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人事考課を部下育成に10倍生かす方法

2005-10-06 | マネジメント
10月に入り、冬季賞与に向けた人事考課の季節がやってきました。ということで、今日は某社にて「考課者ミーティング」を行いました。

人事コンサルの中では、考課技術の向上を目的とした研修「考課者訓練」を行うことがよくあります。しかし、私の場合は考課者の一人一人が「人事考課で何を行えばよいのか?どうすればよいのか?」を自ら考えてもらうために、ミーティング形式の考課の進め方の検討や実際の考課実務を行っています。

さて、人事考課で最も大事なことは「一人一人の部下が納得できる考課を行う」ことであり、さらには「考課を通じて育成を行う」ことです。このためには、「事実に基づいた考課」を行うことが大変重要なポイントとなります。

しかし、半年に1回の人事考課では、一人一人の部下が日々どのような行動を取っていたか、どんな結果となったかを思い出すことは非常に大変です。しかも、半年も前のことを「○○○というのは良くないことだからから、注意してね」と言われたところで、「何で早く言わんねん!」とツッコミを入れたくなるのが人情というものです。また「○○というのは良かったよね~」と褒めた場合も、処遇が伴っていなければ「だったら、ボーナスや給料一杯ちょうだいよ」と思われてしまうことでしょう。かといって、全くフィードバックしなければ、育成にも何もつながりません。

では、いったいどのようにすれば「納得してもらえて、しかも、育成に繋がる人事考課」が行えるのでしょうか?その答えは「日々の積み重ねで考課を行う」ことに他なりません。つまり、毎日部下の行動をよく観察し、その場で評価し、すぐにフィードバックしてしまうことなのです。

例えば、部下が良い行動を取ったと感じた時には、すぐその場で褒めるようにします。こうすることで、部下は「自分の行動が認められた」という喜びを感じることが出来、また、「きちんと自分を見てくれている」という満足感を感じることでしょう。そうすれば、その行動を

また、治してほしいことがあれば、気付いたときにすぐその場で注意します。こうすれば、その場で行動を改めてもらうことが出来ますし、部下が納得できなければ、議論を戦わせるを図るチャンスも生まれます。いずれにせよ、改善の貴重な機会が得られるようになるのです。

そして、これらの「褒めたこと」「注意したこと」等の裏にある行動をきちんと日々記録をとっておけば、実際に考課をするときに大変な参考資料となります。この記録は、考課をつけるときにはもちろんのこと、部下に考課結果をフィードバックする際にも大変役立ちます。また、部下も一度その場で確認していますので、より高いレベルで納得することができます。

考課の時期になると、上司はつい「部下の考課をする」ことが仕事だと感じてしまいます。しかし、上司としての最も大切な役割は「部下の仕事が出来るようにサポートする」ことを忘れてはならないのです。考課をするときにも、ぜひこの観点をしっかり認識して頂きたいと思います。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
旧ブログからの引継ぎコメント(2005/10/08 06:46:43) (だいきゅう)
2005-10-27 08:17:45
なかなかできないのが日々の継続ですが、また何よりも重要な事も日々の継続ですね。
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旧ブログからの引継ぎコメント(2005/10/09 13:03:27) (Swind)
2005-10-27 08:18:14
そうですね。つまるところは日々の積み重ねに尽きるんですよね。「評価」「処遇」「育成」を別々に考えるのではなく、それぞれのつながりをみることが大切だと思います。
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