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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

[経営実務] 「研修手当」はOK?

2005-06-04 | 経営実務
仕事の中で、お客様企業での研修の講師を努めることがあります。最近では、昔ながらの「座学研修」だけではなく、経営現場で起こっている具体的なテーマについて、参加者が一緒になって答えを考える「ワークショップ」スタイルの研修も増えてきています。(私は、このようなスタイルの場合は「ミーティング」と呼んでいます。)

このような「ワークショップ」スタイルの場合、座学と集中討議を同時進行で行うため、どうしてもまとまった時間が必要になります。このため、「金・土」や「土・日」のように、休日を利用して実施するケースがほとんどです。(たとえば、先日あるお客様の管理職を対象に「次年度の部門目標・個人目標を立てる」というミーティングを行いましたが、このときは土・日2日間の合宿を隔週で3回開催しました。)

さて、ここで問題となるのが「休日に研修へ参加した場合の扱い」です。多くの企業では、休日の研修参加には休日勤務手当に代えて、「研修手当」などの手当を支給しています。しかし、労働基準法に照らし合わせて考えると、OKといえない場合があるので注意が必要です。

まず、「休日に研修へ参加する」ということが「休日勤務(労働)」となるかの問題です。たとえば会社として案内はするが参加は自由といったような場合には、各個人の自主的な判断が入りますので、福利厚生的な扱いとして「勤務ではない」と判断可能です。しかし、「必ず研修に参加するように」といった場合には、それは(おそらく職務上の必要性があって)研修参加を「命じて」いるわけですから、休日勤務扱いと考えることが必要になります。

労働基準法上では「休日勤務には割増賃金を支払いなさい」ということが定められています。したがって、前記の場合には「研修」といえども休日勤務扱いと考えるわけですから、休日勤務分の所定賃金+割増賃金を支払う必要が出てきます。研修手当がこのこの額を上回らない限り、法令には適合しないということになってしまうのです(なお、管理職については法令上はこの割増賃金の対象にはなりません)。

会社が研修を行う場合には、なんらか職務上の必要性があるはずです。したがって、研修を受けさせる場合には、「研修を受けさせてやっている」ではなく、「人財のパワーアップのための投資」と考えてはいかがでしょうか?その後に従業員が気持ちよく働けるよう払うべきものは払ってしまったほうが、結果として大きなリターンが得られると私は考えます。

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