今から5年前。
コーン蹴り坊やこと三沢智彦は、
親戚の叔父さんとともにアメリカ旅行に行った。
アメリカに着くと、
叔父さんはアメリカ北部に行きたがり、
智彦はアメリカ南部に行きたがった。
理由は、
叔父さんは暑がりやからアメリカ南部は嫌やということと、
智彦は寒がりやからアメリカ北部は嫌やということやったけど、
北部と南部は単なる地理的な呼称であり、
北部に行けば寒いとか南部に行けば暖かいという単純なものではない。
(カリフォルニアやフロリダは年間を通して夏気候に近いと聞くけど)
そのコーン蹴り坊やこと智彦は、
アメリカ南部のド田舎へと行くことにした。
ここでなら誰にも邪魔されずに、
心ゆくまでコーン蹴りが出来ると思ったからやった。
しかし、
道路工事をしている気配が全くなかったことから、
智彦は、
穀物のコーン🌽を蹴ることにした。
そんな時、
トウモロコシ畑に、
アメリカ南部では日常の、
キリスト教の伝道集会が開かれた。
こうした伝道集会を開く宗派は、
迷信的色彩が強いカルト的要素が強く、
既成キリスト教会ではない別物が多い。
しかも多額の献金を要求する。
そして、
智彦が目にした伝道集会もその類いやった。
伝道師(キリスト教では神学校を出ないと神父や牧師を名乗れない)が、
キリストを信じれば全て可能だと訴え、
新約聖書の『使徒言行録』に書かれた、
毒蛇に噛まれても死ななかったパウロのように自分もキリストを証しすると言って、
副伝道師がガラス箱に入ったデカいガラガラ蛇を持ち出した。
伝道師は「ホサナ(お救いくださいの意)❗️」と叫び、
ガラガラ蛇のガラス箱に手を入れてわざと噛ませた。
そして伝道師はナニごともなかったかのように、
集まった人々と元気に讃美歌を歌いまくって30分後に死んだ🙏
集まった人々は伝道師の亡き骸をスルーして、
副伝道師に「チーティング(イカサマのこと)❗️」と大声でインネンをつけた。
副伝道師は落ち着き払って、
「伝道師様は確かに亡くなりました。しかし復活の日に蘇ります。そして復活の日はもうそこまで来ています!」と力説して、
亡くなった伝道師の遺体をそのままにして讃美歌を歌いまくった。
ここに智彦が英語で副伝道師に、
「復活の日が近いのなら、あんたもガラガラ蛇に噛まれなよ。それに死なない可能性もあるんだし」と言った。
副伝道師は智彦が日本人であることを認め、
カタコトの日本語で、
「誰や⁉️おんどれは⁉️」と尋ねた。
智彦は、
「マイ・ネーミズ・ボウヤ・コーンケリ(My name is bouya coonkeri)」とミョーな英語で自己紹介した。
(正式英語は My name is Corn Kicker Boy.ぼくの名前はコーン蹴り坊やです)
智彦のミョーな英語をよそに集まった人々は、
副伝道師に、
「お前もガラガラ蛇に噛まれろ❗️」と叫び出した!
副伝道師は急に空を指して、
「あ❗️UFOや❗️」と叫んだので、
人々が空を見上げると同時に逃げた!
が、
後で保安官に捕まったという。
智彦はこの伝道集会の出来事には無関心に、
トウモロコシ畑のコーン🌽を蹴りまくった。
そして、
この3日後、
帰国した。