ギリギリ探偵白書・37


 ギリギリ探偵白書


その日、私(阿部)は機材の手入れを一人で行っていた。
通常の環境下で使用されることの少ない調査機材は
毎回のメンテナンスが重要なのだ!!

そんなわけで、タバコを吸うのを我慢し
一つ一つ丁寧に機材のメンテナンスを行っていた。

細かい部品が多いため、メンテナンス時は詳細な注意が必要だ。
そのため、私は一室にこもって、作業を行っていた。

すると、扉を叩くヤツがいる。

(だれだ!!)

それは、弊社の代表代理でもあるサザビーであった。

阿部   「何だ!!整備中だぞ」

サザビー 「それを使う相手から電話だぜ」

阿部   「依頼か?」

サザビー 「イエス!!ジャストドゥイット」

阿部   「・・・・・わかった。すぐ行く」

私が受話器を取ると、その先からは男性の困り果てた声が聞こえた。

相談男性 「あのぅ・・・人探しというか・・・なんというか・・・」

阿部   「・・・調査ですね」

相談男性 「長い話なんで、行ってもいいですか?」

阿部   「どうぞ」

相談男性 「今、事務所の下にいるのですが・・・」

阿部   「え?事務所の下?」

男性は肩を落としながら、相談室へと入っていった。

依頼者の男性は、ある掲示板で対象者の女性と知り合い
お金を貸すようになった。
そして、お金を貸すたびに身分証明書などは増えていった。
依頼者は、すでに3桁のお金を貸していた。
それから数ヶ月、返済は受けていない。


依頼者の話を簡単にまとめよう。

ある時、依頼者は、検索エンジンにその女性の名前を打ち込んでみた。
すると、別の掲示板にその女性の名前が書かれている事に気がついた。

それは、人探し・被害の掲示板であった。

読み進めていると、貸す側の男性がパンク(破産状態)すると
次の男性へ移る。といったことを繰り返す手口が記載されていた。
もちろん、返済する事はない。

・・・・寸借詐欺である。

そして、そのまま、検索エンジンに「探偵 東京」と打ち込んで
T.I.U.に相談へやってきたというわけだ。


詐欺であると思われる場合は「特殊調査」となり
あらゆる方面から調査が開始される。

私の直属となる第一調査部は、早速、関係者の調査を行い、
サザビーを筆頭とする第二調査部は、依頼者の男性が持っている
資料(対象者の身分証明書)などの裏付け調査を開始した。

そして、特務調査チームを召集し、対象者の女性のエサとなるように
あらゆる掲示板に潜入した。

そして、特務部は被害者の一人一人と接触、その被害状況を確認し
情報の収集に成功した。
また、第二調査部は膨大な資料の中から、新事実を突き止めた。

第一調査部は、対象女性の住所となるマンションの賃貸主を判明させ
そこから、この詐欺に関与していると思われる人物の特定に成功した。

調査開始から約2週間、この調査は無事解決するものと思われた。

しかし、相手もプロであった。

対象者の女性が住むとされるマンションが解約されると同時に
特定した人物が一人一人、姿を消し始めた。

そんな折、依頼者の男性から連絡が入った。

依頼者  「どうしましょう・・・明日会えないかと連絡が・・・」

阿部   「・・・なるほど」

依頼者  「・・・何か焦っている感じでした」

阿部   「焦っている?なるほど、明日、時間は大丈夫ですか?」

依頼者  「大丈夫ですが・・・」

阿部   「サポートチームを召集しますので、ご安心下さい」

そして、私は第一調査部・第二調査部より、この調査に適した調査員を
その日の内に召集し、会議を行った。

そして、当日を迎えた。

雨が降っている。
車のワイパーが一定の間隔で動いている。

私から見える喫茶店には、依頼者が座っている。
その周辺の席には、T.I.U.のベストメンバーが座っている。

無線での連絡が入った。


田中   「代表、今、対象者が入りました」

阿部   「ピンク色か?」

田中   「その通りです」


中では現金が依頼者の男性から対象者の女性に手渡されていた。
そして、女性が身分証明書などを提示する。

数分後、喫茶店から出てきた女性が急ぎ足でタクシーに乗った。

タクシーは都心の渋滞を抜け、郊外の住宅街へ向かった。
そして、比較的新しいマンションの前にタクシーが止まった。

マンションの玄関には、辺りを見回しながら、男性が一人立っている。

(あれは確か関係者の一人だ・・・)

そして、女性から封筒を受け取ると、その中身を確認した。

その時、無線での連絡が入った。

田中   「マンションの裏手にいます。指示をお願いします」

阿部   「エントランスに回ってくれ」

サザビー 「真横にいるよ。どうするよ?」

阿部   「突入で」

サザビー 「了解!!」


・・・・・・数秒間の沈黙・・・


男性は辺りを見回した後、自分たちが囲まれている事を悟ったのか
一瞬下を向き、女性を睨み付けた。

阿部   「○× △○ さんですね?」

サザビー 「時間は16時34分」

阿部   「その封筒の中身は、○○さん(依頼者)から借りた
      ○○万円でいいですか?」

男性は沈黙のまま、全額を返す事に承諾した。

そして、その後、男性も女性も姿を消した。

ちなみに、今回の調査で特務チームが掲示板などに潜入したのだが
1掲示板(サイト)に平均2名の寸借詐欺(今回と同様の手口)を
行っていると思われる人物と接触している。

これが日本の現実である。




        完



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探ズバッ!!48

さて今回は、探偵向きの人間、不向きの人間について検討します。

よく、探偵向きなのは、好奇心旺盛である。とか
情報通だとか、我慢強い。とかが挙げられますが
嘘っぱちです。

好奇心など要りません。

短気でも我慢強くても、どちらでも構いませんね。
短気で、ガバッと駆け出す人間も
落ち着いて冷静に対処する人間も
どちも探偵に向いてると思いますし、どっちも向いてないと思います。


では、どんな人が探偵に向いているのか?

①普通の人
②女性の人
③日本の人


このあたりですかね。

まず①の普通の人ですが
背が低くもなく高くもない、太ってもないし痩せてもいない。
という身体的なものですかね。

ちなみに、私は身長180センチなので、探偵に不向きですね♪


次に②の女性の人ですが
この仕事は、やはり男性の方が多いです。
イメージ的にも、探偵と言えば男。となってしまいませんか?
って事は、女性と言うだけで、怪しまれ度が下がるわけです。
体力的には・・・。と思われるかもしれませんが
探偵に体力なんて関係ないですね。

ちなみに、私は男です。戸籍上も見た目も。
よって探偵には不向きということですね♪  


最後に③の日本の人。

これは、調査現場が基本的に国内ですので
外国人というだけで、少し目立ってしまいますからね。
調査をやる上で不利になるのではないかと思います。

ちなみに、私は日本人ですので、探偵に向いてるという事です。



では、探偵に向いてない人は、どんな人か?

特に思いつきませんが、探偵をやらなかった人じゃないですかね。
それか、自分には無理だと思った人とか。



とまあ、当社の見解では、こんな感じです。

結局、調査をするのも人間ならば、調査をされるのも人間です。
探偵という仕事は、誰でもできるし、誰でもできるわけじゃない。


依頼者に対し親身になることも
時に冷静に突き放すことも重要なのです。

気転が利く人間ならば、調査の時の状況判断が素早いような感じに
思われがちですが、気転が利くばかりに空回りする事もありますし。

結局のところ、自分を生かせるかどうか。
自分の特徴を客観的にとらえ、自分なりの探偵になると。


ま、そんなところですかね。

探偵に向いてるか向いてないか。という議論自体が無意味なんですね。

よく、他の探偵社のホームページで見るんですが
何個以上当てはまる人は、探偵に向いています。ってヤツね。

見るたびにやってみるんですが
私は、基本的に探偵に向いていないようです。



チックショーー!!


って、誰の基準で決めてんだ!!

俺がスタンダードだ!!


向いてるか向いてないかは自分でしか判断できないしね。
人に、どう言われようが、どう思われようが、知ったことか!
ってね。やってダメなら辞めりゃ良いだけだし。




結論 

探偵に向いてる人ってアブナそうだ・・・。

ま、なんかあったらご相談を!!  http://www.go-tiu.com/
危うく騙されるとこだった!!って人もメール下さい。


(代表代理サザビー)

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大魔神後継?

横浜が高崎と契約 アジア大会日本代表右腕(共同通信) - goo ニュース

~引用 

横浜は11日、希望枠で入団が内定していた日産自動車の高崎健太郎投手(21)=176センチ、80キロ、右投げ右打ち=と契約した。横浜市内のホテルで交渉し、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円で合意した。背番号は22。

引用~


と、横浜ベイスターズの希望枠選手が契約しました。
それは良いのですが・・・。


なぜ、背番号22?


横浜の背番号22と言えば

ハマの大魔神佐々木の背番号。


もう少し、大事に扱って良い番号なんじゃないかなぁ。
と思うのですが。


まあ、最近はルーキーに良い番号を与えすぎですよ。
最初の年は、40~60あたりの背番号を背負って
活躍してから、背番号変えれば良いんですよ。

松井だって、イチローだって最初は50番台の背番号ですよ。
(いまだにですが・・・)


横浜球団ってのはチームの運び方がヘタっぴで有名です。
契約更改の席で余計な事言って選手との間にミゾ作ったり
監督人事も難航するし。。。

背番号に重みを持たせて
金以外でも期待しているぞってのをね
ルーキー以外の選手にも示していく必要があるのではないかと。


しかし、多村のトレードだったり
22番をルーキーにつけたりとファンとしてはガッカリですが
新しく入団する選手には、ぜひ大活躍してもらいたいですね。


(代表代理サザビー)

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