずなのにね。
 月子に恋して狼男アレルギーが治ったはずなのに再び変身できたのは、やっぱり愛の力だと花子に茶化されます。その言葉に、ふけた大学生相手なのに月子も満更でもなさそうなのですが、ここで衝撃の事実が明かされます。実は男は、月子から雪子に心変わりしていたのです。そう言えば、戦闘中に、なんか意味ありげに雪子と男の視線が交錯するシーンがあったんですよね。あれ、こういう意味だったのか。
 露骨に気持ち悪がる雪子に対し、ウインクを飛ばす男。一方、振られた形になった月子は、フライパンで男の後頭部に一撃。男は顔から料理に突っ込むのでありました。月子は以前、スリッパで頭を叩かれることに文句を言っていたこともありましたが、フライパンで叩くのは本当にシャレにならないのでやめた方がいいと思います。



[次回予告]

「お姉ちゃん、いた?」
「いない」
「「あ~!?」」

「今の今まで、あなたを信じていたのに! ひどい!」

 有言実行三姉妹シュシュトリアン。「愛しのナルシス仮面様」。お楽しみに。



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