雑居空間
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 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年10月10日放送の第39話は、「愛しのナルシス仮面」です。
 前回の次回予告では、「愛しのナルシス仮面様」と月子が様付けで言っているのですが、正式なサブタイトルは「愛しのナルシス仮面」です。



 オウムが入った鳥籠を抱えながら、不動産屋の物件をチェックするフライドチキン男。オウムのピー子と同棲する為に、新居を探しているのです。6畳に3畳のキッチンが付いて6万8千円(フロ無し)という物件がちょっと高いそうなので、フライドチキン男もそれほど高級取りというわけでもなさそうですね。そりゃ、副業に精を出すのもわかります。
 そんな様子を眺めている月子と花子。オウムと同棲するということで、花子はちょっと呆れていますが、月子は「ロマンチック~」と、同棲に対して憧れを抱いているようです。中学生にはちょっと早い話ですけど、気持ちはわからなくも無いですね。

 その夜、KANの「愛は勝つ」を歌いながら、フライドチキン男はピー子ちゃんと自転車に乗っていました。懐かしいな、「愛は勝つ」。これも93年……、かと思いきや、リリースされたのは1990年でした。
 そこへ、謎の男が現れます。トレンチコートを着て、顔にはサングラスと中折れ帽。スタイル的に英三郎とかぶっていますね。
「お前たちの愛なんて、無意味だ。兄弟愛、家族愛、人類愛。どれもヘドが出る」
 男は突然、フライドチキン男に向かって、ヘアムースを浴びせかけます。ヘアムースを浴びたフライドチキン男はその場に昏倒。男は笑いながら去っていくのでありました。

「母さん、ムースがなくなっているじゃないか!」
 これからゴルフへ出かけようという英三郎ですが、ヘアムースが切れてしまったようです。迎えの車が、あと15分で到着するので、慌てています。
 ちょどそのとき、リビングでは月子がぬいぐるみで遊んでいました。英三郎は月子に、ムースを買ってくるよう頼みます。かったるいなぁ、なんて言いつつも、月子はコンビニへ走ります。後は髪をセットするだけなんだし、英三郎も自分で買いに行けばいいのにね。

「やっぱり、美しい」
 昨夜フライドチキン男を襲撃した男が、水溜りに映った自分の顔を見つめながら、自画自賛しています。しかしそのとき、顔が映った水溜りがバシャンと跳ねます。ムースを買うために急いでいた月子が、その水溜りの水を跳ねていったのです。
 思わず声を荒げる男に対し、月子は謝りながら、先を急ぎます。
「もしかして、山吹月子……」
 そんな月子の後姿を見つめながら、男はつぶやくのでありました。月子のことを知っているということは、やはりこの男、妖怪か何かの類みたいですね。ここで月子と出会ったのは偶然みたいですけど、昨晩フライドチキン男を襲撃したのは、お酉様の使いだということを承知の上だったはずです。
 しかし、シュシュトリアンが有名なのはメディアなんかで報道されているからわかりますけど、なんでシュシュトリアンの正体が山吹家の三姉妹だっていうところまでバレちゃっているんですかね。妖怪にはそういうの、わかっちゃうもんなんでしょうか。

 コンビニでムースを探す月子ですが、英三郎が普段使っているものがわからず、悩んでいます。だから英三郎が自分で買いに来れば良かったのに。
 そこへ、さっきの男が現れて、「これを使ってみないかい?」と、ムースの缶を差し出します。その缶には「ナルシス」の文字が。今、新製品のキャンペーンをやっているから、無料で配っているのだとか。キャンペーンをやっているにしても、店内で買い物中の客に試供品を差し出すとか、立派な営業妨害ですよね。
 しかしながら、“ただ”と言う言葉に弱い月子は、「ただでもらえるなんて、ラッキー」と、その缶と名刺を受け取ります。さらに男は、「これは君だけに、特別にプレゼント」と、月子の髪に花を刺し、立ち去るのでありました。
 「かっこいー」と、月子はのぼせ上がってしまいます。もらった名刺を見てみると、「ナルシス化粧品 営業部 早川成志」とだけ書かれています。住所とか、電話番号とか、連絡先は一切記載されていません。個人で作っている名刺だと、たまにこういう情報が足りない名刺もあったりしますけどね。

 月子の貰ってきたヘアムースで髪をセットする英三郎ですが、ブラシで髪を整えながらも、どこか様子がおかしいです。
「変だなぁ? 今朝はやたらにかっこよく見えるなぁ。いや、そうじゃない、私は前からかっこよかったんだ」
 と、鏡を見ながら、なぜかナルシシストぶった発言をします。いや、なぜかって言うか、あのヘアムースが原因なのは明らかですけどね。
 そこへ雪子がやってきて、友達との約束に遅れそうだから、駅まで乗せていってくれないかと頼みます。しかし英三郎は、「自分の脚があるだろ! 自分の脚で歩いていけ!」と怒鳴りつけます。ムースの影響で、英三郎は人のことなんか気にせず、自分がよければそれでいいという性格になってしまったのです。いや、自分だって他人の車に乗せていってもらうんだろうに……。
 食い下がる雪子をよそに、英三郎は鼻歌交じりに出かけていくのでありました。

 その頃月子はベンチに座りながら、成志から髪につけてもらった花を、鏡で見ながらニヤニヤ。しかしその鏡に、鳥籠を持ったフライドチキン男が映り込みます。
「うるさい、だまれ!」
 フライドチキン男はあんなにラブラブだったピー子ちゃんに冷たく言い放ちます。ピー子ちゃんと別れ話をしていたというのです。こんなオウムなんかより、自分のほうがずっと綺麗でかっこいいということがわかったのだとか。
 フライドチキン男はピー子ちゃんの入った鳥籠を蹴飛ばすと、櫛でヒゲを整えながら去っていくのでありました。こいつも成志のムースでナルシシストになっちゃったんですね。

 さらに場面変わって、篠山、加納、荒木の三人組。「どこかにモデルになってくれるかわいい子いないかなぁ」と、ベンチに座りながらぼんやりとつぶやきます。花子たちをモデルにするのは、もう飽きちゃったのかなぁ。
 そこへ現れたのが成志です。三人組にも例のナルシスムースを、キャンペーンで無料だと言って勧めます。無料と言う言葉に弱い三人組は、そのムースに群がるのでありました。別に小学生にはムースなんて必要なさそうなのに、無料と言うだけで、とりあえずもらっちゃうというのが悲しいところですね。
「これでよし。後は……」
 立ち去る三人を満足そうに眺め、成志はつぶやきます。あれ? この三人が山吹家の三姉妹と割と仲が良いというところまでわかった上でやっているんですかね? すごいな、成志の情報網。

「あんなにピー子のこと好きだって言っていたのに。どうしたんだろうね?」
 月子は部屋でピー子に語りかけます。フライドチキン男に捨てられたピー子ちゃんは、月子の部屋にかくまわれていたのです。
「月子くん」
 そこへいきなり、成志登場。え? 何で家の中に突然現れるの?
 月子も驚きますが、「君が忘れられなくなった」「好きだよ」の言葉にあっさり篭絡されてしまいます。いやいや、百歩譲って月子に一目ぼれしたのが本当だとしても、いきなり部屋に上がり込むなんて、いくらなんでもおかしいでしょ!
 しかしサングラスを外した成志に見つめられ、月子は動くことができません。そのままつかつかと歩み寄った成志は、月子の頬にキスするのでありました。良かった、唇じゃなくて。
 そのまま月子はベッドにへたり込みます。成志は「また来る」と言い残し、ドアから去っていきます。ドアを出たところで、スッ、と姿を消すあたり、やはりただの人間ではなさそうです。
 「成志さん……」頬に手をあて、月子は今の出来事を振り返りますが、ここでピー子ちゃんが翼をバタつかせて暴れ出します。「コラ! 焼き餅焼くな!」なんて月子は笑顔でたしなめますけど、どうやらピー子ちゃんには成志の正体がわかっているようですね。

 翌朝、学校で花子が篠山、加納、荒木の三人組と出会います……、が、どうも様子がおかしくなっています。
 「凄い、オレはなんてハンサムなんだ!」。そういいながら、加納はポラロイドカメラで自撮りしています。「あんたのどこがハンサムなの?」と、素朴ながらも余計なツッコミをした花子に対し、加納は「うるさい!」と、肩を突いて転ばせます。加納も乱暴だけど、花子も言わずもがなのことを言っているわけで、自業自得でもありますよね。
 そんな花子に篠山も、「勝手に転んでろ!」と冷たく言い放ちます。篠山は篠山で、ずっと櫛で髪を梳かしています。うーん、篠山の髪型で、そんなに櫛を通す必要あるんですかね?
 さらに荒木も「邪魔よ」と花子を突きすのですが……。荒木の格好は、完全に大阪のおばちゃん、という表現が正しいのかどうかわからないけど、かつての志茂田影樹をもちょっとおとなしくさせたような感じですかね。ナルシシストになったのはいいとしても、なんでオネエ系になっちゃうんだろう? これには花子も言葉を失ってしまいます。
 そこへ成志が姿を現します。三人は整髪料をもらおうと、成志のところへと駆けてくのでありました。

 家に戻り、花子は三人組のことを雪子に相談します。考えてみれば英三郎もムースをつけた後でおかしくなりました。雪子はこの二つの事件に何か関連がるのではないかと睨みます。
 月子がもらった成志の名刺を、何故か花子が持っていたので、確認してみます。ナルシス化粧品の、早川成志。何かに気付いた雪子が、百科事典でナルシスについて調べてみます。
「ナルシス、またはナルキッソス。ギリシャ神話の人物。水に映るわが姿に恋して溺死。死後、水仙の花に姿を変えたという」
 そう言えば、月子が髪につけていたのも水仙の花。成志が人をナルシシストに変えるムースを配っているということに、雪子と花子は気付いたのです。
「思った通りね。男の子たちに自分しか好きじゃなくなる整髪料を配っているのは、古代ギリシャからやってきた危険な妖精、ナルシス仮面なのよ!」
 自信たっぷりに断言する雪子。いや、まあ、実際当たっているんでしょうけど、なんで『ナルシス仮面』という名前まで言い当てているんでしょうか? 普通にナルシスでいいじゃん。

 その頃月子は、ソフトクリームを食べながら、成志と一緒にいちゃつきながら歩いていました。一気に関係が進行していますね。
 そんな成志とのデートも終わり、ルンルン気分で月子が帰宅します。そんな月子に、雪子と花子は成志の正体がナルシス仮面であると告げます。ナルシス仮面のもくろみを必死に説明する二人ですが、月子は成志のことを信用しきっているので、二人の言葉を信じようとはしません。月子は成志の言葉を胸に抱きつつ、自室に戻ってしまいます。
 そんな月子の様子を見て、ナルシス仮面はまず、お酉様の指令が届かないようにフライドチキン男を手下したのだと推測した雪子は、その手際のよさに舌を巻きます。そして次に、なぜ月子を狙ったのか。そこにどんな目的があるのか。
 ナルシス仮面の尻尾を捕まえる為に、雪子は一計を案じるのでありました。



「一番かっこいいのは、私よ」
「私にきまってんじゃない」
「私が一番よ」
 不毛な言い争いをしているのは、篠山、加納、荒木の三人組。荒木だけじゃなくて、篠山と加納まで大阪のおばちゃんスタイルになってしまいました。だから、なんでそうなるんだよ!
 誰が一番かを争って、揉み合いになる三人組。その様子を物陰から覗いていた花子が、頃合を見計らって登場します。
 争っている三人に、花子は転校生が来ると教えます。しかも、その転校生は超ハンサム。三人組よりもうーんとかっこよくて、その上親切で、思いやりにあふれている人、なのだそうです。
 この世におれよりかっこいいヤツがいるはず無い、と主張する三人ですが、じゃあ自分の目で確かめてみればいいと言い残して、花子は去っていきます。花子の後を追いかける三人組。そしてその話を聞いていたフライドチキン男。こいつも、一枚噛んでくるようです。

「超美形の転校生とは、考えたなシュシュトリアン」
 成志、いや、ナルシス仮面は、学校のプールに自分の姿を映しながら、フライドチキン男の報告を聞いています。朝、三人組に接触したときもそうだけど、小学校の中でこんな不審者をうろつかせてちゃダメでしょ。
 ナルシス仮面は、これがシュシュトリアンの仕組んだ罠だと喝破します。それを知ってうろたえるフライドチキン男ですが、ナルシス仮面は落ち着いたもの。月子を完全に篭絡している今、雪子と花子の二人だけのシュシュトリアンは、恐れるに足りないというのです。

 とある空き地に、ナルシス仮面とフライドチキン男、そして篠山、加納、荒木の三人組が集まってきます。そろそろ転校生が来る頃です、と篠山は言いますが、一体どんな約束してるんだろう?
 そこへ、一陣の風が吹いたかと思うと、白い土煙の中から、花子と、超美形の転校生が現れます。転校生は、トレンチコートにサングラス、中折れ帽と、ナルシス仮面とまったく同じいでたち。まったく小学生に見えないのはまだしも、中に着ているスーツが女物なのがツメが甘いところで、どうみても雪子の変装です。
 しかしその姿を見た三人組は、「うーん、顔はよくわからんが、見た目はオレよりかっこいい」、「脚も長い」「オレよりもてそう」と、ナルシシストに似合わぬ弱き発言。さらに花子から、「きまってるじゃない! うぬぼればかりが強くて、人を思いやれないヤツなんて最低よ!」と一喝され、うろたえてしまいます。
 ここでフライドチキン男がステッキを一振り。転校生の帽子とサングラスが飛ばされてしまいます。転校生の正体は、やはり雪子なのでありました。
 しかにここにいるのは二人だけ。ナルシス仮面は、「やはり月子は来なかったようだな」と、不敵に笑います。雪子は「あんたのよなハンパな奴は、あたしたち二人で充分よ!」と強がりますが、やっぱり月子がいないとキツイんじゃないかなぁ。いや、人数はともかく、シュシュトリアンに変身できないことがね。
「こいつは、この地球上から人を愛したり思いやったりする気持ちをなくすことで、子供も生まれないようにして、人間を滅ぼそうと考えているナルシス仮面なのよ!」
 状況がよくわかっていない三人組に雪子がナルシス仮面のことを説明するのですが、子供を減らして人間を滅ぼすとか、そんな話だったの? 今、初めて聞いたんですけど。想像だけで、かなり話を盛ってない?
 しかしナルシス仮面は、三人組の頭にムースをかけて、再び洗脳してしまいます。仕方なく、雪子と花子は戦闘に突入するのですが、月子がいないのでシュシュトリアンに変身することができません。ナルシス仮面は傍観しているので、フライドチキン男+三人組との4vs2 の戦いになったのですが、いいようにあしらわれてしまいます。あれ? いつもなら変身前でももうちょっと強かったような。特に三人組相手なら、普通にいなすことくらいはできたと思うんですけどね。
 ともあれ、取り押さえられてしまった雪子と花子。ナルシス仮面に、頭からムースをかけられてしまうのでありました。

 その頃月子は部屋にいて、「早く来ないかなぁ、成志さん」なんてことを考えながら、コップに活けられた水仙の花をもてあそんでいました。
「ツキコサン」
 しかしそのとき、突然ピー子ちゃんが月子に話しかけてきたのです。
「ツキコサン、マッテモムダ。アノオトコハ、コナイワ。アノオトコノモクテキハ、アナタタチヲシュシュトリアンニサセナイコトナノ」
 成志を悪く言われて怒る月子ですが、ピー子ちゃんもまた、ナルシス仮面の被害者。嘘だと思うのなら、今あいつが何をしているのか、見てくればいいと、月子をけしかけます。

 雪子と花子は体育館の片隅で縛られてしまっていました。あれ? ムースをかけたのに、この二人は洗脳されないんですかね? シュシュトリアンだから? それとも、女性だから? いずれにしろ、不審者が校内でこんなに好き勝手できる小学校の防犯体制は、もう少し何とかした方が良さそうです。
「待って、そうはさせないわ!」
 どこかへ引っ立てられて行きそうになる雪子と花子の前に、颯爽と月子が登場します。驚いたような表情を見せる、ナルシス仮面。信じていた成志の所業を目の当たりにして、月子の怒りは頂点に達したのでありました。しかし月子も、よくこの場所がわかったなぁ。バルミラクルでの通信も無かったはずなんですけど。
 単身踊りかかった月子はフライドチキン男を蹴り飛ばし、まとわり着く三人組を振り回してナルシス仮面に激突させます。おお、強い!
 ナルシス仮面がひるんだその隙に、雪子と花子を助け出すと、プールの脇でシュシュトリアンに変身です。

「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」」」

「古人曰く、『人のふりみて我がふり直せ』」

「ナニシテルノヨ、フライドサンハ!」
 洗脳中のフライドチキン男ではありますが、慌ててピー子ちゃんのいる月子の部屋に現れ、諺の解説を始めます。ピー子ちゃんの「フライドサン」っていう言い方が、なんか良いですね。

「ボクの人生はボクのもの。ボクが美しいボクだけを見ていて何が悪い!」
 まあ、そんな説教に聞く耳なんて持つはずも無く、戦闘開始となりました。
 シュシュトリアンvsナルシス仮面+フライドチキン男+三人組、という構図なのですが、流石に変身したシュシュトリアン相手に、フライドチキン男も三人組も、相手にはなりません。っていうか、フライドチキン男はさっき諺の解説してたから洗脳が解けたかと思っていたのですが、そんなことはなかったようですね。洗脳されたままでも、諺の解説はきっちりする。ある意味、プロですね。
 それはさておき、花子がフライドチキン男のステッキを取り上げてこの4人をロープで縛り上げると、さっさと隅に追いやって戦力外にしてしまいました。

 残るはナルシス仮面のみ。ナルシス仮面はまあそこそこの強さではあるのですが、流石に3vs1 だと分が悪いようです。初めはなんとか攻め込めたりもしましたが、やがて雪子と花子に一方的にボコられるようになってしまいます。
 しかしここで月子が、雪子と花子を制止します。ナルシス仮面との決着は、自分で付けようというのです。
 月子は紅のバトンを片手でくるくる回し、「シュシュムーンライト」という新技を披露。このバトン回しのシーンは見事ですね。吹き替えなしだから、結構練習したんじゃないでしょうか?
 しかしこの技、バトンから発せられた光線をナルシス仮面の取り出した鏡で反射されて、自分で喰らってしまいました。うわー、せっかくの新技なのに! せっかっくかっこよくバトンを回したのに!
 月子を心配して雪子と花子が参戦しようとしますが、月子はやはりこれを固辞。今度は高く飛び上がると、ナルシス仮面めがけて紅のバトンを正面から振り下ろします。それを鏡で受け止めようとするナルシス仮面ですが、紅のバトンはその鏡を粉砕。鏡の破片がナルシス仮面の全身に突き刺さり、ゆっくりと倒れ込みます。うわぁ、痛そう……。

 苦しむナルシス仮面に、月子が駆け寄ります。
「こんなこと、したくなかった……」
 月子が流した涙が水仙に落ちると、水仙は黒ずんでしおれてしまいます。さらに月子の涙は、ナルシス仮面の手にも落ちます。
「なんなんだ、これは……」
 手に触れた涙の感触。それはナルシス仮面に、これまで感じたことのないぬくもりを呼び起こします。
「これは涙。私の気持ち」
「暖かい……」
「それが心。それが愛です」
「知らなかった。こんなぬくもりはこれまでに一度も……。月子、ありがとう」
 これまで自分自身への愛しか知らなかったナルシス仮面ですが、月子からの愛を受け、本当の愛を知ったのです。
 ナルシス仮面は、月子の愛に抱かれたまま、白煙とともに消え去ったのでありました。

 正気を取り戻したフライドチキン男と三人組。雪子と花子で、とりあえずロープを解いてあげます。
 三人組は操られていたときの記憶を失っているようで、お互いの大阪のおばちゃんファッションをけなしあいます。
「やっぱり愛はすばらしい。よかった、よかった。ハハハ……」
 フライドチキン男はなんとなくいい感じに締めようとするのですが、今回はフライドチキン男があっさりと敵の手に落ちたことで黒しちゃったんですよね。そのことを責めるシュシュトリアンから逃げ出し、追いかけっこがはじまるのですが、そんなやりとりも、どことなく楽しそうではありますね。

 そして、ピー子ちゃんに謝罪するフライドチキン男。鼻に包帯が巻かれているのですが、これはシュシュトリアンにやられたものでしょうかね。
 ピー子ちゃんはフライドチキン男を無視して目をそらします。なんとか許しを請おうと鳥籠に手を突っ込むフライドチキン男ですが、ピー子ちゃんから突かれてしまいます。
 まあでも、月子を諭したピー子ちゃんの感じからして、全てを理解しているようですし、そのうち許してくれるんじゃないですかね。



[次回予告]

「大変! 町中で大暴れ!」
「え!?」
「妖怪? 怪人?」
「シュシュトリアンの出番ね!」
「そ、それが……」
「「ひえ~、バルタン星人!」」
「私たちじゃ手に負えないわ!」
「そうだ、ウルトラマンを呼ぼう」
「月子、何言ってんの?」
「来るわけないでしょ!」

『シュワッ!』

「「うそ~?」」
「やった!」
 次回の有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「ウルトラマンに逢いたい」。お楽しみに。
「「「シュワッチ!」」」



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