峠を越えてもまだ先がある

谷 和也 シニアの挑戦 ゆっくりマイペースで

伝説

2007年04月23日 | 
 阪急池田駅前の花壇の中で金色に輝くモニュメント。駅に立ち寄ると必ず目に留まるが「奇妙な物体」程度にしか見ていなかった。たまたま、近づいて説明版を読み「あ、そうか」と分かった。何年も知らずにいたのは申し訳ないが、果たして、どのくらいの人がご存知なのだろうか。

 答えから先に。「風にひるがえる衣被(きぬかずき)」である。「衣被」とは、広辞苑によると「平安時代ころから身分ある女性が外出時顔をかくすためにかぶった衣」のこと。別名「きぬかつぎ」「きぬかぶり」とも。高さは4.7㍍あって、金メッキをしたブロンズ製。池田市制50周年を記念したもので、平成元年(1989年)4月29日(市制施行記念日)の前日に除幕セレモニーが行われている。

 池田に伝わる「くれはとり・あやはとり」の伝承をこの衣被で表し「池田の町と人の未来への飛翔」を願ってつくった、と説明している。今風に言えば、ベールのような感じのかぶりもの。ブロンズなのに、ひるがえっている様子も柔らかく巧みに表現している。

 池田には、日本書紀に登場する“織姫伝説”がある。応神天皇の時代に、呉の国(中国)から織物の技術を伝える4人の“織姫”が日本に渡ってきた。その紡織の始まりの地が池田。織姫の1人、呉織(くれはとり)は市内の「呉服神社」に祭神として祀られ、その妹の穴織(あやはとり)は「伊居太神社」に祀られている。

 音読みの呉服(ごふく)は絹織物→着物を指すようになったが、もともとは「呉の国」の織物。神社名「呉服」は(くれは)と読む。そんな伝説がありながら、池田では織物が盛んだったという記録はあまり残っていない。そのへんも、不思議といえば不思議だ。

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