はな兄の1分で読めるエッセー

ふと脳裏に浮かんだ雑感を気ままに綴った日記

入院の話の続きで恐縮ですが

2022-01-27 17:11:05 | 入院

病院というのは

不思議で。

入院している家族や友人の

お見舞いで来た時と

その人がその後、たまたまその病院に入院することになったとして

患者の一人として

その病院内を見るときと

景色が

全く違って見えてしまう。

もちろん

外見は

待合室も病室もトイレも売店も

看護師さんの顔ぶれも

見舞いに訪れた時と変わらないのに

患者になって

寝間着姿になるや

なんだか

全てのひとつひとつの風景が

岡本太郎の『座ることを拒否するイス』のように

こちらに

プレッシャーをかけてくるような嫌なものに見えてくる。

 

 

夜中。

静まりかえっている。

空気が冷たい。

 

 

トイレに行くと

個室から

プォ~ン!

という屁の音が響き渡る。

「ああなぜ、俺はここにいるんだろう。なぜ夜中に

他人の屁の音を聞かなきゃならないんだろう」

空しい気持ちになる。

同年代の人々は

合コンだの飲み会だのコンパだのと

楽しくやってるだろうに。

 

中古のビーカーを股間に当て

おしっこをする。

情けない。

採取した尿は

トイレの中にある分析装置みたいな器械に

ジョボジョボと流しいれる。

トイレのスリッパのペタペタ響く音も

哀感を演出する。

 

 

 

「早く退院したい」

 

それ以外のことは考えられなくなる。

時代からも取り残されているような気さえしてくる。

 

 

 



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