21-9-26(土)阿仁金へのレスの続き。

いや、なぜ今、徒然草の作者の名前を出すかというとね、この吉田兼好が書いたということは僕でも知っている。教科書で読んだくらいで何の興味もなかった。だけど、この徒然草という本、実にウイットに富んでいて面白い、ということを、昨日知った。

先日も書いたことがあるが、近くに四季という喫茶店がある。
マスターは、いつも下ばかり向いてカウンターの中にいる。客が来ても、気づかないほど放っておく。
「マスター、いつも俯いてばかりいるけど、何か辛いことでもあるの？」と僕は訊いた。
ハっとしたマスターは笑いながら返してきた。。
「いやいや、そんなことはないですよ」
「僕が入ってきても知らん振りだったじゃない。やっと声をかけて気づいたくらいなんだから。何してるの？」
はにかんだ様子で、
「本を読んでいるんですよ」
「ほー、本？」
見せてくれたのが、「徒然草」の単行本。そして、パラパラとめくって、その頁を読んでみて、と言って僕に渡した。
興味のない本を手渡されて、つまらなかったら何と答えようと考えながら読み始めた。
しばらくして僕は、ぷっと吹き出してしまった。至極単純に面白かった。

それは、その時代の女性のことを、吉田兼好が詮索する一節だった。昔も今も、男も女も考えることは同じ、と妙な発見をした。
角川書店出版の「徒然草」、今日買いに行こう。

実は、今日は仕事。今、会社から。
世の中、大変だからね。うちも他人事じゃない。ほんとは、もうそろそろ引退したいんだけどね。また現実的なことを書いてしまった。でも、定年（60歳定年、嘱託制度なし）までは、まだ10年以上ある。
僕よりも、はるか年上の阿仁金。彼はとっくのとうに定年を迎え、悠々自適の老後生活を送っている。時間があり過ぎて毎日部屋に籠もり、ネットサーフインをしたりの物見遊山でいる。昨日訪れた彼の日記にそう書いてあった。
彼は臭いが、羨ましい。それも物臭な彼だからできる業だ。
十年後に僕も定年を迎える。そのとき、彼を真似たい、と思っている。