峠を越えてもまだ先がある

谷 和也 シニアの挑戦 ゆっくりマイペースで

思い出の一輪挿し

2010年01月22日 | 日常と健康
 壁にかけた一輪挿し。黄色いフリージアを入れている。花器は水筒の型をしている。水筒と言っても、今風のポット風ではない。アメリカの西部劇で馬の鞍の横にぶら下げていた、あのオールドファッションの水筒だ。
 
 新聞社の高松支局で勤務していた頃、香川県庁近くで開業していた漆芸店のSさんと懇意になっていた。同じ会合の仲間同士だった。20年前の話である。「変わった花器?そうですよね…」「気に入ったのなら、どうぞ持ち帰ってください」「いゃ、そんなわけには…」。商品のひとつだから、もらうこともできない。しばらく押し問答。結局、頂いてしまった。

 その一輪挿しは、長らく仕舞い込んでいた。ところが、最近になってその“懐かしい品”を妻が探しだし、玄関脇にかけている。

 Sさんは先年、他界。連絡も頂いた。未亡人の奥さんから正月に年賀状が届き「お変わりございませんでしょうか」と達筆の添え書き。妻は花瓶の経緯を知っているのかどうか。ただ、年賀状は見ている。私には、思い出深い一輪挿しである。
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