峠を越えてもまだ先がある

谷 和也 シニアの挑戦 ゆっくりマイペースで

インドネシア版の羽衣伝説

2007年10月29日 | インドネシア語
 大阪大学に統合された旧大阪外大の伝統行事「語劇祭」が、今年は行われた。生まれ変わった大学としての初イベントである。インドネシア語専攻学生の公演は28日午後。時間連絡も受けていたので、久しぶりに大学の箕面キャンパスを訪れた。

 統合は10月1日。校門の大学名が「大阪外国語大学」から「大阪大学」にプレートが入れ替わっている。まだ1ヵ月足らず。学生たちも“阪大生”と呼ばれるのにも慣れきっていないようだ。4回生の学生と話した。「インドネシアに留学をしていたので実際は“6回生”です。去年卒業していれば、外大生のままだったのですが、来春は阪大生として卒業することになりました…」。就職も決まり、今、卒論に取り組んでいる最中。

 中庭ではバンド演奏が行われていた。さまざまな国の料理のテント張り出店が並ぶ。校舎内の教室では写真展のほか各語科の催し、喫茶コーナーも。ただ、かつて運動場まで使って盛り上がった頃の祭りと比べれば、今年の規模は縮小気味だったという。

 語劇はイベントも可能な4階の階段教室で、各語とも45分。舞台の両端に縦長の細いスクリーンが設けられ、そこに日本語訳が映し出される仕組み。インドネシア語劇は「ジャカ・タルブと7人の天女」(Jaka Tarub Dan Tujuh Bidadari)という演題だった。

 日本の“羽衣伝説”と似た話は世界各国にあって、これはインドネシア版のお話。羽衣をなくして天に帰れなくなった天女(bidadari)の1人が、人間の男性(ジャカ・タルブという名前)と結婚、子供も生まれる。しかし、幸せはやがて暗転。“見てはいけない”という約束を男性が破ったり、羽衣を実は男性が隠していたことがわかったからだ。

 劇はいきなり破局のシーンから。「行かないでくれ!」。舞台の2人の動きが止まった状態になる。そこへ、観客に説明する「語り手」が登場。なぜこうなったかというストーリーが展開されていく。インドネシア大学講師で脚本家のモハマド・ユスフさんが学生の劇に合うよう脚本化した。

 上演するまでには準備が必要。セリフも暗記しなければならない。練習は夏休み返上で行われた。学生は劇を通じていろいろ勉強し、思い出をつくる。そういった準備の都合で、今年の開催は大学の統合前から決まっていた。が、来年度はどうなるか。未定だという。


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2 コメント

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語劇 (井上久生)
2007-11-09 08:42:44

40年余たった今でも思い出します。
3回生の語劇祭。演目は忘れました。
毎日貸衣装調達、寄付集め、セリフを暗記したこ等。
その母校も いまや 大阪大学。
昨日 地下鉄のポスターで 「大阪外語」なるもの
発見。 それは 専門学校で 「大阪外語学院」でした・卒業してもう40年余 いまだに Lagu-
lagu 南十字星会など インドネシアに関わっているのはどうしてでしょうね。
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多謝 (tani)
2007-11-09 21:41:44
コメント、ありがとうございました。
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