峠を越えてもまだ先がある

谷 和也 シニアの挑戦 ゆっくりマイペースで

ワラビーの病気

2006年11月21日 | お出かけ
 雨上がりの池田市五月山動物園。檻の中、金網に近いところでワラビーが数匹固まっていた。寒いわけでもないのに、くっ付き合い密着状態。“群れ動物”だから、別に不思議な光景でもないという。少し離れて、見るからに高齢と分かるワラビー(写真)。餌場で草を食べたり、舎内にひっこんだり。

 オーストラリア原産の「ベネットアカクビワラビー」(有袋目カンガルー科)という種類。体は茶色。クビの部分がやや赤いのでこの名がついている。カンガルーの仲間では中型(65~95㌢)。近くでウサギの世話をしていた若い女性飼育係員に尋ねた。

 「動物園ではどんなに飼育員が頑張っても、動物が病気にかかってしまうことがあります。年齢を重ねると病気になる確率が高まります。特にカンガルーの仲間は細菌に感染しやすいのです。あごの周りが腫れる“カンガルー病”という特有の病気もあり、どこの動物園でも頭を悩ませています。このワラビーはオスで『トム』という名ですが、1年ほど前に病気にかかりました。今は持ち直して、エサもよく食べていますが…」

 姉妹都市のオーストラリア・ローンセストン市からワラビーが贈られ、トムは池田で生まれた。でも、すでに10歳を超えている。平均寿命が15歳のワラビーにすれば、もう“おじいさん”である。目は少しつり上がってかわいいけれど、肌毛はツヤがなくなっているようだ。背のあたりに毛が抜けて、地肌の見えているところも。

 「治療で何度も注射したところが、あんな風になっているんです」。カンガルー病に似た症状。歯ぐきからウミが出る。治療は、たえず消毒をし、抗生剤の注射を続けたそうだ。
 群れているグループのそばにメスの10歳『ドチ』(耳に赤い札を取り付けているので判明できる)。このドチも最近病気になり、治療のおかげでようやく元気が出てきたところ。

 高齢動物たち自身も飼育係も、病気になると大変なのだ。「トシといってもまだまだ大丈夫。出来るだけ長く素敵な姿を見せてほしいと願っています」「そうですね」

 高齢の年代に差しかかって来たわが身のことを、ふと思った。

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