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伝統工芸桐たんす屋
桐たんす 相徳 四代目のページです。
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伊丹十三の映画 2

2007-07-11 20:22:30 | 桐たんす
伊丹監督の映画は よく見ていました。

電話があったのは 土曜日の午後だったでしょうか。
美術担当の人。

夕方にこられてひとしきりお話。
桐箪笥を貸してくれないだろうかというお話でした。
映画はあげまん。

後日 FAX 等を送られてきて話をつめるとなったのですが
おくられてきたFAX は 
セットのパース 平面図が含まれていました。

実に良く書けています。

平面図からの 方向と パースも明示されています。
実に細部まで 植木の配置なども書き込まれている。

通常の新築のお宅の設計の人はここまで書き込んではきません。
伊丹さんは こだわる人だと聞いていました。
映画のセットに関するパースとか
普通どのぐらいのものまで用意するのか 私は知りません。

驚きました。

箪笥は 5棹 お貸しすることになりました。

うち3点は 和室に置かれてということで
映画の中でもだいぶうつっています。

撮影現場の見学に行きました。
私は 案外にミーハーでもあります。

和室に 箪笥2点は セットで はめ込みの形。
セットが良くできている。
ぴちっとしています。
柱がすっきりと立っている。
柱と 箪笥とが きちっと 平行になっている
鴨居と 箪笥とが きちっと平行になっている。

こんな事を書くのもなんですが
今の新築の家で こうしたことが カネがきちんと出ている家が どれほどあるでしょうか。
それがセットできちんと達成されている。

すごい。と なんでセットでこれだけ出来るのかなぁ と
もっと私は ラフなものなのかと思っていたのです。


セットは 宮本さんの 辰巳柳太郎さんの家の設定です。

贅を尽くした家の設定なわけです。

おりしも テレビのクルーも取材に来ていました。
映画の宣伝の一環でしょう。
TBSの そこが知りたい で やっかいになったクルーのメンバーがいましたので そのあたりは明らかです。

テレビの 情報系の番組の作り方と
映画の作り方 ちょいと対比がきいていて 私的には
よくわかっておもしろかったです。

テレビクルーが邪魔にされる まぁ もっともなのですが
や 映画のスタッフの取り組みもよくわかります。

宮本さんの演技や 伊丹さんの指導なども拝見。
伊丹さん モニター使ってるんだな は
そのときの驚きでした。

このセット拝見で実はすごく驚いたのは
この撮影のときではなく 引き上げのとき
撮影は 予定通りの日数にて終了。

セットへ 箪笥を引き上げに行きました。

同時にセットをじっくりと拝見です。
庭は 庭にカメラ据付の関係で ちょいとほじくりかえしていましたが
セットの中は たいへんにすばらしかったです。

カメラに写るものは 精神を 神経を集中
傾けているのが伝わってきます。
実にいろいろなものがよくできている
いい品物が並んでいます。
コーディネートって こうやってやるんだな と
なんとなくイメージでしかわかっていなかったものが
あたかもそこに暮らす人の生活が伝わってくるような品揃えです。

仏壇や 仏具や そう 位牌や 遺影
金田龍之介さんが写っていましたが まで
実によくそろっていました。

そこで ここで 今生活をしていると言っても
まったく違和感のない品揃え
生活をしている人の 気持や考え方が伝わる品揃えです。

ここまでやらないと リアリティはでてこないのだな と
そう思ったものです。

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映画の完成試写会や 完成パーティにも御邪魔しました。
とても いい経験です。

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後日 伊丹ご夫妻は ご来店。
桐たんす 御買い上げをいただいています。
狸穴の事務所にも 御うかがいしました。

とても気さくな とてもいいかたです。

具体的な お客さまとしての話は
あまり書くのは いかがなものかですが
ひょいと ガードレールを乗り越えてきた 宮本さんは
ほんとすごいな と 私は 思ったものでした。




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